富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月十日(火)小雨。Z嬢が嗅ぎつけた砲台山の福建料理・閔江春小館(英皇道185號)、まず清炒通菜が供されたが一口食べて油が良いから美味い、続いて三杯鶏も大蒜を上手ってるが鶏が骨から滑るような軟らかさ、いい鶏だ、蒸茸豆腐も豆腐がカラリと良い具合に揚がっている、嫩餅(春巻か)はもう絶品、二人でこれだけ食べても三杯鶏の大蒜とタレが鎬にかなり残っており白飯にそれをかけて平らげ、食後の花生湯も落花生を本当に茹でているがかなり絶妙な甘さ、蔡瀾などかなり紹介しており有名な店で、この店がもしかしたら食通A御大がいぜん語っていた福建料理屋かと察したが、その足で夜半、西灣河に映画を観に行けば、会場にてH夫妻と遭い、その話をしたらH夫妻もすでに食しており、やはりこの店がA御大が讃めていた福建料理屋だと判る。かなり美味い、他で食べたことのない味だ、亭主の真摯な態度もいい、味はちょっと濃すぎるのだが。香港映画祭にて韓国は柳昇完監督の DIE BAD、低予算でのオムニバスだが、高校の落ちこぼれたちが警察と不良になり、憎しみもないのに殺し合う立場に陥るという、物語としてはすでに語られすぎたものなのだが、役者もいいが、なんといってもキャメラがいい、キャメラのスピード。喧嘩や抗争をあらゆる角度からこれでもかこれでもかと肉薄していく、それでいてドキュメンタリー的ではなく演出作品としてのワキマエが活きている、立派。この監督、かなり良い脚本に出会えばかなり面白そう。