富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月十三日(金)曇。十三日の金曜日、2008年奥運が北京に決定す。八年前奥運シドニーに決まりし時北京は誤解にて歓喜数秒後に実はシドニーと知り中国全土を覆いしあの数秒の沈黙の屈辱感、その屈辱あり本日2008逃せば北京逆噴射、それを思えばここでオリムピックなる飴与えれば暫し北京従順に国際社会にて在り。それを好しとすべき選択か。いずれにせよ職業野球すら興味なき予は其れでもまだ企業が宣伝に球団を攘す職業野球は地域別国別で発狂す蹴球に比べればまだ資本主義であるだけマシ、オリムピックなる政治運動は予の最も嫌悪する国家主義にて、それを利用する領袖も、それにもましてその国家運動に呼応する民衆こそ哀れ、北京からのテレビ中継にて天安門広場で感極まり感涙に咽ぶ市民、北京大学構内にてオリムピック開催に歓喜する学生を見れば、人の記憶装置など実に浅薄なもの、同じ輩がきつと十二年前には天安門事件にて反政府を誓い悔しさに涙せしもの、数々の悪夢も七年後のたかだか二週間ほどの「祭典」にて全て忘却とは。国家民族主義発揚の場オリムピックの憂鬱。晩Y君六月にて専職を離れ暫し子育てにと時間を置くことになりしS嬢と銅鑼湾いろりにて会食す。