富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月二十二日(金)快晴。数カ月前香港にて公開されし張揚監督『洗澡』、同志社大博士課程のK君と日本にてこの映画が掛かれば日本の野暮な邦題は何かと推笑となり『愛と悲しみの湯煙り』かと、Z嬢は『湯けむりの向うから』とこれも粋な邦題、いずれにせよせ「まさか」と思いしが『東京人』7月号の頁捲れば偶然にも本日東京にて試写会、邦題は『こころの湯』(嗤)、よくもこんな満点な邦題をつけしと開いた口塞がらず。せめて『風呂屋』が真っ当、かつての『自転車泥棒』とか『街の灯』といった秀逸なる邦題をつけし日本洋画界今何処に。邦題も邦題なら『東京人』編集部による映画評も下町の人情だとと『時間ですよ』と同じ視点にてとらえ、この映画のエロチシズムなど微塵も理解しておらず。『こころの湯』では中文では『心臓スープ』、これでは「北京の一見何気ない下町の風呂屋キチガイ家族が風呂に来た客を惨殺し夜な夜な浴槽の熱湯にて煮こんでスープにした世にも恐ろしい物語」である。『噂の真相』一行情報には「沖雅也元愛人にて美少年評論家の日景忠男新宿二丁目にて経営の喫茶店放置し男と逃避行」との由、日景氏が若し女と逃避行すれば話題にすべし。