富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東武宇都宮線

癸卯年九月初十。霜降……にしては暑すぎる気温摂氏11.2/23.1度。晴。

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今朝も『今日、うどん』で朝食。今日はサイドディッシュは肉寿司。塩加減が大変よろしい。


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ユニオン通りからねずみ穴通りに抜ける路地にきれいな鳥居の並ぶ神社(福守稲荷神社)。平安初に宇都宮国主が赴任し此処に京都伏見稲荷より分霊を戴いて建立したのだと謂れあり。東武宇都宮駅より10:20発の東武宇都宮線の下り列車に乗車。東武線の全線乗車には程遠いが近いところで東武日光線は乗つてゐるが新栃木からの宇都宮線は乗る機会もなく今日が初めて。子どもの頃に時刻表を見てゐて東武線が市内の中央まで乗り入れて東武デパートのある宇都宮がなんだかとても都会に思へた。南宇都宮駅の駅舎が大谷石を使ひ設計が可愛らしい。おもちゃのまち駅。子どものころは東武遊園地みたいな遊園地があるのかと思つてゐた。新栃木に10:55に到着して11:00発の下りで折り返し。香港の銀行で口座手続き中の家人より電話あり。この宇都宮線からも筑波山がよく見える。

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東武宇都宮駅の改札口にO君が待つてゐてくれる。大学時代の唯一の後輩だがよく飲んで食べて遊んでゐた。彼は大学卒業してから30代半ばまで益子焼をやつてゐて確か平成元年の春先に益子であつて以来だとしたら34年ぶり。O君がアタシの顔をみたら感涙が緩んでしまつたやう。彼が真っ当な道を進まない、随分と悪影響を与へてしまつたのだが。彼がまだ2ヶ月くらゐしか乗つてゐないミニヴァンで郊外の茶寮やすのといふ建物もお庭もきれいな料理やに連れていつてくれて秋の懐石をご馳走になつてしまつた。


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お庭にご亭主の猫が挨拶にお越しになつた。O君もリタイアがもう何年後か数へられる年になつたがもう少し頑張らうと話す(といつてもアタシは何も頑張ることもないのだが)。昔から変はらずいろ/\楽しそうに暮らしてゐますね、と言つてくれた。ありがたう。

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日暮れ前に益子へ。陶器店の壺々炉(こゝろ)。陶芸家ホソカワカオリさんの器がよく揃つてゐる。今日は好きなシリーズの作品はなく来夏の個展の情報を得る。作者知らずの小器購入。壺々炉のご亭主が駐車場で見送つてくれる。数軒先の知床窯直営のギャラリー。3年前に購入したこちらの酒器がとても良い。奥さまと歓談。一輪挿しと茶碗購入。李朝の古式三島を再現した酒器がとても美しくて溜め息……。和菓子の赤羽まんぢう店へ。まんじうは売り切れで壺最中を伴手禮に。


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書店の内町工場。画像(下)は夜も更けたやうだがまだ五時半なのだ。コロナ元年にこちらで牧野富太郎の原色植物図鑑(上)入手したのだけれど下巻がなか/\見つからず(これは古書店でも「ある/\」の悩みのタネださう*1)そのうち牧野博士ブームで……なんて話をご亭主とする。まだお若く見えるご亭主だが永さんからのハガキを何枚もレヂに立てかけてあつた。


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購入した本は何度目かの再読に竹内好『日本とアジア』(ちくま学芸文庫)、これもちくま学芸文庫になつてゐたか竹内書店版のジャン=グルニエ『孤島』井上究一郎譯)日本橋たいめいけん創業者である茂出木心護著『うるさい男も黙る洋食の本』の3冊。それにミヒャエル=エンデ『はてしない物語』(岩波書店)美本が800円で松戸I君のご子息に送つてあげやうと購入。益子から水戸までは道のり50km程で1時間。益子を出るときにナヴィ上で少し遠回りになる道路があつたので方角的に近い方を選んだらナヴィもルートを示すのでそれを辿つたら小型車1台がやつと通れる程の細い山道で真っ暗のなかどこまで上るのかと怖くなつたら西明寺真言宗豊山派)の山門下を過ぎて高舘山(302m)の山道であつた。益子町内が標高80mで200mほど山越えしたことに。それでも最短距離だつたのは確かで(冷汗)水戸に1時間で戻る。

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*1:上中下の3巻本でまず上巻を買つて読んでみて、で中巻で挫折して下巻は買はない……「下巻だけ買ふ人はゐないですからね」とご亭主。確かに。