富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

山口瞳『礼儀作法入門』


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 蘋果日報は国安法抗議活動に対しての警察暴力とスタンレー=ホー逝去で一面をいずれかに絞れずダブル一面となつた。

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水戸・木村屋本店の「紫陽花」

水戸の飲食店は座席間隔を多少空けつゝ普通に近い営業をするところが多くなつてきた。


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山口瞳の『礼儀作法入門』(新潮文庫)やつと読了。筆者は当時48歳、もはや大人(だいじん)で何を言つても許される立場。NHKのBSで再放送してゐる<はね駒>で主人公・りん(斉藤由貴)の父(小林稔侍)も40前の頑固オヤヂで、もう人生達観したかのやう。大人が大人であつた時代。この「礼儀作法入門」は驚くなかれ雑誌『GORO』の創刊(1974年6月)からの連載だつたのだといふ。私は趣味ぢゃないので読んでもゐなかつたが『GORO』の読者ターゲットは15~25歳の男性で軽いヌードグラビアなどあり(昭和の当時は今よりずつとヌードについて開明的だつたのだ)謂はゞ“PLAY BOY”誌のジュニア版。それにしても、さういふソフトな内容の雑誌に「礼儀作法」である。「大人の男になるためには、こうした知識、男の拘りも必要だよ」(中野朗)というコンセプトか、何うであれ読者からの評判もよく1年の連載のあと『続 礼儀作法入門』として再開。これもさっと読む。今ではこんな内容を読んで楽しい若者なんて想像もできないところ。さて、その内容だが正直、隔週刊の雑誌で読む方が楽しいかも。続けて何本も読むと一寸食傷気味。まだ、さういふ時代だつたのだらうが西欧ではきちんとしてゐるマナーも「それもできない日本はだからダメ」多いのも気になるところ。だがいくつものトピックスでは酒やタバコなど面白い「マナー」あり。一つだけ書いておくと盃で「正しい」酒の飲み方。

まず、盃を持ってくれたまえ。無意識でいい。そうだ。誰でも、ヒトサシユビとオヤユビで盃を持つだろう。ナカユビを盃の下部に軽く添える人もいるかもしれない。それでいい。この際、ヒトサシユビとオヤユビは、盃の円の直径を指し示す形になる。これも自然にそうなるはずである。そうでないと盃は落ちてしまうし、落ちないまでも不安定で、余分な力を必要とすることになる。
そうやって盃を持ったら、これを唇に近づける。そうして、ヒトサシユビとオヤユビの中間のところから飲むのである。この際に、舐めるようにではなく、盃の中の酒を口の中に放り込むようにして飲む。これが正解である。これが見た目のキレイな酒の飲み方である。

かうして飲むと向かひあふ相手から盃が隠れるやうになり見た目がよいといふ。だが一寸待つてくれ。「ヒトサシユビとオヤユビの中間のところから飲む」のが正しいなら「正しくない飲み方」はヒトサシユビとオヤユビの指先の間から飲む、それか。私は無意識にこちらだつた。これがさして下品とも思へず寧ろ年季の入つた酒飲みらしいとすら思つてゐた。それに、この飲み方の方が相手から見て盃が隠れないか。よくわからない。しかし実際に山口瞳の正しい飲み方を真似てみると一つだけ確かで美しいことは盃を持つた手の腕で脇が開かない。これはとても上品ぢゃないか。そして酒の注ぎ方。

これは非常に簡単である。銚子を持つ。それをそのまま横に倒せばいい。オヤユビと、残りの四本のユビで持つ。そうして、オヤユビを下に向けるようにして倒すのである。相手に向かって縦に突きだしてはいけない。銚子はひねってはいけない。それだけのことである。

これは新派の女優の芸談だつたさうで舞台でさうすると客席で見たときに美しいのだといふ。逆に場末の酌婦演じるときは銚子をヒネつて下品な感じをだすのでは?と山口瞳

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