富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

The Joker

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抗議活動の暴力化加熱で大公報は欣喜雀躍、治安平定を叫ぶ。蘋果日報は暴力的抗議活動煽動と左派から詰られるなか遉がに手の付けられぬ「暴動」にあまり見出しも踊れない。そのなか内地資本経営となつてゐる〈成報〉に一面で林鄭辞職求める意見広告あり。もう〈林鄭終焉〉だらう。

不要為林鄭入冊! - 陶傑 | 蘋果日報 | 果籽 | 名采 | 20191007

香港的年輕人,不要因堆砌的暴動罪走進監獄。不要入冊,因為你的那一票,要留在選民登記冊。香港的年輕人,一個也不能少,要留下來。

陶傑氏も若者たちにもう暴力はよして区議選で有権者としての意思表示を求める。御意。

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本日は農暦九月初九。重陽節。本来であれば墓参り、近郊の山々へだがMTRがこんな状態では遠出も難しい。墓場も掃墓の賑はひなし。

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太古城のCityplazaには昼間から市民集まり抗議の呼びかけ行われてゐる。Cityplazaは逆権運動に受容的なSwire集団経営。拠つて狼藉の被害もなく平安裡。


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交通手段遮られ休日も外で催涙弾の煩はしさもあり映画でも見るのが最善。そこで〈ジョーカー〉なのだ。

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娯楽映画で近未来モノで理想も夢もない混乱した社会がよく描かれてゐる。バットマンブレードランナーが典型。そこでの正義が問はれる筋だが悪役(Villan)の暗躍が大事。殊にバットマンに登場する〈ジョーカー〉は道化のやうでもあり悪の権化のやうでもあり特異なキャラクター。そのジョーカーを主人公にした映画が今、香港でも上映中。黒蟻団の狼藉で破壊凄まじい地下鉄站のコンコースでジョーカーが笑つてゐるのだけでも不気味。こゝ数日それが気になつて仕方なし。

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とても劇画とは思へずジョーカーが根城とするゴッサムシティがまるで此処のやうな錯覚を覚える。映画見終はつて外に出ても未だ自分がまるで映画の中にゐるやうな感覚覚ゆる今の香港。
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映画館も半数ほどは映画館のある商場じたいが臨時休業の煽りで開けられない。台風でも商売繁盛の映画館が、である。太古のCityplazaの映画館は開いてをり午後遅くほゞ満席のなか〈ジョーカー〉を見る。

この〈ジョーカー〉の香港上映については別途、綴るつもりなので後日そちらで。

《Joker 小丑》狂態觸目驚心 | 石琪 | 立場新聞

為符號給予肉身 — 《小丑》觀後感 | 古華多羅 | 立場新聞

映画終はると午後6時で丁度、MTRが全線閉鎖。明朝までの12時間を復旧作業に費やすのだといふ。CityplazaもKornhill Plazaも全ての商店が臨時休業のなか岡田屋(Aeon)は営業継続。食料品売り場は台風来襲前のやうに保存食買ひ込む客で繁盛。テイクアウト寿司売り切れは早めに割引にしたからか。明日から香港政府が銀行預金抔の資金凍結といふ噂広がり銀行預金下ろす者も少なからず。


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今日くらゐ静かなのかと思へば夕方から黒蟻団が将軍澳線を主にMTR站襲ひ各駅で10分程度で警察が来る前に施設破壊の狼藉。10数名で見事なほど効率的。

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他に黄埔花園などでも道路封鎖など妨害活動あり警察が駆けつけると顔も隠さぬ住民らが「黒警は来るな!」と罵声浴びせ警察も致し方なく撤退。警官にしてみれば正義、社会治安のために働いてゐるのに市民からの罵倒では精神に異常を来す者も多いはず。ネットニュースで画面が変はつたら陋宅ある康怡花園でも太古站に近い〈下康怡〉で同じやうな住民と警察の対峙。市民の香港警察不信は極みに達してゐる。警察が去る時に上がる歓声の凄さ。

NHKのNW9で熱心に香港報道続けるのはよいが今晩のネタは「出口の見えない混乱」で香港から「脱出」で移民を考へる市民。確かにこの情勢で香港の将来不安、できれば移民をと考へる市民も少なくないのは事実。それも選択肢で「あり」かといへば「あり」で調査すれば「3割超」なのかもしれぬが東欧からドイツへ、中米から米国へ、難民申請のやうに米国大使館に群がる人々……といつた状況とは明らかに違ふ。香港の場合、中英合意と天安門事件のあとの移民ブームがあつたのは事実だが今回の状況で、この特集はちょっと「盛りすぎ」。


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Chris Patten卿が香港政府のやることなすこと失策で"Carrie Lam would have to be crazy"とまで指摘。こんな感情的になつた肥彭を今まで見たこともない。

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