富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

James Baldwin『ジョヴァンニの部屋』

癸卯年三月十六日。気温摂氏11.8/27.0度。昨日より夏日続く。GWの連休中で在宅で読書。
TBSラヂオ、荻上チキの〈Session〉で子どもにもわかりやすく憲法を解説する特集。九州大学憲法学者・南野森先生(九州大学教員紹介)。南野先生といへば『憲法主義 条文には書かれていない本質』(PHP研究所)で『10歳から読める・わかる いちばんやさしい 日本国憲法』(東京書店)なんて著作もある。電話で小学6年生の子が「トマホークとか反撃能力は憲法第9条に抵触しないのか?」と質問は大したもの。電話での最後に「荻上さん、南部さん、南野先生もこれから頑張ってください」だつて。

ジョヴァンニの部屋 (白水Uブックス (57))

James Baldwin(1927〜1987)『ジョヴァンニの部屋』(白水社)読む。この小説を読む切掛けが何だつたか一寸前のことだつたのにすぐに思ひ出せなかつた。堂本正樹?(回転扉の三島由紀夫)と思つたが記憶を辿れば高山真『エゴイスト』かしら。由紀夫さんの『仮面の告白』と並んで。この原作“Giovanni's Room”の出版が1956年。日本では昭和39年に大橋吉之輔の譯が白水社から。ホモフォビアな米国で1956年にこれが世に出たのだから当時はさぞや問題作だつただらう。黒人作家が描く白人の同性愛の物語なのだから。紐育から巴里に遊ぶ主人公(デイヴィット)が巴里の「特殊社会」で出会ひ数ヶ月同棲するジョヴァンニや周辺の人々、そして巴里で出会つた米国出身の女子・ヘラに求めたヘテロな恋愛の物語。確かに『仮面の告白』のやうな世界。機会があればJBのおそらくかなり美しいであらう文章の原著も読んでみたい。白水社からは昭和39年に《新しい世界の文学》シリーズの1冊として刊行され現在は白水Uブックスシリーズから出てゐるのだが当時の大橋譯のまゝなのが良くて同じ白水Uブックスにあるサリンジャーライ麦』が野崎孝譯のまゝで「奴さん」なんて表現があるやうに、この『ジョヴァンニ』も「なにを考えることがあるんだい?むしろばかばかしいといいたいね。どのベッドで(つまり相手が誰かの意)寝たらいいか、その決心がつかないというだけなんだろう。フグは食いたし命は惜しし、というやつだよ」なんてイカしてる。「わなゝく」とか。この白水Uブックスの装丁は田中一光(1930〜2002)で表紙のデッサンはピカソ。パリに旅居といふことではピカソも、この著者(ボールドウィン)も主人公のデイヴィットも同じ境遇。

生まれた時からほとんど、日本の政治イコール自民党だったんですよね。ずっとそうだったから、任せとけばどうにかしてくれる、日本はより良くなっていると思っていました。(略)私たちの世代が若者だったのはバブルまっただ中。政治や社会に積極的に参加していた人ももちろんいらっしゃったと思うけど、そうじゃない人たちもいっぱいいた。自分もそう。日本の現状に不安や不満を感じるけど、これって自分たちの世代が作ってしまった現実なんじゃないか。すごく罪に感じて、若い人たちに、ごめんよ、と思いました。

秀虎 on Twitter: ありがとう自民党。ありがとう安倍さん。20 年間でたった2%の成長ありがとう。みんな苦しいです。この世の地獄です。ありがとう。ありがとう……。 

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中共でウイグル族スマホを警察が監視「コーラン保存で尋問の可能性」:朝日新聞

(社説)中国反スパイ法 社会や経済が窒息する:朝日新聞

現行法では「国家秘密」の窃取や提供が、スパイ行為とされていた。そこに「国家の安全や利益に関わる文書、データ、資料、物品」が加えられた。これでは外国企業の通常の営業活動や情報収集、市民同士の交流までもが、やり玉に挙げられかねない。中国の経済と社会を窒息させるのではないかとの懸念もぬぐえない。