富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-06-30

農暦五月十七日。巷は今日から三連休。朝早く官邸で急ぎの仕事済ませ沙田。ミッションにて二名の方と一緒に羅湖へ。香港サイドから来たグループと集合して深圳へ。猛暑。新都酒店。丹桂軒にて昼餉。席を設けるといふので待つてゐたら、いきなりの貴賓室で食卓の他にソファもあり居心地佳し。二人の給仕がつきつきりで服務。ミッション済ませお連れの方たちに羅湖商業城を「こんなものですよ」とお見せして香港に戻ると午後四時前。大學站で一行と別れ下車。家人と落ち合ひ構内バスで大學中央へ。文物館。丁衍庸作品展。丁衍庸(1902–1978)は中国現代画代表する画家の一人。廣東省茂名縣に生まれ1919年、17歳で東渡日本。東京美術専門学校に西洋画学び1925年に帰国し上海へ。1029年から中国画を始め戦後は広東省立芸術専門学校の校長となるが中共成立に遇ひ香港へ。中文大學前身の新亞書院の芸術科にて強弁をとり中文大學へ。洒脱な画風。参観後、崇基学院から大学中央に移つて初めての日本研究学科へ。中央大学山田昌弘教授の講演「少子化問題のアジア的特徴について」拝聴。「こどもにつらい思いをさせたくない」。西欧が出産と育児を結婚と家庭から逸脱させ少子化から脱却させるのに対して依然として(自民党的に)結婚と出産、育児を女性に担わせようとする日本。少子化=高齢化で社会は移民受け入れしかないはずなのだが。女性が仕事を続けるにも厳しい日本人社会だが反面、男性も実は差別されてゐる、と思つたのは、かりに30歳で年収250万円で単身独居の人がゐた場合、女性なら「自立してゐる」と思はれるが男性だと「これで将来大丈夫か」と案じられること。いずれにせよ「住みづらい」社会で、それがイヤなら海外に出てしまふ。アタシも30年前に、実はその一人。そこで辿りついたのが、この大学だつたのだから。陽が暮れると高台にある大学はさすがに風も涼しい。大学中央から山の麓の大学站に下る構内バスは中大名物のBalylon by Busで実にファンキーな空間。東鐡で紅磡へ。紅磡から乗つた路線バスは実に見事なほど穏やかで安全、快適な運転をする老司機だつたが名は謝熱放といふ。珍しい名前だが「謝シテ熱ヲ放ツ」とは。炮台山。麺樂。野菜がじつにたつぷりの塩ラーメン。香港で豚骨以外のラーメンは貴重。帰宅して疲労にほゞ記憶なし。