富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

雨傘運動から早五年

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大公報によると暴徒が10月1日に警察を殺す由。やつてほしいのか。黒蟻も警方もいずれか先に「殺し」をしたほうが負け。警方の場合、実弾発砲で抗議方が負傷も負け。警方は分が悪いが合法的な暴力装置なのだから致し方ない。


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SCMPに林鄭が逃亡犯条例撤回につき習近平に事前了承とりつけたと記事あり。林鄭近辺の情報筋。これもロイターの時と同じく意図的な漏洩。読者からも林鄭無力、信用なく辞任すべきと強い投稿あり。着々と林鄭辞任のための準備進んでゐないか。国慶節前の平定できず国慶節も国殤節で乱れさう、その後も不安定な情勢続くのも確実で十月末くらゐに「過労から体調崩し」で休職、無力な政務司が行政長官代行くらゐでまずはお引き取り願ふのではないかしら。 

警惕中共改造香港 - 程翔 | 蘋果日報 | 果籽 | 名采 | 20190928

中共的邏輯是這樣的:反送中運動的深層次原因是民生問題(特別是住屋)沒有得到解決,社會由此積累的大量怨氣,藉着修訂《逃犯條例》而宣洩出來。而民生問題之所以得不到解決,是因為香港的資本主義制度。所以長遠解決香港問題,必須對資本主義進行改造。

さすがヴェテランジャーナリストの程翔である、かつて左派報の記者で中共と袂分かち識ること多過ぎ中共からは逆にスパイ扱ひされるが香港の〈逆権〉の問題の核心は結構問題であり、それに対して中共が何をしたいか。中国の特色ある社会主義、実ハ「中共ノ特色アル一党独裁」で香港の資本主義制度を〈改造〉したい。香港といふ金の卵はそのまゝ、それを中共資本が独占すればよい。かつては英国領香港で英国系資本がその敵であつたがSwire財閥系のキャセイパシフィック航空から控制できる中共なのだから次の敵は香港の地場系財閥。中国での利益を鑑みれば香港の地場財閥などいくらでも軍門に下るが李嘉誠だけはさうはいかぬ。そこで李嘉誠が「習近平中共」にとつての敵となる。鄧小平から胡錦濤までの李嘉誠中共の関係を無碍に習近平の強気。
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中共の経済繁栄にあれほど貢献の李嘉誠中共系がゴキブリ扱ひとは。

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“Chinese guys, including Li Ka-shing, know that businesspeople have historically not been protected in China,” said Joseph Fan, a professor of finance at The Chinese University of Hong Kong. “Being diversified to avoid political turmoil is a smart move. But not everyone has been able to achieve this kind of diversification.”
Observers say the city’s other tycoons would struggle to move away from China now, with Hong Kong in turmoil.

Opinion | Hong Kong and the Independence Movement That Doesn’t Know Itself - The New York Times

In their notorious 8/31 white paper, the Chinese authorities in Beijing put forward that they had 全面管治權 over Hong Kong, roughly: the “all-inclusive power to govern, no holds barred.” The autonomy enjoyed by the special administrative region is not a given; it is given, or granted, by Beijing. Being told this angered many Hong Kongers, especially those longing for universal suffrage and those who had expected China to act as a responsible ruler and keep the promises it made, including in the Basic Law, for years to come. They saw Beijing’s declaration as an undue attempt to expand its power over Hong Kong, and they made a counter-declaration, in effect, setting out an entirely different vision for the city’s future.

本日は土曜日。週末の公益募金は〈亜州動物基金〉でステッカーに「くまモン」かと思へば家人にいはせれば台湾熊らしい。土曜ゆゑ午前中からFCCで週末の新聞読み。

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昼に「ビヨンドバーガー」なるものを飰す。かぎりなく肉だが米国で豆などから製造の肉もどきなのだといふ。菜食の輩でもカロリー制限の肥満体も楽しめる肉の味といふが何か怪しくないか。隣卓で二人客が中華を三皿頼んで随分と食べ残したまゝ五月蝿いほど賑やかに語り合ひながら啤酒を飲んでゐる。事実はそれまで。だが、これが二人客が「女性」と書き添へただけで何かしらのエフェクトがかゝり、更に「韓国人の」で「だから韓国人は」となるかもしれない。だが何杯も「おかはり」するのはサッポロ麦酒で、となると何うだらう。事実は印象と言葉で幾らでも意味づけができる、それも偏見も容易く。


