富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

癸卯年三月初九

f:id:fookpaktsuen:20230430162218j:image気温9.1/24.7度。晴。昨晩は帰宅したのが26時だつたので今日は6時に起きたら、さすがに午前中は眠い。それが夕方になるとまたハイボールが飲みたくなるから。陋宅近くで小さなカフェが開業。けして人通りも多いところではないが市立中央図書館に行く道すがら。豆は煎りの浅/深を選べて挽いてからハンドドリップとはいへテイクアウトの珈琲が1杯400円といふのはけっこう強気。コンビニが110円で近くの珈琲専門店でも100円のご奉仕価格でテイクアウトをやつてゐるのだから。こちらはカフェなのでテイクアウトの価格設定を低くはできないだらう。

▼一昨日読んだ観世銕之亟『ようこそ能の世界へ ― 観世銕之亟 能がたり』は村上湛君から勧められた一冊。彼から生前の銕之亟先生の在りし日の思ひ出を聞く。本当に熱心に湛君にいくつかの大切なことを語り、彼がそれを貴重な記憶として評に活かされてゐると納得。

▼24日(月)常磐線の線路踏切への飛び入り自殺。特急は30分程度の遅延で特急料金払ひ戻しもなしと思つてゐたら全額払ひ戻しあり。乗車した特急が品川~上野の区間運休でアタシの場合は東京→水戸だつたので「運休」扱ひ。実際には上野から乗つたのだが。もし上野→水戸を買つてゐたら払ひ戻しなし。常磐線の特急の場合、人身事故でダイヤ乱れると上野東京ライン乗り入れせず上野からとなるので上野から乗る場合でも東京駅からの特急券としておくと料金は一緒で遅延の場合に払ひ戻しになる確率が高いわけか。

東京新聞(時代を読む20230424)内田樹「出口なきパワークラシー」を銀座サンボアのカウンターで読んでゐた。(以下、要旨)統一地方選挙と衆参補選の結果を見ても有権者統一教会自民党の癒着なんか気にしていない。どんな政治的選択がある選挙でも棄権が多い。パワークラシー©内田樹が蔓延る。権力者の正当性の根拠は「すでに権力を持つてゐること」。権力者は正しい政策を掲げたので、その権力の座を得たのであり、その座にある限り何をやってもその政策は正しい。自民党の代表がNHK日曜討論」でよくこの論法で反論する(富柏村)。批判は意味もない。現状を改変したければ、まずその現状の制度のなかで成功しろといふ見方。現実を否定したければ、まず現状を肯定せよ。このパワークラシーに出口がない。

神山彰 on Twitter: 『浮名横櫛』「名品美品」になりすぎ「綺麗で立派」な舞台に特化された感は些か淋しい。14勘弥、3権十郎と訥升(9宗十郎)風の「しがない」無惨、落魄、末枯れ、投槍感溢れ、やるせなく、後ろめたいノワール感漂う一流半、超二流の哀切はもう甦らず。歌舞伎全体が「立派で綺麗」になった故、詮方なし。 https://t.co/j19hU9fNIO" / Twitter