富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

壬寅年十二月初二

気温摂氏▲0.4/9.1度。年の瀬で世の中は何かと慌たゞしいが迂生にはとくに関はりもなし。知人が上野国博開館150周年記念の特別展〈国宝〉の図録を見せてくれる。刀剣など除けば国宝など一度くらゐは目にしたことあるかと思つたがいくつか初めて見るものあり 灌頂幡(e国宝)もその一つ。7世紀の飛鳥時代にこんな緻密な工芸があつたとは。

クラシックの迷宮 - NHKでも聖誕祭に合はせ“クリスマス音楽”の迷宮 ~バッハからシュニトケまで~であつた。「きよしこの夜」だけでもいくつも別歌ありエチオピア教会の聖歌だとかに加へ片山先生は神楽歌「阿知女法」だとか映画音楽「わんぱく王子の大蛇退治」から「岩戸神楽」と「岩戸開き」まで流してゐた。アタシは蛮族の異教徒で耶蘇の幼稚園にも通つてゐたが「サンタクロースなんてゐるわけないよ、プレゼントは親に決まつてゐる」と嘯き周囲を白けさせる悪い子であつた。高校のときに世界史の授業でキリストの生誕が本当にいつかは確証もなく欧州で冬至に合はせたものといふ節を聞き「さもありなむ」と納得。

日本人は三種の神器じゃないけど皆と同じものを手に入れ同調することに慣れきってしまった。年功序列で横並びの賃金をもらって。だから先を見通し損得ではない視点で自ら考え提案して議論する素地が培われず新しいシステムへの移行も滞った。そしてここ数年で急に不安だらけになり現役世代や若者は希望を持てず世代間格差から分断が深まっているように見えます。私たちは暗闇の中を歩いている。でも希望は自分で作らないといけませんね。建築で社会問題を解決できないし人の魂を救えるわけでもありません。それでも文化を拠り所に明日を担う子どもたちが、それぞれの夢を見つけるきっかけ作りくらいはできると考えました。

▼明日は有馬記念。今日のこのJRA有馬記念広告。すやり霞がかゝり東京タワーの向かふに富士の嶺と夕日。なるほど中山競馬場から東都への鳥瞰ではあるが奥手の五重塔はどこよ? 上野寛永寺にしては遠すぎて池上本門寺の方角でもない。高幡不動五重塔はそれほど認知されてないし、よくわからない。

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少年院で描いた絵は誰のもの?「行政文書」扱いで持ち帰れず処分:特例で借り出し展覧会の試みも:朝日新聞


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