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午後一つ用事済ませ黄昏ときにFCCに還るとラ式蹴球の中継で何やら日本が番狂はせでアイルランド破つたさうな。すでにオフサイドとはいへIRELANDと背に書かれた緑衣の背中はずいぶんと落胆を物語る。家人と待ち合はせ場所へとHollywood Rd歩くが土曜早晩だといふのに飲み屋は何処も閑散。香港がこんな情勢でもガイジンには屁の河童だと思ふのだが景気といふのは全般に何らかの影響広く与へるものらしい。結局はムードなのだ。皇后大道中のL粥麺店に久々に飰す。粥麺の老舗で蜆介鯪魚球は相変はらず美味いが麺は何だか美味くなくなつてしまつた。中環で市大会堂から沿岸に出て金鐘方面へと向かふ。雨傘運動から早五年。

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金鐘の添馬公園には何千人の市民が集会。民陣の主催で警察の「不反対」のもの。Harcourt Rdは黒蟻の群れが道路占拠。それを抜けて帰宅。道路占拠となつたことで警察が民陣に集会の前倒しでの散会促す。抗議方はその後、銅羅湾に移り道路占拠。警方の事後の追跡は路線バスを止め海底隧道潜つた紅磡でも執拗に。


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農暦八月廿九日


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昨日の何も面白くもない〈林鄭告白〉は発言者の3分の2が警察暴力を指摘、4割が独立調査委設立に賛成。無作為で選ばれた市民の民意がそこなのだ。それに応じられない林鄭。この「対話」集会で唯一「へぇ」は六月以来、反送中の逮捕者拘束した新界の羅湖に近き新屋嶺扣留中心は今月初から使用中止してゐるとのこと。この拘置所、昔は大陸からの不法移民臨時収容の施設で人里離れた場所ゆゑ1989年の天安門事件の後は中共脱出した活動家ら海外に亡命させる黃雀行動で香港に入境した活動家ら極秘に一時収容したのも此処。それが今回、数多くの身柄拘留で此処が復活してゐたのだが携帯電話も繋がらぬ山深い場所で施設環境も悪しく、此処に収容されてゐた市民が少なからず北区病院に遣られ重度の骨折や打撲の痣など見つかり新屋嶺で警察が何のやうに拘留者扱つてゐたのか警察は明確な発表もなく不詳のまゝ。警察官による収容者の輪姦といつた噂もあり。昨日の集会で、この収容所に関する質問が参加者よりあり、此処に拘束されてゐた者からの状況発表すらないことに疑問といふ点で林鄭が急な処置で不明朗な点、誤解があるかもしれないが「すでに使用してゐない」で済ませるから。そこで警方に徹底した内容精査と報告を求めた、とはいへない。何せ警察は昨晩とても林鄭のために何ら正義感もなき無用な仕事をさせられ市民に嫌はれてゐるのだから林鄭は彼らに不利なことは何もできない。警察力だけが頼りなのだ。その新屋嶺扣留中心につき本日午後4時の港警記者会見で警察も林鄭の説明内容認め6月以来、最大で75名収容等と上辺だけ説明あり。今晩の金鐘では新屋嶺被捕者人權集會開催の由。

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明報が中文大学の傳播與民意調查中心に 委託した反送中に関する4度目の調査結果発表される。本土・激進民主派15%と温和な民主派36%に対して建制・親中派7%である。興味深いのは一目瞭然で温和な民主派の見方が本土・激進民主派への余りの相似。あれだけ日常生活や景気に負の影響があるといふのに。どれだけ中間層を含めてまで反送中に限らず林鄭、香港政府への不満が高いか。下は呂大樂先生の指摘@明報。

