澳門特区設立20周年で中央政府を挙げて澳門を評価。それに対して混乱収拾のつかぬ香港。どちらの方が優秀かといふと澳門なのだらうが、どちらが精神衛生上健全かといへば香港。中資銀行や親中系中小企業までが従業員の抗議活動加担を認めず抗議系の若者採用せぬなどの措置といふ話あり。
何といふタイミングかOECDの国際学習到達度調査（PISA）で前回（2015年）調査では読解、数学と科学の３分野で新加坡が三冠、読解と数学では香港が２位につけ科学の２位は日本だつたが今回（2018年）調査では中国三冠で新加坡はいずれも２位と意地を見せたが何と３項目とも三位に澳門が躍進の快挙。香港は読解と数学は４位。かつて輝いてゐた日本はもはや言はずもがなで着実に降格続ける。香港の教育が英国からの制度に加えDSE（中学文憑統一試験）や詰込教育で学生は齷齪とゆとりもないところ澳門はかなり緩い教育環境で寧ろ学生の自発的な学習能力が引き出せてゐるのではないかと専門家。
それにして３項目で夫々10の国・地域がエントリで30枠、そのうち（新加坡も含めると）中華圏が14コマを占め日本と韓国を含む東アジア圏で19コマ、実に2/3なのだから儒教圏とでもいふべきなのか、かうした学力的には大したもの。
香港警察の抗議派中学生（日本でいふ高校生）取締りの現場。この現場を撮影する市民に警護にかけつけた警官は「唔好影啦，影乜嘢啊？曱甴堵路你唔影，警察做嘢你影？」と暴言。全く手のつけられぬ黒警。これは独立調査委員会どころか一旦、解散前提に組織改革でもせぬとダメなのではないだらうか。
陋宅マンションの駐車場の外を歩くと午後６時くらゐの同じ時間でも１ヶ月前の黄昏が今ではもはや夜の入り。でも今の時分ほうが眉村卓的にはどこか怖くない。
行政長官出席二零一九年「國家憲法日」座談會致辭（只有中文）（附圖／短片）
本日の林郑（これから林鄭は簡体字で林郑と綴ることにする）はこの香港でも開催された国家憲法日なる座談会に出席して一席宣ひ午後は香港貿易発展局の香港フォーラムでもまた一席、で更に夜には香港の日本人商工会議所の設立50周年の祝賀会にまで出て祝辞披露で45分だか長居したのだとか。何もできないので自分を慇懃にもてなしてくれる会合に出て誰も批判もせぬなかスピーチすることしか林郑にできることがないのだらう。なんとも貧しい姿。さて、この国家憲法日だかの演台で林郑は
《宪法》和《基本法》共同构成了特区政府的宪制基础，我们必须加强《宪法》和《基本法》教育，增强全社会特别是公职人员和青少年的国家意识和民族认同。
と宣つた。つまり公務員と青少年に〈爱党爱国〉徹底すれば上手くいくのであって林郑の言うこと聞かぬ「その他大勢」はどうでもいゝと。だが公務員の多数と青少年こそ〈爱党爱国〉をクソだと思つてゐる〈黄絲〉であることを林郑はバカだから真摯に捉へることができない。そこで「憲法と基本法」といはれるとすんなり、それを受けてしまふがこゝも注意払ふべき。林郑は「《憲法》和《基本法》共同構成了特區政府的憲制基礎」といふが基本法は
第１条は「香港特別行政區是中華人民共和國不可分離的部分」として
第２条で高度の自治
第３条で特区行政と立法機関は香港の永久居民によって組織されるとして（中共ではなく）
第４条で人権と自由
第５条で50年不変
で第11條でやつと共和国憲法といふ文言が出てきて「共和国憲法31条に拠り香港特区の制度と政策、市民の基本的権利と自由、行政と立法・司法の三権が保障され、関係する制作はこの基本法の規程に基づく」とある。では共和国憲法31条は何かといふと
国家在必要时得设立特别行政区。在特别行政区内实行的制度按照具体情况由全国人民代表大会以法律规定。
……とあるだけ。さうなると香港に直接影響を及ぼさない憲法は林郑のいふような特区憲制の基礎なのだらうか？ 林郑本人も2017年の行政長官就任時の習近平を前にした宣誓で
本人就任中华人民共和国香港特别行政区行政长官，定当拥护《中华人民共和国香港特别行政区基本法》，效忠中华人民共和国香港特别行政区，尽忠职守，遵守法律，廉洁奉公，为香港特别行政区服务，对中华人民共和国中央人民政府和香港特别行政区负责。
……と宣つているわけで共和国憲法に全く触れていない。いつのまにか香港に中共憲法がじわりじわりと浸透してくるのだらう。
林郑市長が頭がおかしいから市役所の局長級も感染して頭がおかしくなつてゐる。労工及福利局・羅致光局長が「郊外BBQの方が催涙弾よりダイオキシンが多い」と発言。この局長、市役所では珍しく元・民主党立法会議員でリベラル、IQ160といはれる天才なのだが林郑市役所で思考回路がダメになつたか。実際のダイオキシン含有量じゃなく、かういふ発言することの反発がわからないか。この市役所は、もう終焉に近い。
