香港で大学の学生が自由に発言できる「牆」の張り紙は1970年代に授業料値上げ反対とか学生寮食堂の味や衛生への苦情などから始まつたさう。アタシの知る90年代初頭は六四抗議が目立つた点では政治的になつてゐたが大学運営への学生会代表参加云々とかが主だつたと記憶する。2003年以降、普選実現や基本法23条立法反対など民主化要求が強まり2019年には大学中が大字報のやうだつた。それが今は「民主牆」(香港大学では中央図書館前)に張り紙の一枚もない。学生会が大学から駆逐されたのだから。近いうちにこの牆も大学のおそらく大学図書館の広報掲示板になるのだらう。
自民党総裁選挙。人流の制限といふ政府なのに国会議員による投票は都心のホテルで(それだけでいつたいどれほどの人が移動するのか)開票も選挙後の集会も密、密、密。岸田君当選と聞き、ちょうどその場にゐた数名と宏池会は誰以来?ゼンコ―か?まさかそんな昔ぢゃ……と思つたが事実、喜一ちゃん以来であつた。自民党ハト派で名門の宏池会だが首相は池田隼人君以来5人で平成はゼロ。5人のうち池田、宮澤そして岸田が広島。岸田君は父(文武)は旧制東京高校でナベツネが同級の親友。しかもナベツネは開成中学出身なので文雄は開成でナベツネの後輩にも当たり可愛がられる。まだナベツネが政界に絡まうとは。決選投票での結果発表を聞く岸田君の左右にはホステスのやうに女性議員が侍り(偶然ぢゃないだろ)まるで銀座のクラブのやう。河野太郎は地方票は得票トップだつた石破君が国会議員票で晋三に敗れたのと同じ結果に。河野家は首相になれない運命なのか。祖父の一郎は日本を見据ゑ、父洋平は世界を見渡してゐたが太郎に至つては宇宙に逝つてしまつてゐた。岸田君は当選後の派閥の集会で「民主主義の危機」と宣つてみせるが民主主義を危機的状況にしたのはあなたも外相で与した晋三政権であり後継のスガ政権ぢゃないか。それに反省もなく「民主主義の危機」とは言葉遊びがすぎないか。この集会に「え、誰?」と岸田がパーティー会場の入口の方を見てサプライズゲストは高市先生で宏池会に極右乱入とは自民党にとつては危機的状況での大同団結なのか。集会の最後では「岸田、岸田!」と岸田コールで感染防止でスポーツ観戦も黙視のなか国会議員だけは大騒ぎは良いらしい。うんざり。
平井デジ大臣「会食費、早く払っておけば」 半年後の支払い「請求書来ず」 NTTのデジ庁接待:朝日新聞
これもまことにふざけた話だが、このときの記者会見でのコメントをきちんと読んだらさらに呆れて言葉もない。昔だつたら大臣でこのやうな失言なら大臣の椅子も危なかつたが今ではあっけらかーのかーである。