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香港政治のベテラン・李鵬飛(79)は親英→親中と世渡り上手と思つたが蘋果日報全人代元香港代表として「這次《逃犯條例》修訂,有沒有人大代表發過聲?都沒有出來幫香港人說話!」と手厳しいく「中央近年已「貶低」特區,慨嘆目前香港的亂局難以解決」と断じる。中共の最高権力機関の全人代なのであるから香港代表として何ができたのか。市民からは対内地のビジネスや産権関係の紛争の便宜依頼が多く内地で香港市民が身柄拘束された時も配偶者からの依頼で内地の或る地方政府に打診したところ数ヶ月後に釈放されたが内地の対応・解決は問い合はせの7%程度。李鵬飛は全人代代表の限界を感じたといふ。内地の省・市には全人代代表の事務所があり李鵬飛は香港代表が36名もゐるのだから香港にも全人代代表の弁公室開設を求めたが香港政府には立法会があり民意を代表しており当時の全人代委員長・吳邦國にも「香港的事情由香港政府去辦,因為特區很敏感」と諭されたといふ。少なくとも当時は中央政府にも一国両制の理念徹底があつたといふこと。

▼ふと携帯電話の請求書見たらアタシと家人で2つのナンバーのはずが3つあり。もう昔のことのやうだが昨年末にiPhone XSをタクシーに置き忘れ紛失。数ヶ月しか使つてゐないのに泣く/\新規購入となつたが銅羅湾のCSL商店で契約期間の縛りの都合で店員が(詳細は複雑だが)「来年(つまり今年)4月末まで5ヶ月だけ契約重複しますがテンポラリーのアカウント設けて」それが一番勘弁と説明あり5月までにそれがなくなるはずが課金の詳細見てゐなかつたアタシも悪いが9月迄まだ月額でHK$317も徴収されてゐるではないか。太古のCSL商店に赴けば店員が、この契約の経緯経緯はデータではわからないが5月以降のチャージはミスだらう、と。それでも香港では珍しいことだが契約した店に行つてくれ、といふ。なぜかういふ契約にしたのか担当者ぢゃない不明。


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ちょうど昼にかゝる時間なので早めに銅羅湾の文輝墨魚丸大王で紫菜四寶粉を啜る。紫菜(岩海苔)が昔はもつと立つプリだつた。食後、並びの台湾系の甘いミルクティー屋に行列がない。かつてかなり繁盛してゐたが閑古鳥。ブームは過ぎたらしく初めてそれを飲んでみる。台湾名物なのはわかるが青天白日満地紅旗を台湾に遇らつた中華民国マークとは香港は未だ辛うじて表現自由の地か。銅羅湾のCSL商店に赴くと昨年末の担当者は幸ひ銅羅湾店で勤務のまゝで接客中。別の職員は契約の意味がわからぬので、その彼がかなり独自の判断をしてゐたわけで、その接客は1時間以上要するからアトで電話する、といふ。アトでいつかゝつて来るかもわからぬ電話で埒の開きさうな話でもないので狭い店で立つたまゝ待つこと2時間。2時間もかゝる携帯電話販売といふのも客が携帯契約に慣れてゐないがカネはある要領の悪さうな中年夫婦だからで、それでも待つアタシもまるで蛇のやうな執念深さ。待つ間にiPhoneで昨日の日剩綴り編集から上網迄してしまふのだからアタシも立ん坊としてはプロ中のプロ。やつと交渉開始。その店員は「4月末で当初の契約が切れたのは事実だが客がそれを見越して契約更改に来ないといけない」といふ。またすでに請求と支払ひの済んだものは遡つても1ヶ月の返金しか対応できぬと。今回の場合は、あくまで契約調整のためアンタの方が提案した5ヶ月のテンポラリー契約で4月末で自動的に終はる、来年4月以降は従前の契約通りと言つたはず。それがこちらが契約解除に来なかつた、とは何事か。アタシの人生幸朗スヰツチが入りさうだつたが相手が察して内線電話で上司とひそ/\話。「実際にこの携帯番号で利用がないようですから別部署でそれを確認の上、5月からの徴収金額を全額お返しするやうにします」と。


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黄昏に自宅ビールと自宅マティーニ。ビールは注いですぐはちょうどグラスのトップまで泡があつた。

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このイラスト、朝日新聞夕刊の記事だと思ふと、こゝまで許容範囲なのかと驚いた。

林鄭對話

農暦八月廿八日。iOS13なるもの陽暦十月朔日の供給開始と思つてゐたら滑稽節ぢゃないんだから今月二十日で既に公開されてゐたので須磨帆とiPad、家人のにも同じく下戴。さすがに陋宅浴室で働いてゐるiPodは最新型でも対応なし(これは12.4.1でお終ひ)。いくつか新しい機能増えたがiPadが専用のOSで少し使ひ易くなつた気もするが以前の更新時のやうな画期的な目新しさはない。iPhone11 Pro発売になつても品切れのやうな話題性もあんく初日から直営店、家電店に限らず在庫あるのと一緒。


