富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-12-18

農暦十一月二十日。快晴。Kardoorie兄弟記念レースは今年で22回目。昨年は申し込んでゐたつもりが未登録に前日気づき参加できず。今年は申し込みはしてゐたが風邪のこの体調でどうしやうかと思つた熱があるわけでもなく身体が怠いだけで家でうだうだしてゐても気分も晴れぬかと家人と久々の山行きとなる。バスと電車乗り継ぎ大埔。緑タクシーでKadoorie農場。いつもの如く二百人ほどの参加者集まり標高620mを目指す。5.3kmだがきついのは毎年のこと。50分くらゐで済ませたこともあつたが1時間かゝる。ゴールすると完走記念でくれるTシャツがなか/\センスがよい。以前は完走記念=Tシャツだつたが最近は化学繊維のランニングシャツばかり(こちらのほうがコストが低い)。このカードリーのTは家人お気に入りで、これをあげると喜ばれるので走る。送迎バスに乗らず家人と山肌の農園、渓流に沿つて縫ふやうに下山。大埔行きのバスに乗り太和の平安里といふバス停で下車。適当に入つた食堂が客家料理供してかなり美味。常相聚小廚。大埔中心まで歩き湾仔行きの307番のバスに乗るつもりが観塘碼頭行きの74Xが来て爆睡のうちに観塘へ。北角へフェリーで渡るつもりが、ちょうど出たところで1時間待ち。かつては30分に1本だつたが啓徳に郵輪碼頭(クルーズターミナル)できたことで北角〜啓徳のフェリーも開業したところ乗客少なく不発で今月から北角〜観塘のフェリーが啓徳経由となり、しかも週末は1時間に1本と不便に。家人の機転で慌てゝ公衆碼頭に行くと観塘〜西湾河のフェリーは30分に1本で、それなりに盛況。西湾河の乗り場は懐古趣味でかなりレトロな雰囲気もなかなか。さすがに身体が疲れて、そりゃさうだ、ジョギングすらしてをらず今日のレースなのだから晩まで横になる。NHK大河ドラマ真田丸』最終回。ドラマなので史実云々をいふのは野暮。それでも最後、ナレーションで「真田信之松代藩初代藩主となり……松代真田家が幕末に幕府瓦解につながる思想家佐久間象山を輩出することは、当時は誰も……」で終はるのだが、ってかなり突飛、短絡的すぎないか。象山も確かに松代藩士で藩主の相談役にもなつてゐたが、蛇足。
▼岩波『世界』十一月号読む。築地市場豊洲移転について森山高至(建築エコノミスト)と中澤誠(東京中央市労働組合執行委員長)の築地再評価についての対談は興味深い。そして天皇退位についてケネス=ルオフ「遅すぎた退位論議」。このまゝ時が過ぎた場合に皇太子にとつては自分の娘(愛子)が降嫁し皇族の地位失ふのに対して甥の悠仁天皇としての振る舞ひ方を授けるといふジレンマなど誰も皇太子の苦しみを理解する方向へと進んでゐない。なぜ日本の論壇の最右派たちが皇太子妃雅子を嫌ひ彼女をしつかりと支へてゐる皇太子のことを嫌ふいのか。徳仁(皇太子)に替へ秋篠宮天皇にといふ主張か。いずれにせよ後継者がゐなければ悠仁親王は孤立状態に陥るし悠仁親王が後継者をもうける前に事故や病気で亡くなつたら、或いは女性と結婚せず別種の関係を好んだら、また女性と結婚しても子どもができず子どもを授かっても男子でなかつたら……どうするのか、と。日本ではマスコミもLGBTなんて浮かれてはゐるが天皇制について「もし皇室の唯一の嫡男がゲイだつたら」なんて議論はできもせず。可能性としてはゼロではないのに。