富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

茨城県民の日


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 香港立法会で民主派総辞職の仕切りと見なされる民主派議員の政治資金報告に虚偽ありと大公報。今日の大公報には全人代常委が香港の立法会議員資格に対する処分規則決定祝賀の提灯広告が十数ページ。何ともおぞましい奴隷らによる主人への諂ひ。


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米国に続き英国政府も林鄭らに対する制裁と蘋果日報。明報が伝へるのは教育局による民主派教師のDQだが政府も政府なら教師も教師でアヘン戦争は英国が中国でのアヘン蔓延を嘆き、それの解消のため清国政府に戦争しかけたと説明したのだとか。また中国での製紙の発明も甲骨文字による動物虐待が……と説明と噴飯もの。

(香港議会)消える歯止め 民主派議員15人が辞職届:朝日新聞

(社説)中国と香港 「一国二制度」を壊すな:朝日新聞

昨日の日乗に少し触れたがやはり今回の民主派議員総辞職はこれが悪い方に向かふといふ憶測もあるところ。そりゃさうである。一国両制の崩壊は香港にとつて悲劇だが中共にとつては香港の一国両制よりも大切な中共一党独裁、それあつての中国繁栄といふ、これは「ドグマ」なのだから何うしやうもない。我々はこれがこれから数十年の間に中共が何う崩れるのか、あるいはさらに特色ある科学的進化進めるのかといふ流れを眺めていくだけなのかしら。

11月11日は毎年アリババの特売話題となるが年商7兆元は111兆円で日本の国家予算並み。2019年の中国全体の小売総額の2割弱で10億人が利用するアリペイの決済額は年118兆元(1877兆円)と途方もない数字。一企業が一党独裁の自称社会主義国で国家政府よりもマネを動かすと何ういふことになるか。倉田先生は何年か前から「習近平と馬雲のどっちが偉いか、といふやうな状況になつたら中国は面倒なことになるのではないか」と仰つてゐたが、やはり経済成長はあくまで中共の一党支配を堅牢なものにするための策略であつて(共産主義に於いて目的と方法の転倒は当然のやうにあること)民間企業の自由や活躍など到底放置できないものなのだらう。経済人は中共建国時のやうにあくまで中共の国家建設を財政面で輔弼する存在。それが国家経済をも凌駕するやうな巨大な存在となり中共の経済政策を批判するやうでは放置できようはずもない。それも中共の金融政策を牛耳る王岐山を前に……だつたのだとか。

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11月13日の今日は茨城県民の日/茨城県。明治4年に初めて茨城県といふ県が出来た日ださう(現在の茨城県は旧茨城県に加へ印旛県(下総)と新治県の其々一部が加はつたもの)。茨城県といふが県北と茨城都民といはれる県南ではずいぶんと社会も違ひ古河のやうに茨城県にありながら栃木、埼玉と生活圏同じくする土地もあり。郷里の歴史家である畏友J君が面白いことを書いてゐる。明治5年に県令心得(知事)として2個小隊の兵率ゐて県庁である弘道館に入つたのが渡辺清肥前大村藩士)。この渡辺県政下で一本の報告書が書き遺されたさうだが、それが「茨城に対する評価の原型」ともいえようと。

常陸九郡ノ人心一ナラズト雖ドモ大様頑固ニシテ狐疑ノ念アリ原来士農商ニ至ル迄党派ヲ固メ自論ニ陥溺シ時勢ノ変遷ヲ顧思スル念ナク既ニ廃藩置県ニ及ブト雖ドモ此宿弊ヲ脱除セズ

 頑固で疑り深く、すぐ党派をつくつて固まり自説にのみ溺れ時代の変化などお構ひなし……まさに然り。渡辺自身は尊王攘夷発信の地たる憧れの水戸の現状に「失望をかくせなかったのだらう」。かつて幕末に東湖、正志斎のころは学派の党派性こそあつたものの論議は闊達そのもの。吉田松陰が水戸に遊学のころ。処士横議、草莽崛起(松陰)。それがなぜ屈折して僻みっぽくなつてしまつたのか。水戸で話を聞いてゐると全く以てまさに「ごじゃっぺ」な聞くに堪へぬやうな勝手な発想で豪語が聞こへてくること少なからず。茨城県民の歌はアタシらが子どもの頃には「茨城国体」あり愛県心発揚でかなり歌はされ今でも歌へてしまふ。三番の歌詞がダイナミック。

世紀をひらく原子の火

寄せる新潮鹿島灘

このあたらしい光をかかげ

みんなで進む足なみが

あすの文化をきずくのだ

いばらきいばらき

われらの茨城

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水戸芸術館の傍らにあるマダムディレイといふ焼き菓子屋のシュークリームはこれで税込み100円でじつに美味しい。なぜマダムディレイなのか知らないが香港では“Delay No More”でかなり恥ずかしい意味の言葉になる。

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引っ越ししていくつかニトリでつまらない家具といふより什器贖ひ一つ一つ組み立てゝゐるのだが今日組み立てた本棚で底板を側板に当てたら底板の一方にカムボルトと木ダボをハメる穴が開いてゐない。ベトナムインドネシアの製造工程でのチョンボなのだが検品も等閑なのも事実。ニトリのサービスセンターに電話すると混雑でつながらず水戸店に電話すると電話応対したスタッフが今回もまたじつに誠実。当方の伝票番号と商品番号を確かめて一旦電話を切ると暫くして説明書を手許にコールバックしてきたので当方も部品番号④の底板で……と説明で容易に話が通じる。先方も「よくある」のは底版と上板を間違へて「組み立てられない!」だらうがアタシの説明にこれは製品不良とお確信してくれて、この底板だけの交換で話を済ます。クレーム事例だが全く不愉快な気もせず。

台湾が「住みやすい」のは決して「親日だから」だけではない。民主的な政府があり、多様が生きるダイバーシティー社会が築かれているからだ。(略)台湾は既に多くの分野で日本を凌駕している。工業化と近代化では台湾に先んじた日本だが、民主主義のあり方やダイバーシティー社会の実現においては、今や台湾のはるか後塵を拝している。日本が、台湾に教えを請うべき時が来ている。