富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

古勒馬

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大公報への企業協賛広告は赤色企業から地元財閥系、そしてついに英系の二大銀行にまで。「踏み絵」や「みかじめ料」のようなもの。香港で商売続けたいんなら、わかってんだろうな?で。極悪相手だと思へば、これで済めば、まぁ安いものか。

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ちなみに香港の香港ドル発券する三大銀行はHSBC、スタンダードチャータードと中国銀行中国銀行が今更、この銀行の協賛忖度広告に入る必要もないことは他言要さぬこと。中国銀行はそれまで二行だつた発券に1995年に参入。

http://Cathay Pacific staff warned over social media use as airline deals with fallout from Chinese aviation authority move

CXは中共の介入で黒蟻活動に参画のパイロットの処分につき中国領空の飛行権までちらつかされ3割株主の強権についに妥協、CEO辞任、CXの現職パイロットで民主党立法会議員のJemery TamがCX辞職、組合幹部への圧力と続き、今度は職員に勤務時間中のSMSへの投稿等まで制限。フライトのための集合から勤務時間なので(ゆゑに出発が遅れると屢々、スタッフの勤務時間超過で乗組員交代となるわけだが)その時間内も含まれる。オフの時間に空港占拠に加担の有無どころの話ではない。

この2013年の明るさが今これを見ると何とも感慨深いものあり。ところで何故に突然この映像を?といへばアタシはかうした“fun”に疎く“Flashmob”といふものも全く知らなかつたのだが林行止先生が今日の信報専欄でこれに言及あり。

近日「有閒」,在網上看了不少「快閃族」(flashmob)的街頭音樂會。據說這是通過互聯網或手提電話相約於某時某地集合作公開表演,表演的內容多元,唯以器樂合奏最引人注目。其初筆者深然此說,但看多幾次,便發現這是有「預謀」吸引遊客的公關活動,而力催此事的應為各地的旅遊局。事實上,「快閃族」的表演若無排練(rehearse),受「召」而至的樂手不可能沒有重複(如有多名第一小提琴手),但大家所見的樂手,完全符合作曲家的分配。筆者因此相信這不可能是偶合而是刻意的安排。循着這種思路,香港近來的多次人數動輒十萬計的示威遊行,在無「大台」即沒有主辦者指揮下,何以能夠分工、合作得那麼完美;換句話說,所謂沒有「大台」,不過是設詞,實際上幕後必有人發號施令、統籌一切。至於幕後人是何方神聖以至其目的為何,唯獨立委員會能查個水落石出。

近日「有閒」って癌の大病で手術されてゐたのだが入院中に暇潰しに見てゐたネットで、このflashmob見た行止先生、さすが泰斗はこの他愛ない映像の「念入りに準備された偶然装ひ」を見て香港の十万単位のデモ活動を想像する。もし「大台」(指令本部)なければ運動が見事に動くものか。その総指揮はいずれの〈神聖〉か何んな目的があるのか、仮にあるとすれば(それを暴きたいなら)さうしたことも独立調査委員会だけが真相究明できるのだ、と。また林鄭市役所は警察の反発で独調委設営に尻込みするが行止先生は1960年代のクロード=マクルホース総督による対警察汚職一掃成功を挙げる。当時の植民地警察の横暴に総督が何う対処したかといへば駐港の英国軍の後ろ盾。警察が反撥すれば軍が出る。この改革に抗じた「叛警」に対しては降伏し職場に戻れば特赦として、これを収斂させた史実。それに学べば今の警察も、そのまゝ公開されてはかなり困惑する不誠実な事実もあるわけで、それにより処分や失職の警官もゐるであらうなかで、それこそ中央政府の承認と解放軍を後ろ盾に司法取引も含め特調委の設置と速やかな事実解明、そして市民の合意と社会安定もできない話ではない、と。……かうして林行止先生の論評にいつも溜飲を下ろしてゐるのだが、この精神安定剤にいつまでも頼つてはゐられない。行止先生も健康を害して健筆も最期あり。後継の不在。かつて練乙錚がそれを期待されたが思考は見事だが文章がやたら六ッかしい。加藤周一が凄いのは中学生でも読めるところ。そこで行止先生の専欄で突然、七月だつたか引用されたのが古勒馬といふ筆者。名前からすると若くないが老成気取る若者か未詳。反送中の盛り上がつた6月に突然、ネット界に現れ秀逸なる論評を発表。古 • 字 • 誌 今日の上述の行止専欄の言及にも即日で、それを受けての考察あり。

