富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-07-01

農暦五月十八日。日曜日。未明に起き机に凭る。早朝に官邸に戻り夕方まで仕事。今月(陽暦六月)まともに休日は二日のみで、いずれも沙田に競馬。銅鑼湾のHMWでJohn Coltraneの昨日世界同時発売だといふ幻の新譜“The Lost Album”あるかしら?と思つたら(楽曲はすでに今朝からApple Music配信のものをiPhoneで快適に聴いてゐる)欲しかつたのはマスターテイク7曲のLPだつたが在庫は別テイクを収録したボーナスディスク含むデラックスエディションの2枚組。コルトレーン絶頂期、1963年のマッコイ=タイナー、ジミー=ギャリソンとエルヴィン=ジョーンズのカルテット。入手しないわけにいかず。コルトレーンの(CDを除けば)アルバム買ふのなんて35年ぶりくらゐ。帰宅途中、ジムで一浴と思つたら通ひのジムのとなりにセブンイレブン開業。これはまずい。ビールが美味いだらう。帰宅して月曜以来の自宅での夕食はパスタ。テレビ東京で「池上彰の現代史を歩く」少し見る(睡魔に犯され冒頭のみ)。今日は7月1日で特集は「香港返還21年、自由はどうなったのか?」。冒頭から銅鑼湾書店跡地。2015年の店主誘拐のあの日、あの書店で見かけた大量に中共政治の本を求め「在庫なら倉庫に」と店員と話してゐた謎の大陸客のこと思ひ出す。番組では香港で中共政治批判の本はまるで出版・販売が困難のやうに紹介。確かに大手書店は、なにせ商務印書館、三聯書店に中華書局など中共資本なのだから反中共本など置けるわけもないが、コンビニの書架にすら大陸客に需要があるのか中共暴露本並んでゐるのが事実。銅鑼湾書店関係者が中共当局に連行されたのは反中共の出版物を中共国内に通販までしてゐたことが当局の逆鱗に触れたため。香港で反中共本を勝手に出版して売つてゐる分には「今のところ」まだ自由。また香港の一国二制度と「高度な自治」紹介する中で外交と軍事除く権限が中央から香港に与へられ「誰をリーダーにするか」や議会、法律の立法などは「ぜんぶ香港でしなさい」となつてゐると紹介。だが実際には行政長官の選定から議会工作、公安から国歌までの立法まで全てが中共によるもので「高度の自治」がどれだけ骨抜きにされてゐるか。と考へると今日の7月1日恒例の市民デモも意義、何を訴えるのか?は明確だが反発すれば反発するほど圧力がかゝり自治権など剥がされてゆくのが現実といふジレンマ。もはや諦めのやうにデモ等の市民運動から離脱する市民の多さも(雨傘以降は殊に)顕著なのも事実。

⇧リンテイゲツガ行政長官が施しのつもりで路上で物乞ひする老婆に恵んだカネがHK$500で、その老婆が普通話を話し、どう見ても大陸からの物乞渡航で不法だろ、と。それに行政長官が善意を見せ周囲には私服警官が配置されるが当然この老婆を連行もせず、反面、同じ警察が香港で路上で物売りする貧困者取り締まり老婆を連行してゐる、と。