富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月十八日(日)曇。三島『鏡子の家』読了。そのあと『婦人公論』や『ミセス』にでも連載されたであろうたわいない小説群の先鞭だが流石に三島、どうでもいい人たちのどうでもいい話を格調高く事に優れ、但し新宿の裏通りの描写でも雑踏のごちゃごちゃした感じが出ないのは三島らしさ、か。和田勉の制作で、鏡子に浅岡ルリ子、清一郎は三島本人、ボクサーの俊吉にビートたけし日本画家の夏雄に山本学、俳優の収に小林薫という脚本で三時間ドラマもの、というところ、作品としての平凡さは武満徹の音楽で補えばいい。市大會堂にて、香港政府が法輪功のこの市大會堂での反中国際集会を会場貸出ししたことへの中国側の反撃、文匯報と中華青少年歴史文化教育基金(だいたい正しい歴史教育などと宣う団体は胡散臭い)の主辨、親中団体協賛で、法輪功を狙った「反邪教」展示会、参観。一流の広告代理店でも使えばいいものを所詮野暮、いきなり入場してオウム心理教にウガンダ集団自殺人民寺院、そういう世界の邪教を見せ、次に法輪功の北京での焼身自殺の生々しい写真を並べ、最後に法輪功の中国での活動や香港での「合法的な」活動を見せて、はい、お終い……出口から入場してしまったのかと思うほど演出が下手、この順では「なんだ、法輪功ってマトモじゃん」となる(笑)。政府の人口調査、不運にも7世帯に一つとかの長問答に当ってしまい(競馬で当ればいいものを)調査員が来宅しての身辺調査される。調査は学生がアルバイト、各世帯を尋ねるとは、その筋の世帯だの不法移民の世帯だの該ってしまったらかなりヤバいもの、先日も謎の999番通報に住宅に駆けつけた警官が射殺された事件もあったが、折角の問答無用の市民総背番号制IDカードがあるのだから、それと所得税申告などで調査できるものを。ケーブルテレビにて『フードファイト』観て、ゲスト出演の石田一成、乱歩の作品で道化師役、日本橋高島屋から白木屋にでも宙を飛ばせてみたいもの。D大博士課程のK君にもらったテープで志ん朝の「居残り佐平次」を聴く。