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折角申し込んだ〈林鄭対話〉は昨日迄に当選とこなかつたので外れたのだらう。150人に対して2万人の申し込みあつたさうで130倍である。

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林鄭は「和理傾」なんて宣つてみせるが会場となった湾仔のエリザベス体育館に動員された警官は3千人。参加者1人あたり20人の景観が守ってくれるとは。


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市民との対話集会の警備に警察は重装備で催涙弾まで用意は会場周辺で騒動起きることへの警戒。それに林鄭が会場を無事に出られるまでが警戒任務。それにしても何故に湾仔のこんな場所選んだのか。西九龍だとか空港の先の博覧会場なら警備もし易いだらうに。


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午後7時から開始。テレビ観戦。今晩は抽選に当たつた150人のうち130人だか参加で更に抽選で発言者選び1人の制限時間は3分。発言棄権も可。6人だかの発言に林鄭が1度まとめて回答するだけで追加質問も不可で、これのどこが対話なのか、聞いて呆れる。
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発言は圧倒的に黄絲の抗議方多し。その中で稀に「警察の前を通ることに危険感じないが黒衣で顔を隠した連中が怖い」と語つた「一市民」と名乗つた女性あり。集会後この女性が非番の警官だとネット上で暴かれる。

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午後9時までの集会は30分ほど延長され結果、30人が発言したが、それも4人に1人だと思うと、この非番の女警は随分と籤運がいゝ。


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集会が終われば〈林鄭退場〉が課題。場外には2千人の抗議者。正面玄関傍ら半地下の駐車場に林鄭乗つてきた政府のAM90ナンバーの専用車(林鄭は反送中でCEナンバーの専用車利用せず)泊まつてゐるのが窺へる。警察が入り口固め抗議者と記者が鈴なり。


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林鄭と黒蟻の我慢比べ。一時はスタジアム裏側の皇后大道東も黒蟻が道路占拠。1時間、2時間で抗議者も徐々に減り出し23時過ぎに警方が皇后大道東を奪回。自動車通行再開。半夜三更。日も変はり25 時過ぎになり動き慌たゞしくなり駐車場入り口に人だかり。林鄭の自動車がスタンバイでSPが警戒態勢。

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テレビの画面が突然、皇后大道東側に変はる。自動車通行規制されてをり「あ、なるほど」と思へば、そこに黒塗りの自動車(政府ナンバーにあらず)が走りこんできて待機。抗議者は排除されたまゝで歩行者通行も規制されるなかプレスのカメラだけはゐたやうだがスタジアムの扉が開くと何十人の警官が付近警戒に飛び出しSPに囲まれ疲れきつた表情の林鄭お出ましで自動車に乗り込み〈林鄭脱出〉の場は呆気なく終了。「対話集会」も市民が林鄭の前で発言できたことだけが成果で林鄭の台詞はいつも通り。それで最後がこの裏口からの〈林鄭逃亡〉なのだから更にまた不評の厚塗り。四時間もスタジアムのカビ臭い貴賓室に〈林鄭籠城〉してゐるのなら正面に出てくればよいのだ。陋巷の基層階級の出で勉強はできて香港大から政府上級職に駆け上がつたがソーシャルワーク専門だつたのに肝心なところで初期対応やケアの能力が絶対的に欠ける……となると「勉強はできるけど」の欠陥人間と烙印押すしかなし。殴られやうが、って殴るやうな「暴徒」はゐない、罵声は何れだけ浴びやうがレコーダーの再生のやうに同じやうなタテマエ原則ばかりだらうが繰り返へせばよい。涙ながしてでも自分の立場で判断ミスもあつたこと謝罪し何れだけ頑張つてゐるか告訴すれば良い。僅か数%でも支持は上がるのに。だが、それをすると天安門での趙紫陽になつてしまふ。

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林行止専欄のいふ通りなのだ。雨傘運動から旺角騒乱経て今回の反送中で反政府派の動きの多様化に林鄭の政府など全くついてゆけてゐない。中共反政府運動の対して弾圧といふ手段以外の何も持ちやうがない。このやうな状況で反政府派が待つ〈対話〉の場に市役所部長四名連れて無策のまゝのこ/\出かけてゆく林鄭がいかにダメなことか。

