富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

日本隊首次贏得棒球U18世界杯@台北

癸卯年七月廿六日。気温摂氏23.3/33.5度。やつと「台風一過」の青空。一昨日の台風13号の被害について今日の朝刊で報道がやつと追いついた。浸水140棟といふのは大型台風の被害としては大きくないやうだが茨城県北は海岸近くまで山で平地が少なく雨水は悉く海に流れ出てしまふことを考へると従前の大雨でかうした被害も珍しいこと。

f:id:fookpaktsuen:20230910104825j:image

水府の市街でEGL tours(東瀛遊)の観光バスを見かけて目を疑つた。香港の最大大手?のツアー会社。もう日本ツアー再開は当然だが水戸にまで!とは。

f:id:fookpaktsuen:20230910103201j:image

調べてみると東北を巡る7天ツアー(こちら)。昨日午後遅くかに成田着。阿見プレミアムアウトレットか水戸内原のAeonかでウォーミングアップの買物して水戸泊まり。で今朝はひたちなか海浜公園、袋田の滝を見て仙台へと向かふ。この専用バスを見かけたのは朝8時過ぎだつたので、これからホテル(おそらくドーミーイン水戸)でツアー客ピックアップなのでせう。茨城県北の袋田の滝大子町)まで入つてしまふと仙台へ?は一寸驚くが福島の中通りで白河あたりから東北自動車道に入れば3時間ほど。午後4時に袋田の滝を発てば夕食は仙台となる。水戸が東北のゲートインだつたとは。だが香港からのツアーは常磐自動車道で福島の浜通りを抜け東北に北上することはあり得ないはず。

台湾で開催されてゐる野球のワールドカップU18で日本も善戦こそしてゐるが予選トーナメント(B組)では和蘭に敗れ同じく1敗の米国、和蘭と次のラウンドへ。そこで日本は台湾に負け2敗を喫して台湾は全勝。このまゝ台湾が優勝なのだらうと思つてゐたら日本は台湾に次ぐ成績で本日、台湾との決勝へ。

この大会は1次、2次リーグ戦の成績で上位2チームが決勝戦、次の2チームが3位決定戦を行ふ。

第31回 Baseball World Cup U-18 | 日本代表フィシャルサイト

もしリーグ戦の成績だけで「決勝」がなければ台湾は無敗で優勝だつたもの。昨日勝利した日本に決勝で負けるとは悔しいところ。

f:id:fookpaktsuen:20230911162152j:image

【U18W杯】日本が台湾破り初優勝 前田悠伍が1失点完投 : 日刊スポーツ

それにしても今回も上位4チームは米国、日本、韓国と台湾でまさに米国の東アジア安保そのもの。台湾にとつては野球は70年代のリトルリーグから外交戦略にも匹敵するもの。優勝こそ逃したが日本と決勝戦は日台関係重視の方々にとつてはこれは賑やかなことだらう。

ちょうど『世界 2023年9月号』(岩波書店)で若林正丈と劉彦甫の対談「国際政治の中の台湾」を読んだところだつた。劉彦甫は東洋経済新報の記者で大学で若林先生の教え子だが台湾については若林先生が劉に現状について訊ねるやう。
- 日本では「台湾の世論は統一でも独立でもなく現状維持が強い」と報道されることについて。

基本は現状維持と答える人が多い。ただ、この現状維持の「現状」というのは何か。これは、台湾が事実上の独立国家であるこの現状を維持したいということです。本音を言えば独立したいわけですよ。この「現状」にはうっすらと独立した状態の「台湾」の色がついています。そういう現状はんですよね。だから、短く「統一でも独立でもなく現状維持」と表現してしまうと、このニュアンスが見えてこない。その意味で問題だとは感じています。ただこのニュアンスを短く表現するのが難しいでしょう。(略)「世論は統一でも独立でもなく現状維持が強いが、台湾人アイデンティティが圧倒的多数である」といった表現が適切かもしれません。中華民国の台湾化。今や台湾に見出せるのは、中華人民共和国に対抗するもう一つの中国ではなくて、事実上の台湾サイズの国民国家の登場。

かつて安保理常任理事国だった、事実上主権をもつた主催として国際社会に存在する非承認国家。その中で何を得ようと、何を守らうとしてゐるのか。この点を理解しないと「台湾とは何か」といふ視点を理解することはできない。