富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

鄭若驊在了燕京⁉︎


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香港市役所の財務司ポール陳茂波が昨日の記者会見で今年度の政府財政収支は16年ぶりに赤字転落と予測発表。反送中からの抗議活動での経済停滞が主因としたが林行止などエコノミストの言及待つまでもなく世界的な経済停滞期であり抗議活動のない中国や新加坡も不調。それでも政府資金繰越は潤澤で日本政府のやうな危機的状況に非ず。それにしても香港空港一つとつても12年前にHK$28億(390億円)かけ竣工した第2ターミナルの建物は第3滑走路建設計画で11月末に利用終了で取り壊しで活用しきれずHK$165億(2,290億円)浪費といふ試算あり。

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また警察の今年度の経費は抗議活動鎮圧での人件費増や鎮圧費用等支出増ありHK$202億をすでに超へてゐる。政府の判断ミスによる支出だけでも何千億円の不要な支出だと思ふと呆れるばかり。財務司ポール陳は米国の香港法案が珠江デルタの大湾区の経済発展にも支障ありと苦言。この財政赤字転落を今日の朝日新聞夕刊は林鄭が今朝の記者会見で「見通し明らかに」と記事にしてゐる。香港政府16年ぶり財政赤字へ「デモで税収落ち込み」朝日新聞 だが上述の通り昨日、財政司が発表したもので、それの林鄭繰り返しを「見通し明らかに」といつてよいのか何うか。その林鄭は米国の香港法案に対して香港は人権や市民の自由が広汎に保障されてをり、それが害されてゐるといふ米国の認識に反論してみせる。市民の抗議活動ですぐに催涙弾など用ゐて暴力的に鎮圧し、中共に批判的な書籍出版の書店主が中共に拉致され、イスラム教のモスクに警備用放水車で色水かけて、どこが市民の人権や自由が保障されてゐるといふのか。警察は本来、警官の名前とコードを明示すべき制服の窓に「警告 催涙弾」などと表示。かうした蛮行が全く制御もされずやりたい放題。


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林鄭ではもう何うしやうもない。昨日の日剩に趙永佳「『檢討深層次矛盾』不提政治無助解困」紹介したが、このなかで現在の香港の政治家のなかで民建聯の初代代表で立法会議長も務めた曾鈺成に対する評価が高い。2003年の100万人デモを発生させた舌禍の主だつたが、その後の立法会運営で民主派にも独自のパイプ築き反対党からの信任もあり今回の区議会選での民建聯惨敗にも残念とはいふが問題点もあつたとして今後の再建への見直しを語つてみせる。ポスト林鄭での行政長官候補の一人とされるが(おそらく対泛民主への政協を考えると元財務司のジョン曾俊華と並んで適切な選択かもしれないのだが、その曾鈺成が信報の連載(立法会主席時代の回顧)で中共による行政長官「欽定」での面白い回想を披露してゐる。樂而忘返 - 曾鈺成 - 信報 2011年8月に国務院副総理の李克強が来港。香港大学創立100周年祝賀のため。立法会議長の曾鈺成は8月初旬から夫人と欧州に遊び布拉格からドナウ河下りでブダペストに入らうとするところ当時のドナルド“貧官”曾蔭権率ゐる行政長官弁公室から電話があり8月16〜18日に李克強副首相来港につき三権の長は須く在港の上、拝謁をと。中共首脳の行程はぎりぎりまで機密で立法会議長も知らずだつたが身は欧州にありと曾鈺成は行政長官弁公室からの再三の求め断り立法会は議長不在で代理の代表立てたところ李克強副首相歓迎の晩餐会にはポスト“貧官”曾の行政長官候補と噂されてゐた唐英年、CY梁に范徐麗泰が招かれてゐたばかりか宴会では主賓席に座して副総理と握手。翌日の新聞に「時期行政長官候補のダークホースとされた曾鈺成は李副首相と折角の接触機会逸し行政長官候補といふ機会をこれで放棄したやうなもの。曾鈺成は何うして行政長官職を狙はぬのか事情通は首を傾げる」と早速、記事になつたといふ。まるで「近代以前」の物語。直接普通選挙はまだにせよ香港基本法による法治が前提であるはずの香港で、こんな宮廷コントが演じられてゐるとは。

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今日も中環など各地で昼休みの抗議活動が続く。12月に入り抗議ポスターもクリスマス仕様。知らぬ人が見たら、これが政治的抗議とすらわからぬ。

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突然のニュースが飛び込んできました!としか言ひやうがないが先月中旬に倫敦で香港民主化暴徒の殺人鬼に襲はれ腕を骨折?で全治数ヶ月から1年に及ぶ重症負ひ後遺症も心配される律政司・鄭若驊は倫敦で手術の上、倫敦警察に通報もしたがテロ行為は“not so serious”と警察の相手にもされぬなか病気休暇申請し倫敦に旅居し続け政府要職にありながら、而も抗議活動で数千人の暴動罪裁判が待つところ「何を考えてゐるのか」と建制派も呆れるほど……と昨日の日剩にも綴ったが(アタシも執拗にしつこい)、その鄭若驊が本夕、北京から香港に戻り明日から仕事復帰と。倫敦で在英中共大使に拝謁などしてゐた鄭若驊は大使の便宜供与で内々に倫敦から燕京に飛び1週間の医療提供を受けてゐたのだといふ。北京?你不要从北京返来香港了!😡と叫びたい。香港市役所三司の一人の所在すら発表されずとは呆れるばかり。きつと北京でサイボーグに改造されたのかしら……頭脳は最初から親北京OSだが身体まで全て。もう北京の指示通りにしか腕が動かないとか。

朝日新聞に倉田先生のインタビュー「香港人の『反乱』」あり拝読。

「香港は希望に満ちた絶望の場所」といふこれ、今日まで知らず。1949年以降の香港を、もしかするとこの言葉は言ひ尽くしているやうに思へる。

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今日の蘋果日報・社説も下記の引用はわずか2段落だが6月からの状況で何が理屈としておかしいのか?をきちんと言ひ抜いてゐる。

自6.9大遊行至今,林鄭一次又一次錯估民意、扭曲民意,區選前雖曾獲中共領導人「充份肯定」,其實連當傀儡都不合格。中共十九屆四中全會提出新治港政策後,港澳辦主任張曉明曾撰文提出所謂特首的雙首長、雙負責定位,強調要完善特首向中央報告重大事項的制度,又要在特區落實以行政長官為核心的行政主導體制。
玩忽職守 助長警謊
就算林鄭無意藉區選結果的強大民意,攜手急於挽回敗局的親共陣營,直接回應民意,宣佈成立獨立調查委員會,即便以中共的新要求,林鄭也有責任向北京如實報告區選所代表的主流民意,有責任勒令警隊不再以偏離遊行路線的謊言剝奪市民和平遊行權利、不再以數百名暴徒投擲煙霧餅的謊言作為施暴的藉口。但她竟然繼續玩忽職守,扭曲民意,助長警隊一次又一次用謊言掩蓋濫暴濫捕、升級暴力。

▼831の太子站警察暴力はその真相がまだ解明もされてをらず死者発生であるとかよくわからぬことばかり。それでもこの場所はいくら整理されやうとも毎月末に抗議者により月命日挙行され事実はともかく逆権運動の聖地となつてゐるのは事実。それにしても831以降の騒動の中での祭壇化のときの状況と今の、この美しいほどにミニマムに施された祭壇とのコントラストがすごい。

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