富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦八月廿九日


f:id:fookpaktsuen:20190927175500j:image

f:id:fookpaktsuen:20190927175456j:image

昨日の何も面白くもない〈林鄭告白〉は発言者の3分の2が警察暴力を指摘、4割が独立調査委設立に賛成。無作為で選ばれた市民の民意がそこなのだ。それに応じられない林鄭。この「対話」集会で唯一「へぇ」は六月以来、反送中の逮捕者拘束した新界の羅湖に近き新屋嶺扣留中心は今月初から使用中止してゐるとのこと。この拘置所、昔は大陸からの不法移民臨時収容の施設で人里離れた場所ゆゑ1989年の天安門事件の後は中共脱出した活動家ら海外に亡命させる黃雀行動で香港に入境した活動家ら極秘に一時収容したのも此処。それが今回、数多くの身柄拘留で此処が復活してゐたのだが携帯電話も繋がらぬ山深い場所で施設環境も悪しく、此処に収容されてゐた市民が少なからず北区病院に遣られ重度の骨折や打撲の痣など見つかり新屋嶺で警察が何のやうに拘留者扱つてゐたのか警察は明確な発表もなく不詳のまゝ。警察官による収容者の輪姦といつた噂もあり。昨日の集会で、この収容所に関する質問が参加者よりあり、此処に拘束されてゐた者からの状況発表すらないことに疑問といふ点で林鄭が急な処置で不明朗な点、誤解があるかもしれないが「すでに使用してゐない」で済ませるから。そこで警方に徹底した内容精査と報告を求めた、とはいへない。何せ警察は昨晩とても林鄭のために何ら正義感もなき無用な仕事をさせられ市民に嫌はれてゐるのだから林鄭は彼らに不利なことは何もできない。警察力だけが頼りなのだ。その新屋嶺扣留中心につき本日午後4時の港警記者会見で警察も林鄭の説明内容認め6月以来、最大で75名収容等と上辺だけ説明あり。今晩の金鐘では新屋嶺被捕者人權集會開催の由。

f:id:fookpaktsuen:20190928110910j:image

明報が中文大学の傳播與民意調查中心に 委託した反送中に関する4度目の調査結果発表される。本土・激進民主派15%と温和な民主派36%に対して建制・親中派7%である。興味深いのは一目瞭然で温和な民主派の見方が本土・激進民主派への余りの相似。あれだけ日常生活や景気に負の影響があるといふのに。どれだけ中間層を含めてまで反送中に限らず林鄭、香港政府への不満が高いか。下は呂大樂先生の指摘@明報。

f:id:fookpaktsuen:20190928140348j:image

香港政治のベテラン・李鵬飛(79)は親英→親中と世渡り上手と思つたが蘋果日報全人代元香港代表として「這次《逃犯條例》修訂,有沒有人大代表發過聲?都沒有出來幫香港人說話!」と手厳しいく「中央近年已「貶低」特區,慨嘆目前香港的亂局難以解決」と断じる。中共の最高権力機関の全人代なのであるから香港代表として何ができたのか。市民からは対内地のビジネスや産権関係の紛争の便宜依頼が多く内地で香港市民が身柄拘束された時も配偶者からの依頼で内地の或る地方政府に打診したところ数ヶ月後に釈放されたが内地の対応・解決は問い合はせの7%程度。李鵬飛は全人代代表の限界を感じたといふ。内地の省・市には全人代代表の事務所があり李鵬飛は香港代表が36名もゐるのだから香港にも全人代代表の弁公室開設を求めたが香港政府には立法会があり民意を代表しており当時の全人代委員長・吳邦國にも「香港的事情由香港政府去辦,因為特區很敏感」と諭されたといふ。少なくとも当時は中央政府にも一国両制の理念徹底があつたといふこと。

▼ふと携帯電話の請求書見たらアタシと家人で2つのナンバーのはずが3つあり。もう昔のことのやうだが昨年末にiPhone XSをタクシーに置き忘れ紛失。数ヶ月しか使つてゐないのに泣く/\新規購入となつたが銅羅湾のCSL商店で契約期間の縛りの都合で店員が(詳細は複雑だが)「来年(つまり今年)4月末まで5ヶ月だけ契約重複しますがテンポラリーのアカウント設けて」それが一番勘弁と説明あり5月までにそれがなくなるはずが課金の詳細見てゐなかつたアタシも悪いが9月迄まだ月額でHK$317も徴収されてゐるではないか。太古のCSL商店に赴けば店員が、この契約の経緯経緯はデータではわからないが5月以降のチャージはミスだらう、と。それでも香港では珍しいことだが契約した店に行つてくれ、といふ。なぜかういふ契約にしたのか担当者ぢゃない不明。


f:id:fookpaktsuen:20190927144938j:image

f:id:fookpaktsuen:20190927144942j:image

ちょうど昼にかゝる時間なので早めに銅羅湾の文輝墨魚丸大王で紫菜四寶粉を啜る。紫菜(岩海苔)が昔はもつと立つプリだつた。食後、並びの台湾系の甘いミルクティー屋に行列がない。かつてかなり繁盛してゐたが閑古鳥。ブームは過ぎたらしく初めてそれを飲んでみる。台湾名物なのはわかるが青天白日満地紅旗を台湾に遇らつた中華民国マークとは香港は未だ辛うじて表現自由の地か。銅羅湾のCSL商店に赴くと昨年末の担当者は幸ひ銅羅湾店で勤務のまゝで接客中。別の職員は契約の意味がわからぬので、その彼がかなり独自の判断をしてゐたわけで、その接客は1時間以上要するからアトで電話する、といふ。アトでいつかゝつて来るかもわからぬ電話で埒の開きさうな話でもないので狭い店で立つたまゝ待つこと2時間。2時間もかゝる携帯電話販売といふのも客が携帯契約に慣れてゐないがカネはある要領の悪さうな中年夫婦だからで、それでも待つアタシもまるで蛇のやうな執念深さ。待つ間にiPhoneで昨日の日剩綴り編集から上網迄してしまふのだからアタシも立ん坊としてはプロ中のプロ。やつと交渉開始。その店員は「4月末で当初の契約が切れたのは事実だが客がそれを見越して契約更改に来ないといけない」といふ。またすでに請求と支払ひの済んだものは遡つても1ヶ月の返金しか対応できぬと。今回の場合は、あくまで契約調整のためアンタの方が提案した5ヶ月のテンポラリー契約で4月末で自動的に終はる、来年4月以降は従前の契約通りと言つたはず。それがこちらが契約解除に来なかつた、とは何事か。アタシの人生幸朗スヰツチが入りさうだつたが相手が察して内線電話で上司とひそ/\話。「実際にこの携帯番号で利用がないようですから別部署でそれを確認の上、5月からの徴収金額を全額お返しするやうにします」と。


f:id:fookpaktsuen:20190927175129j:image

f:id:fookpaktsuen:20190927175133j:image

黄昏に自宅ビールと自宅マティーニ。ビールは注いですぐはちょうどグラスのトップまで泡があつた。

f:id:fookpaktsuen:20190928110851j:image

このイラスト、朝日新聞夕刊の記事だと思ふと、こゝまで許容範囲なのかと驚いた。