富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪閉幕

お昼に郊外の或るネパール系インド料理屋で食事してゐたら客の一人が「あ、それと麦酒」と注文したら今日から月末までアルコールの提供ありませんと断られてゐた。あ、さうか、今日から蔓延防止重点ナントカだつた。

f:id:fookpaktsuen:20210809202833p:plainそれより辺鄙な場所にある食肆でオマエ、車だろ!。相変はらず「ビールの一杯くらゐなら」が許容範囲なのか、茨城。昨年も全国の飲酒運転ランキングで沖縄はダントツ1位で2位が茨城。昭和の頃など駐車違反ばかりか飲酒運転でも警察に捕まると知己の警察関係者に一報して揉み消しなんて日常茶飯事。といふか警察も飲んで自動車運転していたんだった。 飲食店の営業は夜8時迄で酒類の提供は昼間から一切ダメ。先日、アイリッシュバーで生啤を飲んだらやはり美味しいかつたのでボロウラー入手で今日は水戸駅南のKellsでギネスを2品頒けてもらひ帰宅してグビ飲み。ギネスでもやはり缶入りとは別格の柔らかさ。


f:id:fookpaktsuen:20210808202620j:image

f:id:fookpaktsuen:20210808202614j:image

本日、東京五輪閉会。閉会の式典は開会よりは時間的に余裕こそあれ何うせコンセプトも亦たはずかしいものだらうとおもひつゝ傍観。せめてものお慰みでとらやの「青梅の露」をいたゞいてたら閉会式に練馬芸者登場でぎゃっふん。相撲取りの土俵入りのやう。 


f:id:fookpaktsuen:20210809085645j:image

f:id:fookpaktsuen:20210809085642j:image

組織委員会会長も森喜朗よか橋本聖子でまだマシだつたかもしれない。だが橋本会長挨拶のとき演台の五輪識標に蛾が止まつてゐて何億の視線がそちらに集まつてしまつた。次のバッハ演説のときは蛾の不在はカメラが交替のときに誰かが蛾の除去をしたのかしら。この東京大会の何とかいふマスコットは人気も今ひとつだつたが閉会式には招かれず自宅観戦のだつたやう。

f:id:fookpaktsuen:20210809090246j:plain
f:id:fookpaktsuen:20210809090202j:plain

それにしても世界に向けて何て想像力の欠如。「上を向いて歩かう」に「愛の讃歌」そして古関裕而……すべて昭和39年大会のノスタルジー。東京スカパラだつてアタシにとつては昭和。幻想的なドビュッシーの「月の光」だが冨田勲のそれはもう40年以上前のもの。そして東京音頭で盆踊りとは……恥ずかさの極み。日本の近代文化の終焉。大竹しのぶだつて世界的な女優ではない。それも宮沢賢治の「星めぐりの歌」なんて日本人でも知らない。「あかいめだまのさそり」って直訳で世界中に伝播されてゐると思ふと意味不明でぞっとする。といふか猛毒をもち恐怖の対象で「蛇蝎のごとく」は人々に忌み嫌はれるものの喩へ。何うすればこれほどダメな演出ができるのかしら。それに比べ次回の巴里大会のライブ映像の素晴らしい出来映え。過去の大会へのノスタルジーのノの字もない。今の巴里そして未来への希望の印象化。五輪はかうあるべき、のお手本。日本はもう本当にダメかもしれない。

幻の“MIKIKOチーム版”五輪開会式を完全再現! | 週刊文春(電子版)

これなんてまだ随分とマシなのだがMIKIKOチームを残せないくらゐ日本の組織は疲弊してゐる。組織ではバカほどバカの極みで出世して横暴なのだから。

f:id:fookpaktsuen:20210809090500j:image

国立競技場周辺には「集まらないでください」でも民草が集まり「明日への希望」を花火に託す。皆の明日の幸はせを祈ります。明日からまたフツーの疫禍の日々が続くだけなのです。

星めぐりの歌   宮澤賢治
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。