“Hong Kong, I Am Listening” said Carrie Lam


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 大公報がファクトチェックはネットで流布された831の太子站警察暴力での死者リスト。名前や住所など詳しいが全て事実に当たらず、と。蘋果日報は民主派の立法会議員・鄺神こと鄺俊宇が昨日の朝、暴漢三人に襲はれた件。今日の信報専欄は散らかつてしまつた反送中の動きを警察への独立調査委員会設置は当然として運動をもう一度、雨傘運動の原点である普選実現と明確にすることを力説。

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Opinion | Hong Kong, I Am Listening - The New York Times

posted by Carrie Lam: Hong Kong has faced — and overcome — momentous challenges every decade since the end of World War II. This should tell us something about the people of Hong Kong: They are resilient and resourceful. It should also tell us something about the values that the Hong Kong people share and our common aspiration for a bright future.

This summer’s unrest is another transformative process — if a painful and, at times, depressingly violent one. I reject the use of violence to achieve any political, economic or social outcomes. Violence is not among the actions or values that most people associate with Hong Kong, which has a reputation as a safe and welcoming city. The radical actions of some rioters cannot dictate how to steer Hong Kong through its current difficulties.

Both the community dialogues and my Policy Address are part of a necessary reconciliation process. Deep wounds have been opened in our society. These will take time to heal. But it remains this government’s hope that conversation will triumph over conflict and that through its actions, calm can be restored and trust can be rebuilt within the community. To help create the atmosphere necessary for the community dialogues, I announced earlier this month the formal withdrawal of the bill to amend the Fugitive Offenders Ordinance, the so-called extradition bill. The amendments, which were designed to address the shortcomings of existing mechanisms for the surrender of fugitive criminals, were the catalyst for the protests.

▼一昨日迄に沢木耕太郎キャパへの追走』(文春文庫)読了。以前に同著『キャパの十字架』を読んでゐて、この『追走』はチョートク先生が「あとがき」のことをどこかに書かれてゐたので、それで『十字架』も読んでゐたことだし、で『追走』を読んでみたのだがキャパの時代、時代の見事な一枚を、それが撮影された場所に沢木先生が足を運び、できれば同じアングルから撮つた一枚と、それにまつわる文章。キャパといふ偉大な報道写真かが何のやうにして生まれ死まで生きていつたのか。それにしても一枚、一枚が誰も撮れないやうな被写体、光とアングルの中にゐる。

▼母から貰つて来た『銀座百点』の今年5月号と6月号。5月号での伊東四朗山川静夫の対談が面白い。松緑(先代)の逸話など本当に松緑の言葉や表情が思ひ浮かぶやうな話。『百点』は岩下尚史の連載も面白い。これは必ずや連載終了後にまとめられるべきもの。

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逆権公民の地に還る

昨日の強風が雲をすつかり散らしたか見事な快晴。朝の散歩も兼ね追分から青梅街道に出て大ガード潜り柏木へ。常圓寺。掃墓。

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母に聞いてゐたが寺内の花屋閉業の由。墓はあつても無縁、墓の権利者と連絡取れぬ墓所も少なからずでは参拝も減るわけで祖母の頃など掃墓で供花と線香を求め多少の祝儀渡すから花屋のおじさんが墓までついてきてくれ、ささっと墓前掃除してくれたりしてゐたものだが今では、もうそんな仕来りもない。本堂の軒にある花屋は今朝も閉まつてゐたが朝早すぎたからで昨夕の売れ残つたお供への花が水桶にきちんと入れてある。無賃で頂戴は罰当たり。お花代を花屋の扉横の、店の者なら気付くであらう処に花代置く。掃墓の復りには花屋の亭主おり閉業に労を労ふ。この方の家では35年の商売だつた由。


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見事な秋晴れの新宿。その空とは好対照な陰湿な地下道抜け東口地下のベルク。実はベルクは新宿で必ず寄るがビール飲むばかりで名物のカレーもホットドッグも食したことなし。カレーと頼むとカレーはお昼前からのメニューなんださうでホットドッグ。なるほどジューシーなソーセージと焼き加減が絶妙なパンで絶品の熱狗。これと半々のサッポロビールが、まぁ合ふこと。宿に戻り旅荷整へ午前十時過ぎ退房。事前に精算で追加料金なしでほゞノーチェックで効率的。御苑前から丸ノ内線で新宿と思つたが伊勢丹へ。
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SHIROといふ自然系化粧品メーカーのホワイトリリー 練り香水調達。新宿を午前11時過ぎに立つ成田エクスプレスで一路、成田。第2ターミナル。

