富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

田村圭介『なぜ迷う?複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密』

癸卯年七月初一。気温摂氏26.8/33.9度。晴。昼前にかなりの驟雨あり(気象台の記録上は0㎜)。

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昏刻にきまつてハイボール二杯飲むのだが炭酸が余つたので炭酸を先にグラスに注いで氷2個でステアしてアトからウヰスキー(角)注いだらグラスのなかは美しかつた。

なぜ迷う? 複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密 (じっぴコンパクト新書)

田村圭介『なぜ迷う?複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密』(実業之日本社)読む。この本を読むまでもなく東京で今一番迷宮化してゐる駅は渋谷でせう。アタシも先日、千駄ヶ谷お能のあと北参道から副都心線で渋谷に出たのは初めてだつたが地下鉄と東横線がつながってゐて地下深いホームから地上に脱出してみたら渋谷ヒカリエで何だか狐につまゝれたやうだつた。新宿駅も東京駅も迷宮(ダンジョン)なのかも知れないし中央線快速と総武線東西線のホームがやゝこしい中野駅総武線が直角に交差する秋葉原も、銀座や飯田橋も慣れゝば迷ふこともない。北千住も先日この駅で日比谷線直通から浅草行きに乗換して構造も理解できた。駅の構造にはかなり自信のあるアタシだが一瞬、自分の立ち位置がわからなくなつたのが池袋駅。とても単純な構造なのに。

こういう単純な構造の駅は「迷いやすい人」にとっては親切かもしれません。方向感覚が狂うことも少ないでしょう。でも「迷わない人」にとっては「新宿や渋谷よりも苦手」だというのです。(略)迷わない人は自分が駅のどこにいるのかを把握することが得意といえます。把握のための重要な情報は周囲の景色です。この景色が見えたら自分は「ああ、今はここにいるんだ」と理解できます。ところが池袋駅は主要な場所ごとの景色が似ているのです。通路どうしのつながり方も直角が主です。それゆえ「自分がどこにいるのかわからなくなり、どちらへ進めばいいのかもわからなくなる」のです。

なるほど。さういふことか。中央通路と南通路は同じような風景。

中央に地下鉄の乗り場があるのも一緒。中央は丸の内線で南は有楽町線といふことの改めての認識が大切なのだ、とこの本はいふ。まことに納得できること。