富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-06-03

農暦五月初九。土曜。会合あり午後まで仕事。枝豆、玉蜀黍、餃子。昨晩大酒呑み夜中に戻り4時間ほどの睡眠だつたのでさすがに眠い。井上寿一『理想だらけの戦時下日本』(ちくま新書)読む。戦前のファッショ体制=大政翼賛会と思ふが意外と複雑。立派な兵隊さん養成、強い国づくりのための国民子女の健康増進。スポーツと体育の区別。質実剛健たる明治天皇像。日の丸の法制化。宮城遥拝。それでも形骸化する精勤運動。割烹着姿の婦人らによる国防婦人会。愛国婦人会に非らず。国民運動としての初めての定着と成功。民草からの自然発生。内地の銃後から大陸への前線へ拡大する国防婦人会の活動。隣組。戦時下の消費促進。産業報国運動。労働組合の体制化。節約は家庭から。羽仁もと子も協力。日本精神讃美、八紘一宇……このあたりから体制翼賛へ一億総動員体制へ。西欧から共和制輸入しながら天皇の下で国民統合がされる独特の精神主義の国。著者は戦後の民主化がさうした体制翼賛体制へのアンチテーゼといふが戦後はそれでよかつたがポスト戦後の晋三の世になつて楽観的にさういへない時代になつた。


菅氏は語るに落ちた印象を拭えない。人事権で霞が関を掌握していると評判だったが、実態は信服や一体感から程遠い「恐怖支配」ではないのか。心配だ。私的な時間まで官邸に監視され、最高レベルの意向に逆らえば、前川氏のような目に遭いかねないと恐れる官僚たちは政権を全力で支えるだろうか。「共謀罪」法案への根強い反対は、民間人もいつ官僚たちと同じ目に遭うかという不安が根底にある。