富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

新宿駅西口

本日1年ぶりの健康診断で何年も癌検診とかもしてゐなかつたので、それもしてみたのだが体重が1年で2kgも増えてゐた。まさにコロナ太りといひたいが昨年はまだどこに行くにも自転車を漕いでゐたのが今年は3月から何処に行くにも自動車になつてしまつて水府の旧市街での生活はほんと歩いて5分くらゐだから完ぺきな運動不足なのだ。

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出版社のPR用の雑誌は岩波の『図書』と新潮社の『波』をそれぞれ定期購読して毎月郵送してもらつてゐるが白水社から『白水社の本棚』といふのが季刊で出てゐて、それを先日、神保町の東方書店で貰つてきた。なぜかうした出版社の雑誌は読んでゐておちつくのかしら。その今年夏号の巻頭に岡崎武彦氏の一文。愛書狂は図書では飽き足らず無名の個人の自筆日記まで入手して「見知らぬ個人の魂と対話」する。その内の一冊は昭和2年の広島県呉市倉橋島在住の二十歳の青年の日記で地元郵便局に勤務しながら旺盛な読書欲で、その読書の記録を丹念にこの日記に綴り続ける。その彼はその年の11月末についに上京するのだが、この日記で彼がそれから何うしたかは計り知れない。何とも奥ゆかしい話。その岡崎氏の文章に中野の古書肆「股旅堂』の古書目録のことがあつた。社会風俗の分野では有名な古書肆だがネットの今の時代でもまだ300頁!の古書目録を年に2回発行してゐるのだといふ。それを舐めるやうに眺めてゐる愛書狂の快楽。早速その目録の送付をお願いしてみよう。


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民主化運動組織「石墻花」が国安法下で急きょ組織解体となり「独品倉」曝光と大公報。「独品倉」は香港独立運動に関わる物品の倉庫で「独品」は今まで見たことのない造語だが「毒品」の捩り。どんな危険物資が光に曝された(日の目を見た)のかと思へば本土派の関連書籍や運動を報じる蘋果日報、それに火炎瓶?と思つたら黄色いリボンをラベルにした記念品の酒瓶……この程度のものが置かれてゐただけで何が「独品倉」なのか、と党紙の低レベルの報道に呆れるばかり。明報の1面トップ記事は香港政府の労務処が「医局員工陣線」の活動資料を調査。「医局員工陣線」は香港の公立病院職員の互助組織が母体だが教協のやうに民主化運動の中核団体として機能しており一昨年の民主化運動から「医療従事者のゼネスト実行」と市役所に圧力をかけコロナ感染でも医療従事者が職務放棄したら医療崩壊となるので動きは常に当局に注視されてきた。市役所は職能団体の関する条例で本来の職能団体の行為から外れた、違法行為などあつた場合に認可を取り消す権限があるとして、この団体を捜査。かうして主だつた民主化運動支援団体が一つ一つ解散させられてゆくのだが香港政府は一昨年、民主化運動に死に体となりかけたところからの起死回生だからか呆れるほど執拗な弾圧に励む。中央政府も香港市役所のこの盲従ぶりにほくそ笑んでゐることだらう。

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香港の林鄭市長が見事にシクぢつたのは再来年だつたか大湾区で開催される中国の第14回運動会(国民体育大会)に向けたPRの記者会見にて。ご覧の通り背景の看板で国名が……中国人民共和国。この誤記に市長室は早速「對錯誤深表歉意,會採取措施防止出現同類情況」と平謝り。それにしても誰かしら看板を見ない、読まないのかしら。リンテイ市長然り。最も大切なところなのに。結局のところ愛国愛党も見かけのジェスチャーなのだらう。もし行政長官がCYだつたら間違ひなく本番前、ぎりぎりでもこの誤記に気づいただらう、彼は真の党員だから。


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新宿駅西口で小田急のターミナルビルが再開発だとは知つてゐたが久が原T君より地下の「小田急エース」はもうテナントの閉店が始まつてゐるさうで新宿駅西口はアタシにとつては柏木のお寺に墓参りで幼いときから慣れ親しんだ場所でメトロ食堂街(すでに閉鎖)のつな八支店とか、T君にはご講義される朝日カルチャーセンターもあつて寿司の「いしかは」とか気軽には「圓」のタンメンとかかなり頻繁に訪れる場所で迷路のやうな地下道も慣れると実に便利なもの。それにしても、あの西口の小田急のファザードと西口広場の立体の造形がなくなつてしまふのは実に惜しい。再開発の完成イメージを見ると東京でどこにでもある超高層ビルを中心としたコンプレックスがそびえるが小田急と隣接した京王のターミナルビルがそのまゝであることに目がゆく。何うせなら一緒に再開発すればよいのに、しないのがやはりライバルか、それでも京王のターミナルビルがもしそれが日本橋高島屋のやうな重厚なモダニズム建築で歴史的価値もあるのなら残存しても威容を誇ることができるが戦後のフツーの高層ビルでしかない。小田急の開発なら小田急ハルクも、と思ふがそれも今回の再開発には含まれてゐない。小田急デパートが来年再開発工事のため休業となるので当面はハルクで営業を存続するさう。

新宿駅西口広場

小田急百貨店の開業は昭和42年。とても美しいファザードをもつ横長のビルで実は小田急線と営団丸ノ内線の2つの駅ビルなのだけど見事な一体化を図つてゐる。2つの棟を結ぶ内部の階段構造だけでも建築史上に残る坂倉準三の傑作。当時、子どもながらに2つのビルのフロアの高さ違ひを上手く結んだ階段の面白さに気づかされた。京王のターミナルビルの方が竣工は早く昭和39年。昭和30年代の雑然とした淀橋を知る先考は当時、新宿に行くたびに西口の副都心計画に至る大きな変化にいつも目を丸くしてゐた。柏木の常圓寺にある墓所の青梅街道の向かひに昭和48年、43階建ての安田火災海上ビル(現損保ジャパンビル)ができた。日当たりの良かつた墓が、午後になるとそのビルの日陰に入るやうにもなつた。昭和の戦争前にこの墓を建てた祖母はビルを見上げて驚くばかり。そんな新宿西口の顔はやはり西口広場だらう。

新宿駅西口広場』(鹿島出版社)

新宿駅西口広場が求められた機能を果たすだけではなく、地下にありながら行き交う人々に太陽の光と広がりのある都市的な景観を提供できたとすれば亡き坂倉準三と担当者一同の喜びである。新宿駅西口広場および地下駐車場は、竣工後、半世紀を迎えるが、その建設記録は残念ながら断片的な資料しか残っていない。幸い、当時の坂倉準三建築研究所の担当者たちが資料を集め、調査し、記憶を甦らせて、まとめたのがこの本である。この機会に建設当時の記録が出版され、一つの戦後史として将来への参考になれば幸いである。(阪田誠造

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警察庁長官中村格次長、警視総監に大石吉彦警備局長。前者は晋三で官房長官秘書官を5年半、後者はは首相秘書官を6年超。アベノザンガイ。https://t.co/9JyNOeUL02 

▼読売新聞の連載漫画「コボちゃん」連載新記録最多記録の13,750回 https://t.co/B1YwyBRBHI その大記録の割に朝日新聞に連載の一連のマンガに比べると話題にならない。