富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月三十一日(木)快晴。溜まった新聞を眺めしが南華早報にて競馬のいい写真があると思えば十中八九S嬢の旦那のD君の撮影、Champion MileのRed Pepperといい Charter Cupの奔騰といい躍動感ある馬に惚れ惚れとす。新聞といえば『信報』は経済紙ながら(否、経済紙だから、か)文化欄が充実しているのだが、その中でも白眉は畏友William Tangの連載。十代の頃、グローイングアップ的な男女のパーティ、それと鷄禽のウイルス騒動という一見脈絡のない事項がWilliamの手にかかると元朗の彼の故郷、親に隠れてのP場といえば養鶏場、というわけ。ファッションデザイナーでありながら筆致は極み、香港当代屈指の随筆、食と旅の記録。一年ほど前、彼に舞踏家・大野一雄氏の舞台写真を贈る。それにしても数日前の『信報』に彼のインタビューがあったが、中国大陸にて展開する彼のブランド、『読売(Yomi Uri)』とはこれは如何か、彼はスポンサーがつけたというがデザイナーが果たしてそれを口実にできるものか。外国人選挙法、またしても国会で見送り。だいたい外国人選挙なる語が間違い、国籍と市民権という概念に疎い日本、国籍の如何を問わず市民権を有する者に選挙権が与えられるべき(税金は徴収するくせに)。ちなみに日本は2050年までには老人人口増加と少子化にて成人1人の労働力が1人の老人を扶養することになるそうで、本来なら日本は歴史の見直しとか君が代日の丸などに時間を浪費するよか、論語でも教えて敬老か、経済をよほど利潤の大きな体系とでもし、成人1人の労働力が1人の老人を扶養できる社会を構築すべきなのだが、そんなことは所詮無理、今さら欧州なみの小国繁栄体系が構築できるでもなく、そうなればもはや労働力人口の輸入しかなく、それを思えば今からいかにして「外国人」を日本社会に引き入れるかが課題であるものを、参政権は与えずコーランは冒涜し、未だ「外国人」問題と思う無知、これは自ら社会がが老いた先の自己の問題であることを知らず。尖沙咀のジム、終わってHMWにて王菲の精選CD(国語、粤語それぞれ)とビートルズの精選を購い、海防道街市の徳發にて牛肉丸粉と通菜に合香園の凍檸檬水、これでHK$36、牛丸がどこよりも美味しいのは当然として、なぜ季節とはいへただ乳腐をかけた通菜がこれだけ美味いのかと暫し眺めてみれば、他の店なら麺を茹でる鎬で片手間にサッと湯通しする油菜でもこの店は注文が多いから籠に積まれた野菜を油菜のためだけにグラグラと煮たっている大鍋にバサッといれてサッと茹で、かなりの瞬間芸で茹で上げ、これは美味くないわけがない。それが二、三分で掃けてしまい、また茹でるの繰り返し。合香園の凍檸檬水も甘くもなく酸っぱすぎもせず美妙。暑い日の夕方、大雨のなかこの街市に飛込み、大屋根から雨がところどころ滴る下、かなり不快な環境のようでいて、なぜかこの清潔さでは折り紙付きの街市の徳發だけは気持ちは涼しげ。
ジム問題。以下、関心のない方には拝読頂くには全く無意味な内容。10年近く通いしジムは島(金鐘)と大陸(佐敦)に2つあり、大陸側のジムが突然閉鎖されたのはいぜん語った通り、経営難は経営難として容すとしても、ふと気になり大陸側で借りていたロッカーの月費は6月はまさか徴収されまひと島のジムで確認したら自動引落しの取消しには時間がかかるで6月も徴収されるので、もし急ぎなら自分で取り消せ、と。勿論そうさせていただくが、徴収してしまうのは大変失礼だが返金をすぐするとか、そういった納得のいく説明もなく、この呆けた態度がこのジムの最大の欠点、環境じたいはいいジムなのだが、これでは会員を失っても致し方あるまひ。後ろ髪引かれつつその場で退会を決意。非常にスノッブなジム甲とこれまで悪口を言い続けてきたジム乙と環境のいいジム丙とここ数日行脚、甲は場所が家にかなり近いがどこか他から来るには不便でコジンマリとしすぎ、乙は西海岸的に無邪気に明るく阿呆のようで音楽も煩く、丙はかなり美しい環境だが場所が尖沙咀では私には不便で銅鑼湾の提携ジムはあまりにコジンマリ。結局、暫くは、と乙でおちつく。