富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

傾城水戸

癸卯年正月十一日。気温摂氏▲4.9/13.1度。快晴。

f:id:fookpaktsuen:20230202104443j:image

水府で百貨店がそも/\もう営業存続できるやうな状態ではなかつたのだが「北関東の商都」といふプライド(だけ)がある。泉町で対峙する二大百貨店のうち優勢だつた伊勢甚が先に店じまひして残つた京成水戸(旧志満津)も親会社(京成電鉄)にしてみれば本体の経営悪化で百貨店は上野の旗艦店も閉じて水府とて終ひとなつてもおかしくない状況だつたのだが行政が旧市街の再開発に固執した結果、伊勢甚の跡地に大型商業施設を再建で京成百貨店がそこにテナントとして入り京成の旧店舗は逆に市が再開発で今年そこに新市民会館が竣工間近。茨城県で唯一の絶滅危惧種としてのデパートメントストア。

水戸京成百貨店不正受給 国に返還する額は13億円超の見込み|NHK

元々経営状況厳しかつたところにコロナで「焦り」ゆゑ総務部長がこの「不正」に走つたのださう。久ヶ原T君が「水戸京成」より「京成水戸」とした方が傾城高尾とか傾城吉原と並び傾城水戸で格式あるのでは?と仰つてゐたが今回の醜聞で本当に「傾城水戸」である。3億円の不正受給の結果、国への返済額は13億円ださう。10億円の虧蝕でまさに存続の危機。親会社(京成電鉄)もこの返済に資金提供で百貨店側は銀行融資受けるさうだが何うせなら京成電鉄社債10億円と水戸京成百貨店の商品券3億円で政府に返済を認めてもらへれば。子どもの頃からご近所のデパートでそこが遊び場だつたので(今では考へられないが近所の子が店内でかくれんぼなぞしてゐたのだ)寂しいといへば寂しいところ。

TBSラジオ「100年の歴史を持つ週刊朝日休刊」 植村八潮「雑誌業界の現状と今後」荻上チキ

新聞雑誌の販売部数激減は深刻。それでも網上で新聞も紙面ビューワーだとか雑誌もDマガジンとかで読んでゐるとアタシも自負あつたが、それは紙で新聞や雑誌を読むといふ習慣があつた世代だからの行動であつて元々さうした習慣のない世代は網上でも新聞や雑誌を読まなくてもおかしくないと植村先生。確かに。ネットでYahoo!とかLINEでニュースを目にすることはあるが今はそれが朝日だらうが産経だらうが出典がどこかなど関係もないわけでニュースのその背景もそこある目論見もわからない。かつて週刊誌だからできた深掘りの取材記事などもあつたが最近何か事件だとかスキャンダルがあると網上で「ナントカについて調べてみました」がすぐにいくつも出るが書き手はただネット上でデータ拾つただけ(そのネット上の記事の広告収入で薄給を得るばかり)それを読んだところで結局「よくわかりませんでした」。もはやマスメディアだとか報道なんてものは死に体であることも明らか。今週月曜のラジオビバリー昼ズ(LF)で高田先生が週刊朝日廃刊で言及してゐたが週刊朝日に始まり讀賣サンデー毎日と新聞社の週刊誌が先づあつて、そこに新潮や文春と出版社系が続いたのだが、それがこんな状況に陥り惨憺たる状況。ラヂオではTBSで赤江珠緒〈たまむすび〉終了で高田先生は自分に後継の話が来るかと期待してゐたがそれもなかつた、と。来れば〈たまにぎり〉だつたのに、と。

日銀で総裁の黒田がやつと退場。それに合はせたか朝日新聞で前総裁の白川さんのインタビュー。

日本の課題を「デフレ」というあいまいな言葉で設定したことのコストは、本当に大きかった。

晋三と日銀「物価2%の攻防」2012年政策決定会合、議事録公開:朝日新聞

物価の安定は「単に目標を設定して、後は中央銀行が自由にやる」ということではなく政府自身に振り返ってくる非常に重たい話。だが10年近く経った今も目標にした賃金上昇を伴う形での安定的な物価上昇は起きていない。

晋三と黒田の責任がどれだけ大きいか。だがそれが断罪されることもないレミゼラブル。