「新型肺炎に打ち勝つ」と宣つてゐたトランプ大統領が米国の非常事態宣言。感染広がり政治責任問はれるより先に非常事態宣言の方がマシか。蘋果日報伝へるのは香港市役所による黎智英逮捕や東方日報記者シバキなど律政司で検察側の助言も聞かぬ鄭若驊の「高度な政治的判断」による独断だつたと。さもありなむ。
世界的に疫禍拡散のなかEUとは海を隔てた英国が感染はそれなりの数はあるが経済活動は普通と胸を張つてみせる。Johnson attempts to keep UK open for business - FT 学校や小売業、イベントも通常通りで英国の意地。だがFT週末の高級品消費雑誌“How to Spend It”は出したところで消費があるとも思へず。唯一考へられるのは富裕層の疫禍陰鬱気分での気晴らし消費か。
毎週土曜朝はFCCに来て週末版の新聞や雑誌に目を通す習慣あるのはアタシだけではなく、この時間は静かに週末の始まりを愉しむメンバーでそこ／＼人気なのだが一人の感染者が先月20日にここで昼食をとつてゐたそうで今週２日間の全面消毒済ませて昨日再開したものゝ今日はついに"And Then There Were None" の感あり。朝食時間のあと早めの昼餉の客が来るまで客はアタシ一人。
今日の蘋果日報で陶傑氏が台湾の防疫について。
今日台灣防疫衞生的意識，一來自殖民地的初心；二來自百年來與「對岸」那個政黨打交道，有多次上當經驗；三來沒有參與世界衞生組織這條賊船，不受世衞組織的謊言擺佈。
台湾の防疫衛生の意識高さは先ず後藤新平が瘴癘の地たる台湾で南方特有の伝染病対策を始めた意欲の初心、そして百年来〈大陸〉といふ存在と対峙した歴史の防衛意識と経験、また中共の圧力で国際組織から弾かれるなかWHOといふ鵺のやうな存在の謊言を聞く立場にない独自の判断が功を奏したと。上述の英国といひ台湾といひ島国が、その地政学的特性活かし防疫に独自の対応進めるなか同じ島国の日本にさうした了見の欠如とは。
中環のLower Albert Rdは林郑官邸と米国総領事館の崖下で香港警察がテント張りのんびりと駐在してゐるが先々週通りかかつた時にテント前にミニクーパー不法駐車でも警官はそれを取り締まるでもなし「いかにも警官が好きさうな塗装」で警察の自家用車かと訝しく思へたが今日通りかゝると２台。今日の後ろのスモークガラスばり／＼のアルファードは絶対に警官のだらう。香港暴警の開き直り。
久世福の「なかなか減らないやみつき柿の種」いたゞき土曜早晩ゆゑ美味なるこれを摘みながら啤酒飲んで寛ぎテレビをつけると晋三が記者会見といふ名の下手な独演会。
無意味な晋三表現続くなかで具体的なことといへば学校関係者に「今後予定されている卒業式についても安全面での工夫を行った上で是非実施して頂きたい」といふ呼びかけで卒業を前にした子どもたちには「最後の思ひ出を作る大切な時期に学校を休みとしたことは大変申し訳なく思つてゐる」と卒業式大事の日本らしさ。そして日本は1万人あたりの感染者数が0.68人で中韓や意太利などより少ないから現時点で緊急事態宣言を否定して国民一丸となつて防疫の上で東京五輪実施と。この0.68人は抑制の結果とするが感染者が2.2千人の米国は計算してみると1万人あたり0.07人で非常事態宣言。晋三の発言など口実ばかり。
「令和初の」とかういふ時も冠にするのかJR東日本のダイヤ改正で是非とも駅名は芝浜にしたかつた高輪ゲートウェイ駅開通、伊豆でサフィール踊り子号新設などあるが何といつても常磐線で311の大震災津波と核禍から９年経て富岡〜浪江間が復旧して常磐線が仙台まで復た連結。
水戸に生まれ育ち仙台には大学から足かけ７年住んだアタシには水戸〜仙台間の特急ひたちは何度も利用したので感無量。当時、反核が注目され浜通りを車窓から原発の煙突見るたびに「こんな辺鄙なところに東京の電力のために原発か」と思つてゐたが、その核禍が現実に。一昨年の夏に水戸を朝に発ち「いわき」まで特急で下り鈍行で富岡まで行き連絡バスで浪江まで走り現況を初めて目に焼き付け仙台に向かつたが未だ解決せぬ、どころか何も解決せぬまゝ未来へと向かふ中での常磐線の復旧。地元にとつては鉄道再開は何よりの喜びだが依然として帰還困難区域のなかで「鉄道復旧に合はせ」特定復興再生拠点内での区域解除。現況よりも役所の言葉遊びのやう。厳密にいふといわき寄りから夜ノ森駅（富岡町）、大野駅（大熊町）と双葉駅（双葉町）の３駅が区域内で駅及び周辺道路は特例で解除。昭和から平成の町村合併で日本中で田舎もかなり合併で「市」に格上げの中で福島の浜通りから福島市に近い山間の飯館までが未だに町村で合併せぬのはこの浜通りが原発銀座でかつて原発マネーで自治体の財政が潤ひ、それがあるから合併など望まぬのは茨城の東海村と大洗町が周辺が合併のなか「独立」維持するのと背景は同様。
そして浜通りのこの一帯は常磐線でも未だに単線といふローカル地帯なのに特急ひたちは311災害前も今回の復旧後もご丁寧にも富岡〜浪江間で夜ノ森駅を除く全駅に停車するのも原発受け入れでの褒美であり今は住民も乗客も激減のなか復興支援での同じ配慮。原武史先生らの指摘あるやうに鉄道が明治の黎明期からいかに政治的な産物かは、この常磐線でもよくわかる。
さうした政治的な背景を別にしても今回の特急ひたちのいわき〜仙台間の再開が311前は６往復あつた特急ひたち（当時はスーパーひたち）が今回は３往復で利便性に欠けること明らか。（この項「鉄道ファンの待合室」参照）核禍で廃炉では原発ビジネス客需要もなく帰還望まぬ地域住民多く人口激減で減便は当然かもしれぬがダイヤをよく見ると上りでは早朝の原ノ町発と仙台発が減便となりいわき以北では仙台を10時台に立つちらち14号まで特急がなく下りはいわき発仙台行きの朝便もなく仙台方面に向かうには不便で仙台行きは311前は上野19時発原ノ町行きがあつたのに今は15：45の上野発に乗らぬといわき以北に直通の特急がない。原ノ町から北の方は東京に出るなら仙台経由で新幹線ご利用くださいと見える。
