富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

チェンマイ3日目

fookpaktsuen2017-01-03

農暦十二月初六。薄曇り。目はまだ赤目の上に右目にも赤目が感染つたが少なくても痛みや腫れ、それに視界は狭まらず。昨日ほど暑くもなく市中漫ろ歩きチェンマイ大学まで。大学図書館。城内に昼すぎに還ると待合せ場所(三人の王子の像)に行く途中で地図を見てゐた家人に声かけられる。それくらゐ狭い市街。家人がカオソーイの有名店があるといふので訪れたのがSirichai といふ食肆で正式名称はข้าวมันไก่ ข้าวซอย ร้านศิริชัย ศาลากลางเก่าอนุสาวรีย์สามกษัตริย์といふらしい。王様の名前でもバンコクの正式名称でも寿限無のやうに長いタイ語だが、この店の名はチキンライスショップカオソーイシリチャイ旧市庁舎三人の王の記念像となる。店の名はチキンライスなのでカオソーイとチキンライスも頬張る。ホテルまででれでれと裏道を散歩。ジムのサウナ。夕方にソンテウでワローロット市場。ピン川を歩道橋で渡りブッティクなど並ぶCharoen Rajd Rdに出る。Sop Moei Artsといふカレン族の村の布製品扱ふ店で家人が買ひ物。通りの向かひの細い路地をピン川の方に下るとท่าน้ำต้นกุ่ม(Ton Goom River Front)といふリバーサイドレストランといふには苫屋の食肆あり。そも/\ピン川なんて、ほんと薄汚れた川で、その川沿ひにこの周辺だといくつか飲食店が並んでゐる。宮本輝の泥の河に出てくる「なには食堂」が地元の若者や観光客のスポットになつてゐる感じ。おかしな話。チェンマイぢたいお寺、お寺の数より多い按摩屋、ゲストハウスばかりで、そこになぜ観光客が集まつてくるのか不思議で、何もないといへば何もなく、ただぼーっとするだけ。有閑を決めこむならプーケットとか、もつと山あひのブルマ国境とか選べるのに、市街は自動車の排気ガス汚染で空気もひどく、埃っぽいチェンマイのどこが人を魅了するのか。さういひつゝアタシだつて5度目。歩いてホテルまで還る途中、州知事公邸のCharoen Prathetといふ通り、かなり歓楽街の印象あつたが今でも飲み屋点在するがあまりの人出のなさ。十年ほど前には日本人相手の卡拉OKとかも並んでゐた記憶。ホテルに還るとまだ夜八時。ジムのサウナ。村上春樹1Q84』の前編2〜3巻読了し(といつても半分くらゐは流し読み)後編1の途中まで読み深更にやつと寝入る。前編はハルキ作品にしてはアタシとしてはエンターテイメント作品として面白くも読めたが後半に入りホテルオークラでの劇的な出来事が済んでしまふと(この章はかなりの筆致である)リトルピープルなる者たちが現れ「ほうほう」「へいへい」あたりからはアタシにとつては「あ、ハルキワールドの始まり」で一寸苦手。
▼皇后さま昨年1月のフィリピン訪問で読まれた御歌
許し得ぬを許せし人の名と共にモンテンルパを心に刻む
そして熊本の被災地
ためらひつゝさあれども行く傍らに立たむと君のひたに思せば