富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-06-01

農暦五月初七。このところ朝の寝起きが早いどころか寝ても2時間くらゐで夜中に目覚めてしまひ眠れず。それでいて昼間眠いわけでもない。「天皇陛下の退位を実現するための特例法案」衆院議員運営委員会で全快一致で可決。皇室典範改正を主張した自由党は退席。共産党が「天皇陛下のお気持ち」に言及した文言の削除求め(これは真っ当な意見)それは否決。元々衆参両院議長の仕切りで各党の慮り、運営委員会での可決といふ稀、このまま衆院参院は恙無くこれを可決。菊のタブーは国政をも超越。全てが粛々と進むことが約束されたなか何も驚くこともないと割り切つてゐたが、この採決で自民党の何かと評判の悪い官房長官菅某が、この退位が今後「先例となり得る」と言及。あれほど「今上様に限り」にこだわつた「反天皇」の革新政権たる晋三が何ゆゑのこの譲歩なのかしら。天皇制をめぐる動きでは本当にわからないことが多い。テレビニュースが何も核心に触れぬなかTBSラジオ荻上チキ・セッション22(本日、放送業界のギャラクシー賞でラジオ部門大賞を受賞)が東大の石川先生(憲法学)ゲストで天皇制につきかなりつっこんだ考察。憲法天皇については摂政を置くことが明文化されてをり晋三らは天皇退位否定で摂政案だつたが摂政は「国事行為」については天皇の代替はできるが「象徴」たる天皇だからできる公的行為は摂政にはできぬこと。天皇は昨年8月のお言葉で災害地や旧戦地の慰問など象徴としての天皇のさうした行為について多くを語り、それが天皇しかできぬから自らが体力的にももはや象徴としての務め出来ぬとなつたときに退位を決意するしかない……といふ、この天皇の判断が政府の浅慮な「天皇は宮中で祈っていればいい」をどれだけ凌駕する考へぬかれた発想と理論武装であるか。なるほど。