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ホールで女性の奇声聞こえ何かと思へば知己なのか他人なのか二人が大喧嘩で罵り合ひ空港警察来る騒ぎ。回転寿司で寿司を摘む。香港行きCX527はガタイのいゝラグビー選手目立つがかなり閑散。B773でY後ろ半分はガラゝでラガーマン数人が臥せてゐる。アタシの隣も空席。機内食ケチったやうでビーフソテーは最前列から給仕して数列目で売り切れ和風のシャケの練り物風の失敗作を食はされる。


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午後成田を発つCX便は今日の香港朝刊各紙がSCMP、蘋果、明報、信報等揃ひ大したもの。CXにとつて共紙ならぬ凶紙である大公報は積んでゐない(積まなくて良い)。香港紙を読んで頭が一気に香港に戻つてくる。空港でA出口を出ると、いつもなら鈴生りの待ち人もおらず閑散。エアポートエクスプレスの乗り場に向かふとシャッター降りており「平日に空港占拠?」と思つたら空港全体を搭乗客のみ入場可と禁制中のため列車への出入りをB出口側に制限。搭乗客も数えるほど。これは本当にひどい打撃。

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地下鉄で太古站まで来ると811騒乱あつた「C出口」前で韓国映画〈逆権公民〉の自主上映会をやつてゐる。

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専制国家での命をかけた民主化運動、弾圧、犠牲そしてその権力の不正摘発に立ち向かふ勇気。その繰り返しでしか真の公民としての人権、自由は得られぬといふ内容は、まさに今の香港で抗議活動を続ける市民にとつては大事。

この香港の反送中から始まつた抗議運動が複雑化し已に運動にありがちなドツボに嵌つてゐるといふ見方あり。もはや具体的な改革の標榜も解決策もないといふ味方。それに対して林行止専欄は、まだ原則で一国両制の徹底の大切を説く。今日の専欄「 警察有忠肝 抗爭有義膽 市長無厘頭」より引用。

只要是誠心、誠意表態,能言善道的香港人,不論政治屬性,其赴外國述說港情,次數愈多、亮相愈頻,對香港未來的發展愈有利,回歸已二十多年,香港是從英治時一個華洋雜處的亞洲都會,變為中國治下一個因有「兩制」保育而成為一個中西政治文化滙聚、衝突、交鋒、交融的城市。這可說是貫徹「兩制」的成果(不必諱言,如果北京不當香港「一制」是一回事,香港早已成為沒有噪音之城)。毫無疑問,英國臨別秋波把香港打造成政治城市,樂觀地設想,香港因此尚有一絲希望成為一個具有中國特色、高度自治且人民有自由選擇權利的城市;但是,以農民革命起家的中共有沒有這樣的器宇?兩天前《人民日報》發表文章,認為「香港的民主政治是中央管轄下的地方區域的民主,香港的主權行使行為前提……。」已全方位崛起的北京,顯然容不下《基本法》應許港人的諸種政治權利。換句話說,港人若以法治的法律觀點解釋《基本法》並堅持把之付諸實行,以北京的視角,這類言行便會被視為「港獨」或「人心不回歸」的罪狀。如果這種「欲加之罪」的黨性不變,香港這場因「反送中」而起的抗爭運動,恐怕將以悲劇收場,而香港的「悲劇」,肯定會重創中共的千秋大夢!

その専欄でMonocleなんてトレンドの先端のやうな雑誌の記事引用あり林行止はMonocleまで眼力が届くのかと恐れ入る。香港政情に関するコラムで

With no resolution or compromise on the horizon, sceptics say Lam’s new platform for dialogue may just as well be a series of long-winded monologues.

