富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-07-15

農暦六月廿二日。土曜日に官邸の執務室で書類整理のつもりが机の抽斗が整理されてゐないことふと気になり徹底的に抽斗の整理。きれいにはなつたが何をしに休日出勤してしたのか。午後遅く市街に出る。雨が降ったり歇んだり。香港にいくら長く住んでも慣れないのが建物に竹の足場組む高所での作業。高所恐怖症の私は見てるだけで目眩。建築家のU氏は「なまじ後打ちアンカーボルト*1のいい加減さが」と。目に入つた現場では珍しく左の職人は命綱つけてゐるが、まだ竹組みが低いので高さより命綱が長い。この竹組み職人は命かかつてゐるので日給悪くないが後継者不足のなかなかなか鯔背な、現場で一番イイ面構へで頼りになる若衆が多いのも江戸の火消し、鳶さん同様か。雨傘運動の時も前線に竹足場材満載したトラック横付けして「あっといふ間にバリケード組んでくれるのを見ちゃったら、やっぱり惚れぼれしますよ、アニキ!」とU氏。夕方にFCCで家人と待合せ早めの夕餉。バーのテレビモニタでは劉暁波氏が政府の支持通り火葬され遺灰は海に沈ませたこと報道。瀋陽市政府のスポークスマンと劉氏の兄が記者会見で兄は党政府の善意に謝辞とは何とも。この中共が求めた「死後即刻火葬、遺灰は大海に」は金正男さん殺害ではないが「死因隠蔽のため?」と思つたのは私だけぢゃあるまい。党政府は墓を設け人々の参拝を嫌ふと聞いてなるほどと思ふが墓は一ヶ所で墓参も必要なところ、これからは「海を見て中国民主化を願ふ」ことになるのか。

*1:木材や鋼材といった構造部材もしくは設備機器などを固定するために(香港の場合は専ら竹組みの足場を固定するために)コンクリートに埋め込んで使用するボルトのこと。