富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

須藤玲子とフラミンゴ🦩

辰年正月初八。気温摂氏0.2/12.2度。晴。朝、私家車で家人出先迄送り菩提寺に寄ると境内の梅が美しく咲いてゐた。


f:id:fookpaktsuen:20240218124550j:image

f:id:fookpaktsuen:20240218124547j:image

県立図書館に寄る途中。三の丸小学校正門も梅が見事。小学校の正門でこれだけ格式もあるのは立派なもの。

f:id:fookpaktsuen:20240218124621j:image

県立図書館に寄る途中。三の丸小学校正門も梅が見事。小学校の正門でこれだけ格式もあるのは立派なもの。県立図書館。表千家の『華道雑誌』最新号で村上湛君の連載から「安宅」読む。歌舞伎で〈勧進帳〉を見て歌舞伎では格式ある松羽目物で動きのある舞台が面白いと思つてゐたが能で〈安宅〉を見て能のそれが更に「余計な感情を劇化すること」を削ぎ落として身体表現の行為と必要最小限の台詞だけで状況(物語)を見世物にしたか、と感心してゐたが湛君の連載ではそれをきちんと、更に解説されてゐて無性に嬉しい。

f:id:fookpaktsuen:20240218124618j:image
水戸芸術館。本日よりこちら開幕。

須藤玲子:NUNOの布づくり|水戸芸術館

それの初日でこのトークイヴェントあり。須藤玲子さんは茨城県石岡市柿岡の出身。

「須藤玲子:NUNOの布づくり」関連企画 オープニングトーク|水戸芸術館

須藤さんと知己の建築家Kさん来水。このイヴェントは隣接の市民会館(大会議室)で開場13時。会場待合せしたら長蛇の列で最後尾で百人近い。定員百人で先着順。辛うじて入れて少し早く並んでゐたKさんが席確保しておいてくれて辛うじて座れて列後ろの方々立ち見。スタッフが「小劇場での演劇みたいなことお願いしますが」と椅子ごと前に詰めて。来場者全員会場に入れて椅子も運び込まれ縦横数へたら二百人近い。それほど須藤さんの布世界の支持者がゐるとは。これが脱・成長幻想の幸せ実現→反自民だつたら。それが実際には生活様式と思想と政治的選択が結びつかないのが日本の現実。このトークは須藤さんと、元水戸芸術館学芸員で現在は香港の荃湾にあるCHAT(Centre for Heritage Arts & Textile)で活動する高木瑞木さんによるものの予定だつたが、そこに須藤さんの布を使ひ鯉のぼりをモチーフに表現活動するアンドリアン=ガルデールさんと映像の斎藤精一さんも参加。

f:id:fookpaktsuen:20240218124755j:image

トーク終了後、水戸芸術館の中央にあるカスケードでは石のモニュメントに須藤&ガルデールの鯉のぼり(アタシには鰹節に見えるのだが)も水を浴びる光景が広がる。

f:id:fookpaktsuen:20240218124743j:image

須藤玲子:NUNOの布づくり(水戸芸術館現代美術ギャラリー)が開幕。テキスタイルのもつ多彩な可能性を感じとる|美術手帖

そして展示会場では須藤さんらのオープニングの挨拶あり。

須藤玲子さんとアンドリアン=ガルデールさん

f:id:fookpaktsuen:20240218124752j:image
f:id:fookpaktsuen:20240218124749j:image
展示は順路では一連の布の作品を見たあとに映像作品となるのだが映像を先に見たあとにさまざまな布の製造過程の展示を見た方がディテールがよりよく理解できる。なので参観される方がゐたら「逆行」がお勧め。


f:id:fookpaktsuen:20240218124808j:image

f:id:fookpaktsuen:20240218124812j:image

f:id:fookpaktsuen:20240218124857j:image

f:id:fookpaktsuen:20240218124854j:image

水戸芸術館のアートギャラリーはメインであるスペースの他にパイプオルガンの背後を抜け別室のやうなスペースがあり「余韻」のやうな展示があるのだが今回はそこで展示あつたが、こちら。

クリテリオム100 沼田侑香|現代美術ギャラリー|水戸芸術館

こちらが予想外に面白い空間を構成されてゐた。

f:id:fookpaktsuen:20240218124911j:image
そして楼上より見下ろすと、そこには水戸芸術館館長であつた小澤征爾さん逝去での献花台と本日より水戸室内管弦楽団での活動振り返る展示あり。

小澤征爾水戸芸術館館長と水戸室内管弦楽団との歩みを振り返る展示

帰宅してから水戸芸術館創立20周年の記念誌を見返したが館長の小澤征爾さん、財団理事長の森英恵さん、そして地元で芸術館を支援した吉田光男さん、いずれも鬼籍に入られたとは。


f:id:fookpaktsuen:20240218124930j:image

f:id:fookpaktsuen:20240218124934j:image

建築家Kさんとは一昨年の夏にKさんが水戸に来られた翌日に勿来の関を越えて白水阿弥陀堂に赴き、そこから五浦の岡倉天心による六角堂など回つたのだが、いわきのソウルフードである「メヒコ」の支店でカニピラフなど賞味して「次回はぜひフラミンゴのゐるメヒコへ」と話してゐたのだが水戸にはそのメヒコのフラミンゴ🦩のゐるレストランもあつて本日はそちらに。


f:id:fookpaktsuen:20240218125050j:image

f:id:fookpaktsuen:20240218125053j:image

もう半世紀よりも前に水戸にはこのフラミンゴのゐるメヒコがあつてカニピラフとか人口に膾炙してはゐたのだがアタシはフラミンゴを見たいとは思へず、いつも父親にカニピラフをテイクアウトしてもらつて自宅で食してゐた。よつて本日初めてこちらを探訪。レストランとはガラスで隔たれた園内をフラミンゴが遊んでゐて、それを見ながら名物のカニピラフなど食べるのだが店名が「メヒコ」でフラミンゴがゐて提供されるのはアラスカだか北洋のカニを使つたピラフで、この「コンセプトのなさ」がまるっきりダメなやうなのだがメヒコ=フラミンゴ=カニピラフが常磐道では一つのトータルコンセプト化してゐるから。今では福島県いわきの旗艦店のほかに、この水戸、そして守谷とつくばにもフラミンゴのゐる店舗があるのださう。

f:id:fookpaktsuen:20240218125605j:image

それにしてもやはりフラミンゴの存在と、その至近距離がおちつかない。f:id:fookpaktsuen:20240218125444j:image

フラミンゴを意識したくないのだが、どこを見てもインテリアのデザインまでフラミンゴなのだ。

f:id:fookpaktsuen:20240218125440j:image

かういふ「気を衒つた」飲食店なんてしばらくすると飽きられさうだが開業から半世紀以上、今晩も午後6時すぎには満席でウェイティングなのであつた。