富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

文化の日

f:id:fookpaktsuen:20211103080814j:image中国の経済競争力都市ランキングで上海、深圳に香港も入れて比較はよいが台北を加へるのは如何なものか。いくら中台で両岸ビジネスがあるとはいへ中国政府の経済政策が直接には全く影響及ぼさないのだから。かういふ姿勢に台湾は当然、反発する。高速鉄道網でも福州から海底トンネルで台北を結ぶなんて計画もあつて台湾にしてみたら冗談ぢゃないだらう。このランキング(今日の大公報)は上海の経済力誇示の提灯記事であるが深圳と香港を大湾区として一つに考へた場合の、その大湾区の経済規模がどれほどのものか。香港の民主化で「港独なんて妄想」で大陸と香港を分断化するよりも一体化での経済的利益がいかに重要か、は一目瞭然なのだらう。だから余計な騒ぎ立てで社会を不安定にしてはいけないのだ。

本日は文化の日。明治帝睦仁生誕日で生誕から169年で昭和21年の憲法公布から75年の節目である。松戸在住のI君が家族連れて水戸へ。前回はもう4、5年前だつたか上海で食事して以来。虹橋の古北にある髙島屋近くでの会食。髙島屋は集客に難あり売場規模も縮小で撤退だらうといはれてゐたが2年前に撤退取りやめ。

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大人4人と子ども2人なので水戸駅から貸自動車で大洗へ。トヨタシエンタとかいふコンパクトミニバンで外見からはこれにシート3列とは思へないが余裕で乗れた。アクアワールド大洗水族館へ。コロナ潜伏中で宣言解除の秋の行楽日とあつて水族館もかなりの人出。事前にネットで入場券購入しておいたので待たずに入場。

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今の水族館はとても大きな施設だが3代目でアタシは昭和27年にできた県立の水族館世代。浜辺に竜宮城を模した小さな水族館があつた。いまになつて写真で見ると、こんな小さな建物だつたかと思ふが当時、子どもにとつては砂浜に目立つものだつた。その砂浜を造成して今はこの巨大な水族館や駐車場があり、この一帯は遊泳禁止で海水浴場ではない。海の波がとてもきついエリアでサーフィンのメッカとなつてゐて湘南ナンバーの自動車もよく見かけるほど。ペンギンやアシカの餌やりなど見てゐたら2時間近くたっぷりとなつた。
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この水族館の屋上にあがると那珂川河口の開門橋のむかふに水府の市街が見渡せる。「水戸を離れて東へ三里、浪の花散る大洗」(磯節)なので12kmで水府から大洗の間は那珂川下流の平地で稲田が広がり水戸市外が小高い台地なので、かうして眺められる。水戸からも高い建物の上からだと視界のよい日なら東洋を見渡すことができる。

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大洗や那珂川河口対岸の那珂湊は漁港で海産を出す料理屋がいくつもある。今日は涸沼川に面した「大森」といふ料理やで昼食。いわし料理が評判で繁盛してゐるが数日前に個室がとれて待ちなしでお昼。玄関には満席で予約も多く今からだと120分待ちと書かれてゐた。いわし御膳(画像では鰯の天ぷらは大きな春菊の下に隠れてゐる)。I君の奥さまのLちゃんが復路は運転してくれるといふので啤酒をいたゞく。会食なんてのもコロナ禍で初めてだし昼に外食でお酒を飲むのも久しぶり。そんな以前なら当たり前だつたことが稀になるとは。
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水府に戻り貸し自動車を返却して水戸駅から弘道館へ。立派な大手門も復元されてお城の天守閣はないが一帯は整備されて「いかにも」で水戸藩のお城があつた場所になつてゐる。弘道館は子どもの頃に何度も何度も遊びにきてゐたがI君の小学5年の長男君が建物や展示よりも「庭がいいなぁ、こゝにずっと坐つてゐたい」だ、なんて。Lちゃんは上海出身なのだけれど4年前に日本に暮らすやうになつて慣れないことも多いなか日本では神社仏閣がたくさんあつて本当に閑かな古刹など本当に心が休まつた、と。陋宅も弘道館から歩いて近いので寄ることに。この水府の家もお客人も初めてだが陋宅は本当におひとを招かないので香港でも7年くらゐ前にI君家族が来てお好み焼きしたのが最後であつた。部屋飲みしてから子どもたちが鰻が好きだといふので駅近くの方が良いと沼田屋といふ老舗の鰻屋へ。大人は飲んで四方山話してゐれば良いが子どもたちには鰻が捌かれて蒸して、焼いてといふ時間はお腹も減つてゐて退屈かもしれない。それでもゲームしたりせずに礼節を弁えたお子たち。ご亭主が団扇をぱた/\と蒲焼の焦げる良いにほひ。彼らがぱくぱくと美味しそうに鰻重を食べるのを眺めながらこちらは白焼きを少しつまみながら肴にお酒を飲んでゐればよい。