沒有大台 五大自由 缺一不可 – 古 • 字 • 誌

Flashmobにリハがあるのは1990年代に米国で“Reality TV”が出現後に受け手が「やらせ」であることはわかつた上で好評な手法と断じた上で「もし指令本部なき社会運動」想像した時、いつ誕生し時間といふ歴史がわからぬ宇宙同様、「わからない」不安に襲はれる。キリスト教で創世記が受け入れられるのは「白痴でもわかる」くらゐに「誕生の神話」が平易だから。よつて創世者や背後の黒幕が存在すると仮定すると収まりがよくなる。今回の運動でもかりに黒幕がゐるのだとすれば本土派・梁天琦かとなる。しかし、指令本部がないことは組織なないとはいへない。Flashmobが流行りだしたころに電脳界ではBitTorrentといふ科技が生まれた。ネット上のユーザーに依靠し核心がなくその技術はシェアされ変成して拡散される。ビットコインとも共通点は少なくない。その目的の一つは〈権力の中心〉といふ存在の弊病を軽減すること(リスク解消)で、これは「中心がなくユーザーに信託」でシステムが(まるで有機的に)運動する。香港の、この2ヶ月の運動を連登と Telegram 群組內の討論で見てゐると、この指令本部のない動きと相似する。大台はないがいくつもの小台が“peer to peer”で連動する。もしこの「逆権運動」に大台が存在すると無理に言ふなら、この「台」は一個人、一組織ではなく国家でもない。勿論「外国勢力の介入」といふことも可能だが、それは長年に渡る暴政の帰結(で出てくる憶測)。もし独立調査委員会を設立すれば、結論として今回の逆権運動の背後で指揮するのは「ネット上のプラットフォーム」だつたといふことが明らかになるかもしれない。……林行止を襲へるのは、この古勒馬かも知れない。だが英才で優れた筆致ながら、その正体は誰かわからず、もしかすると古勒馬自身もネット上の知性なのかも知れない。

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魚蛋は香港で気軽な小食でソウルフードだが魚蛋と名乗りながら魚のすり身ほとんど使はずウドン粉で、なかには魚の風味を化学調味料で味付けするやうなトンデモ食品もあり。魚のすり身のあの食感と風味を間違ひなく味はえるのがセブンイレブンの立ち食ひだとは。10粒でHK$14也。


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太古のMTR站にやつと英文のお詫びと事情説明が貼り出される。MTRもとんだとばっちりで叩かれてばかりだが一昨晩の元朗暴動一ヶ月でも抗議派の若者たちを現場から遠ざけるために臨時列車を運行し無賃乗車も不問、これだけするだけでも大したものだが今度はそれを人民日報が非難。MTRも味方しないといけない。

▼元朗站襲擊事件被捕其中兩人被控參與暴動罪、明天提堂……あれだけゐて28名が逮捕されて何故に起訴は2名なのか?警察は現場での現行犯ではなくMTRメディア等の映像だけが物的証拠にため判断が困難と言ひ訳 https://t.co/4YzH7b22pb

▼内地メディア 香港取材の自由に制限「取材現場で香港記者と検討を」と全人代法律委の主任委員。香港問題を何でも全人代で決めてしまふくせに、都合の悪いことは「香港で」かよ。香港で取材は就労、一国両制で、その許可(査証)もなく取材できるこ… https://t.co/HWuy7pcYTR