富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

水戸


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昨日は羽田到着時の気温は摂氏16度で暖かつたが今日の水戸は摂氏9度。冷たい風も強い。母が朝から病院に検査に行つたので、その市中の総合病院に検査の終はる時間見計らひ寄ると市中は疫城かといふほど人の気配もないのに病院は年寄りでまぁ芋を洗ふやう。年寄りこそ肺炎で合併症など怖いところだが病院の入り口で検温があるでもなくマスクもせぬ通院者もちらほらとゐて病院の受付ばかりか看護婦も普段の制服にマスク一枚するだけ。香港の病院が先日、長洲島の小さな診療所ですら受付の職員から感染防護服にマスクばかりかアイカバーまでしてゐたのとは大違ひ。受付を通りかかつた医者も半袖の白衣にマスクだけ。製剤薬局の薬剤師もマスクもしてゐないし客一人との対応済んだところで香港のやうに手を消毒でもない。


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路線バスで天王町の神崎寺。先考命日も4日後で掃墓。暖冬で偕楽園の梅祭りも前に梅は開花で神崎寺境内の梅もすでに花は散りかけてゐる。昼前に水戸芸術館に寄つて森英恵の展覧を見やうと思つたが一昨日から防疫のため臨時休館中。 


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この芸術館が旧・五軒小学校で通りを挟んだ向かひに志満津デパート(その後、京成水戸百貨店)があり大通りは志満津(京成)の対面に伊勢甚デパートあり。水戸で一番賑はふ繁華街だつたが2003年に伊勢甚が閉業、その建物取り壊し新しい建物に京成が移り京成の建物は長らく野晒しになつてゐたが水戸市がそこに新水戸市民会館を建立(従前の市民会館は市役所横にあつたが311の震災で破損著しく再開せず)。そのため旧京成の建物の取り壊しの真っ最中。自分が小学生の時に授業中、校庭の向かふを眺めてゐると日に日に建設の進む建物が、かうして取り壊しも寂しいもの。これから建設始まる新市民会館は外装を太い木材で寄木造りにするさうで、そのモック建築が工事現場の一区間にあり。
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雨になる。みずほ銀行によるとカウンターの客はわずか一人。大通りの人通りも数へるほど。昼どきである。疫禍の影響も大きいが地方都市に地力といふものが全くない。京成デパート地下に水戸の鰻といへばの料亭・中川樓が出店を先月から出したさうで出店で鰻を焼きイートインも6席ほどあるといふのでお昼は鰻丼。昨年の初秋に帰省の折も母と土浦まで出かけて小松屋で鰻であつた。 

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空港や公共施設、病院からデパートのあらゆるところに政府の「感染症予防対策にご協力をお願いします」の案内あり。幼稚園児でもわかる手洗ひとマスク着用の奨励で所管が厚労省なのは当たり前だが何故これに厚労省の前に首相官邸が出しゃばるのか。何事も「官邸主導」で晋三の自己PR以外の何物でもない。かうした官邸主導が今回の防疫に関する厚労相の対応不足が典型だが優秀であつた省庁レベルが機能破綻を生じさせてゐる。


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母と別れ午後も所用あり時間潰しに京成デパート近くの「フィンガル」といふ喫茶店に入る。ビルの地下で、このビルも小学生の時に窓から外をぼんやり眺めてゐると旧・京成デパートの左向かうに新しいビルが立ち始め屋上に「安田信託」と大きな看板が掲げられた。このビルオーナーが水戸出身のK教授未亡人でビルに画廊設け地下のフィンガルはメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」からか。ビルの所有者は変はつたがフィンガルの中は昭和の純喫茶のまゝ。高校生の頃よくこゝにも時間を潰してゐたころが懐かしい。

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早晩にスーパー銭湯に浸かり妹が母を自動車に乗せ向かひに来てくれて近くの回転寿司に。そこは魚米(うおべい)といふ元気寿司セコンドで一皿100円はわずかHK$7.2也。香港では飰すも憚られてゐる元気寿司だが日本では気にせず。いつもなら入店は順番待ちださうだが疫禍影響の「外食は控へませう」で待ちなし。さすが握りは握つてなくてシャリの上にネタが載つてるだけ。2カン100円だから、それはそれでいゝが高速レーンで運ばれてきて停車するとネタが落ちるのはご愛敬。傘寿過ぎの母が生ビールを中ジョッキでくーっと飲んでくれるのは見てゐて頼もしいかぎり。

(東日本大震災9年)双葉町の一部が帰還困難区域初の解除 :朝日新聞

東京電力福島第一原発事故で唯一、全町避難が続く福島県双葉町について国は4日午前0時、放射線量が高かった「帰還困難区域」の一部の避難指示を解除した。14日に全線再開するJR常磐線の駅を使えるようにするためで、帰還困難区域では初の解除となる。

本来、核禍解消で期間困難区域解消で鉄道驛再開が順序だと思ふが双葉驛再開優先とは。