富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

烏山線

癸卯年九月初八。気温摂氏7.3/19.5度。快晴。家人3年ぶりに香港へ。成田まで送る、といつても車を運転は家人。常磐高速は反対の下り車線は岩間→友部の区間でコキア渋滞。国立ひたちなか海浜公園のコキアが満開なのださう。圏央道抜け成田まで1時間半。家人見送り成田から宇都宮へ。ちょっと距離感あり。常磐道で友部から北関東道をナビは示すけどコキア渋滞がなくても遠回り感が面白くない。圏央道常総ICを降りて石下へ。宇都宮への土産にと山中酒造(一人娘の純米酒)、春木屋で「だん古゛」買ひ求める。鬼怒川の東を走る国道294号線はとても快適。宇都宮市内は渋滞してゐるだらうから真岡ICから宇都宮上三川ICまで1区間だけ北関東道に乗る。ホテル(宇都宮東武ホテルグランデ)に車と荷物を置いて出街。


f:id:fookpaktsuen:20231023071440j:image

f:id:fookpaktsuen:20231023071435j:image

二荒山神社に随分と参拝者多いと思つたらもう七五三の前倒し。これも本来は旧暦の11月15日なので今年なんて新暦の12月27日だから今日とか七五三やつてゐる家族は2ヶ月以上前倒しといふことに。宇都宮も日曜だといふのに大通りだとか市街の中心部にあまり人も出てゐない。ところ/\で人集りがあるな、と思ふと間違ひなく餃子店。二十人とか行列。1時間とか並んでまで餃子が食べたいと思はないが近くの駐車場で自動車のナンバーを見れば他県からがほとんど。かうして餃子を食べに来てくれるだけありがたいか(水戸に納豆を食べになんて誰も来ないのだから)。宇都宮駅まで歩き駅そば啜つてから今日の乗り鉄烏山線。12:34宇都宮発。初乗車。〈銀河鉄道999〉でミステリー列車運行され、その終点のアンドロメダ駅が烏山だつたのが昭和54年。赤字ローカル線で存続も危ぶまれたが宇都宮から烏山線への直通運転となり宇都宮の通勤圏内で廃線は免れてゐる。


f:id:fookpaktsuen:20231023071936j:image

f:id:fookpaktsuen:20231023071931j:image

列車は2014年から運行開始のEV-E301系(蓄電池駆動列車)。烏山線は非電化なのだが、この列車は充電式。東北本線(宇都宮〜宝積寺)は「電車」で烏山線に入ると充電した電力で走行。各駅は充電のため「電化」されてゐるのだとか。赤字ローカル線としては画期的な「進化」であつた。

f:id:fookpaktsuen:20231023074711j:image
宝積寺駅での東北本線(下り)から烏山線への入線はこんな感じで東北本線(上り)を越えて烏山線(単線)へ。烏山線(32.1km)には7つの駅があり宝積寺駅から七福神がキャラなのだ。

f:id:fookpaktsuen:20231023072030j:image

烏山線はずっと山間に入つていくやうなイメージだつたが実際には少し山に入るとまた下り荒川(東京の荒川とは別で鬼怒川の支流)、また山越えのあと江川の流れる低地となり烏山の街は鬼怒川を見下ろす高台に開けた。江川の龍門の滝は幅65m、高さ20mの大滝で烏山線の名所(写真は烏山観光HPより)烏山線の列車が滝の上を走るので鉄道名所でもある。


f:id:fookpaktsuen:20231023072013j:image

f:id:fookpaktsuen:20231023072008j:image

13:22に烏山駅駅着。宇都宮から48分。烏山駅前には鮎の塩焼きを売る魚屋が1軒でコンビニもない。13:39に烏山発の上り列車でトンボ返り。14:26に宇都宮着。


f:id:fookpaktsuen:20231023072944j:image

f:id:fookpaktsuen:20231023072939j:image

鉄道の切符は現金やSuicaでの自販機購入だと発駅から金額しか出ないのでわざ/\クレジットカード対応の自販機で行先指定で購入。烏山からの復路も念のため往復で購入しておく。

f:id:fookpaktsuen:20231023073109j:image

駅前で餃子の香蘭宇都宮駅西口店に人集りも行列もない。すんなり入つて餃子(350円)頬張る。隣客は焼き餃子の他に水餃子と、この店舗オリジナルの坦々スープ餃子までじっくり食べてゐる。さっきの行列なしはタイミングよかつたやうで店を出るとき(注文から完食まで5分程度)には5、6人がもう並んでゐた。

f:id:fookpaktsuen:20231023072103j:image

まだ明るい時間だけれど宇都宮のネオン街の風情がよろしい。コロナ禍あつて今もどれくらゐの店が開いてゐるのかわからないが。路地が多いのも歩いてゐて愉しい。そして「文房具の聖地」上野文具探訪。


f:id:fookpaktsuen:20231023072124j:image

f:id:fookpaktsuen:20231023072128j:image

地方都市で老舗の書店や文房具店の廃業が続くなか頑張つてゐる店があるだけで嬉しいところ上野文具は店舗規模が段違ひ。現在でも3フロアで営業(4階は個展とかセミナーのスペース)。伊東屋も実用文具からデザイングッズ系になつて久しいが上野文具は実用系。東急ハンズも淘汰されて、もうこんなきちんとした文房具店が全国でどれほど残つてゐるのかしら。鉛筆のツインタイプの補助軸、事務系文鎮、ステッドラーの0.5mmシャープ用のテンプレート。そしてカールの(エンゼル5プレミアム3 )は同社の鉛筆削りの最上位機種で「アラジン色」も美しいが機能的にも大変に優れてゐる。文具雑誌で見てネット注文もできたがやはり手にとつて試用してみたい。それを満足して入手。

f:id:fookpaktsuen:20231023072154j:image

早晩にホテルでA先輩と再会。最後に会つたのが1991年に家人が香港に来る前、広尾の羽澤ガーデンで開いたパーティに来てくれた時だつたから32年前。大学のときの友人で今でも連絡がとれてゐるのはこのA先輩と1つ学年が下のО君の2人だけでいずれも偶然に宇都宮在住なのだつた。自動車で田川の河川に近い静かな住宅地にある石の蔵といふ創作系の和食店に連れていつてくれてご馳走になつてしまつた。70年程前に建てられた大谷石製の大きな蔵を改造した建物。お酒を飲まないA先輩を前に松井酒造(塩谷)の松の壽(辛口純米酒)をいたゞく。当時タバコはロングピースのA先輩は理論派で「君が代」のジャズ編曲されたソノシート(昭和54年の福岡県立w高校卒業式での「事件」のそのアレンヂ曲)を貸してくれたりもした。ホテルまで送つてもらふ。宇都宮といふと餃子とカクテルバーだが日曜日なので空いてゐるバーは少ない。宇都宮随一の商店街だつたオリオン通りも小売店の閉業続きシャッター商店街になりかけてゐたが今は焼き鳥やもつ焼きとか「煙い系」の飲食店がかなり多くなり今日は日曜で明るいうちから昼飲みの方々(若手が目立つ)で煙つてゐたが煙い系が出張る前にオリオン通りにCといふバーがあり日曜も営業でそちらでマティーニハイボールを一杯ずつ飲んでホテルに戻る。