富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

足立区生物園→東武博物館

癸卯年六月廿五日。摂氏25.1/32.1度。晴。北千住で松戸I君並びに御子息二人(中1のT君と小5のR君)と待合せ。東武線で竹ノ塚。竹ノ塚と聞くと思ひ出すのはSMAPx2(フジテレビ)の竹の塚歌劇団なのだ。


竹の塚駅から保木門まで歩き足立区生物園

【公式】足立区生物園 - 虫も魚も動物も!生きものいっぱい動物園

生物を標本とかの死体ではなく、あくまで生態のまゝ。昆虫博士のR君の所望でこちらに。

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R君には彼が昆虫大好きと知つた、彼が小1くらゐだつたか「昆虫が好きならマレーシア、マレーシアに連れていつてあげるよ」と、つい口走つてしまつて彼はまだそれを覚えてゐる。マレーシアに行く前に、この足立区生物館とか、千駄ヶ谷のファーブル昆虫館とか。彼の名義で国立科学博物館クラウドファンディングにも募金してあげたのだが。

蝶々が飛び回る大温室にはあばらかべっそん。高温多湿の極みなのだけど一寸季節が良ければ一日中この中にゐてみたい。

こちらの生物館は標本のたぐいがない。すべて生きてゐる。昆虫から小動物まで。それも何だか昆虫までストレスなく生きてゐる感じが良い。

今日はR君と一緒なので、もしかすると閉館までここ?といふ懸念もあつたがR君にとつては今更「あー、ナントカクワガタだ!」なんてコーフンもないので、あくまでかういふ施設があるのを確認に来た感じ。頼もしいといへば頼もしい。また竹ノ塚の駅まで戻る途中で昼食に入ったのが、けっこうな客入りのこちら。キッチンエレファントはマヂにハンバーグがとても美味しかつた。家の近所にこんな洋食やがあつたら本当に嬉しいだらう。竹ノ塚は駅前から昭和40年くらゐの団地の建物が並んでゐて、それがとても静かで快適な感じ。西新井までは下町なのだけど竹ノ塚は戦後の団地開発のされた田舎だつたのだらう。東武線で、そのまゝ乗つてたら日比谷線に入っちまふから北千住で乗換へで東向島駅へ。昔の玉ノ井。玉ノ井の駅が高架になうって高架下に出来たのが東武博物館で、こちらはぜひ参観したかつた。

小学生のときに鉄道車両図鑑とか見てゐて東武鉄道の1720系(けごん)は本当に「あっけにとられた」。昭和30年代初頭とはいへ国鉄151系特急が洗練された車体のフォルムなのに、この「いかつい」感じ。それでもサロンルームなんてあって乗り心がくすぐられたものだつた。それでも浅草始発。浅草の松屋から出る「けごん」を祖母に連れていつてもらつたが新宿の小田急から出るロマンスカーに比べて「ダサい」感じが「浅草だな」。でも好きなのだ。

東武鉄道の電車のどこか「ゆるい」感じがステキ。東武鉄道を退職した往年の東武マンのシニアが矍鑠と博物館で東武鉄道の説明やガイドに当たつてゐる。運転席のシュミレーターで子どもたちが見事に駅のホームに停車するのが上手で「大したものですね」と元東武マンのシニアに話しかけたら「あのブレーキのかけ方で上手だと思つたら大間違ひ」と嗜められてしまつた。車両の座席ファンなので車両展示と「ご自由にお座りください」が、たまらない。

東武博物館見学も終はつたが今日の予想より早い動きで、まだ午後3時半。さて何うしようかしら。気温は摂氏35度で日差しも厳しいが、まさか東京スカイツリーに行くはずもなく浅草に出て花やしき遊園地?も浅草は混雑してゐるだらう。東武線を潜り寺島町。向島百花園には入らずさらに歩いて大川の端へ。

言問団子に入つたのは家人と昭和の終はり頃の下町デート以来かしら。この団子が何とも美味しい。お店のお姐さんが「ぼくたちはお水のほうがいい?」と気を回してくれたのにT君もR君も「お茶でお願ひします」と答へたのが何とも頼もしい。大川を歩行者専用の桜橋で今戸に渡り待乳山の聖天堂参拝。待乳山が標高9.9mで「山」であることを先日、銀座百点の記事で読んだが、こんなにすぐに登頂の機会あるとは。登山の輔けとなるモノレールもちゃんと存在してゐたが運行は午後4時半までほんの少しのタイミングで間に合わず残念。

池波正太郎生誕の地はこの聖天町。さういへばアルフィー坂崎幸之助さんも向島隅田川高校卒だつた。言問通りで花川戸の交差点からタクシーで上野。何うにも浅草の喧騒を避けたかつた。上野のコリアンタウンで海雲台食べログ)で口開けの客となる。店に入るなり女子サッカーW杯で日本は豪州戦に苦戦。若者たちはサッカー中継に目が釘付け。中1でラグビーもしてゐるT君のたべっぷりはあばらかべっそん。老人はそれを微笑ましく見ながら酒盃もはずむ。気づけば3時間以上もわい/\とやつてゐて上野から慌てゝ常磐線の客となるがグリーン車で(夏の帰省ラッシュとはいへ常磐線快速のグリーン車なんて空々で)柏まで酒盛りで子どもらとも歓談笑話楽しく過ごす。

常磐線各駅停車のグリーン車利用について|富柏村