なんて林鄭の〈対話〉を楽観的に肯定的にコメントを否定的に引用したものなのだが、よく見たらネット版のMonocleで冒頭に香港政府の香港PRページがスポンサーで入つてをり、これあるがゆゑの提灯記事。いやらしいもの。


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普世以外的中國特色 – 古勒馬

這三個多月以來,「返送中」運動把累積幾十年的深層次矛盾熾熱化。不少人認為深層次矛盾的其中一個主要原因,是兩地的文化差異,這也是事實。但是,歸根究底,深層次矛盾就是因為四個字:「中國特色」。

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秋分

農暦八月廿五日。台風17号は九州襲ひ東北方向に日本海へと抜けるが関東も風強し。それでも晴れの秋分。母と遅めの朝食をとり四方山話。水戸を発つのに少し早めに母と家を出る。駅ビルのビックカメラ。ポイント貯まつておりモバイル用チャージャー調達。View Cardの更新、明日の成田エクスプレスの乗車変更等済ませて母に誘はれ駅ビルにある木内酒造の出店で清酒〈菊盛〉の純米酒、樽酒と濁り酒の飲み比べセット。半合で三杯の昼酒ではかなり酔ひ心地よし。

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水戸を午後1時前に出る特急ときわで東京へ。いつも「ひたち」ばかりでときわは初乗車。水戸を出て友部、石岡、土浦……と停まつていくので昔の急行ときわのやう。都下 に入り三河島駅を過ぎてすぐの急カーブで、さういへば香港の紅磡站での脱線事故は?と気になる。三連休最終日の東京駅。コンコースの大混雑。北海道行きの新幹線(北斗)が台風の影響で全面運休とアナウンス流れてゐる。青森までの折り返し運転もない。中央線で新宿。伊勢丹。虎屋菓寮。お彼岸でおはぎも出てゐた。

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いつも東京では鳥居坂の旅寓に泊まるが今日は新宿での用事だけで、何うせ深酒でタクシーで麻布まで戻り明朝も荷物あつて麻布から東京駅に出るのも何なので今日は新宿泊まりで、それもアパホテルに何事も実検が大切と御苑前のアパにしてみる。。下榻。宿泊業でありながら反中、反韓ナショナリズム唱へ部屋には関係書籍の備へありロビーには大量の読売新聞山積みで配布。それでも料金の安さと簡便性で外国人にも人気で全国展開なのだから。地下の大浴場で風呂に浸かる。隣接のビルとのわずかばかりの隙間を地下で「露天」と称して夏からこの時期は微温めの外風呂もあり熱い風呂苦手にはありがたい。東口のベルクでビールを飲んで西口の寿司いしかわ。

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ほんの少しの刺身をつまみ熱燗で酒を飲む。朝日山の純米酒。寿司の握りはでは酒を中断。ガスバーナーで炙つたり握りの魚介の上に数の子だかキャビア盛つた機を衒つたやつは「あり得ないでせう」で普通の握り。それがやはり美味い。そして〆で瓶ビールを貰つて鉄火とカッパを巻いてもらふ。馴染みのバーVに寄る。連休の終ひで閑か。半夜三更の閉店で仕舞ひ。ホテルに戻り、これも終ひ湯に浸かる。


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Clashes Erupt in Hong Kong After Dueling Demonstrations - The New York Times

帰省その②水戸

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水戸城の二の丸に母校の中学校があるが、三の丸の水戸藩藩校・弘道館から大手橋(鉄筋)渡つた所に木造で大手門を建造中。肝心の城郭がない。元々、水戸徳川家は破風もない三重の櫓あつた程度で、二の丸、三の丸にある学校は外壁こそ城内のやうにしてゐるが。午後まで所用済ませてスーパー銭湯にのんびりと浸かる。


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晩に母と妹と和食。国産松茸炊き込みご飯が1,100円ってHK$80とは!香港人にとつては破格。セブンイレブンでカスタードプリンか白熊か5分くらい悩んで結局、両方買つてしまつた。


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Hong Kong protests: police use court orders to obtain protesters’ digital fare payment details in another weekend of petrol bombs, tear gas and fires on the streets | South China Morning Post

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昨日の何君堯の香港清掃活動は本人も顔を出す程度でおざなり。鰂魚涌での御目見得では住民から「元朗に帰れ」と罵声浴びたさうで元朗の「何君堯之道」も路面の何議員のポスターも剥がされず相変はらず市民に踏まれてゐる。

Lennon Wall clean-up campaign brings scuffles and arguments but no violent clashes between pro-Beijing camp and Hong Kong anti-government protesters | South China Morning Post