富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

泰山馬六甲に遊ぶ

fookpaktsuen2016-08-05

農暦七月初三。旅の荷造りもあり珍しく半夜三更過ぎ寝たのは午前1時だつたが4時半には目覚めてしまひ朝6時には中環站からエアポートエクスプレスで家人と空港へ。冷房対策のストール忘れたが無印開店は7時まで待てず出境してラウンジ。小さなクロワッサンとエスプレッソ。シャワー設備ありで朝シャンできてw朝酒にほろ酔ひ。CX723便で一路、KLへ。A330-300でregionalのCとPremium Yは乗つてゐるが、通常のCは2012年導入で今回が初めて。それ以前のCはシェル型で好きだつたが、このタイプは一人で成田便で乗つた家人から絶対に勧められない、新聞を広げて読めないくらい(まだ当時は新聞は紙で読むものだつた)シートの幅が狭くて何よりすぐ横の壁面が……と話があり、その年の12月の香港国際競馬でCXがスポンサーだつたから競馬場内の馬会会員ロビーにも新型キャビンのモデル展示あり坐つてみるとなるほど狭い18.5吋幅。それ以来、普通の飛行機乗りならCでも短中距離便仕様のregionalなら「えっ、regionalなの?」で避けるところCXについてはCなら20.2吋幅のregionalを選ぶやうになり19.5幅のPremium Yの導入でCより幅広なら、これを選ぶ方が正解。この世界一座席幅の狭い?Cクラスが「SQに比べたらまったく……」と不評でCXも今年になり新型導入となつたが、それでも20.2吋ではダメでせう。『週間読書人』1ヶ月分ほど読み(夏恒例の文庫本特集で豊崎由美といふ書評家が凄い)居眠りのうちに2年余ぶりのマレーシア。着陸してゲートに接岸の前、須磨帆を開くと最初に飛び込んできたニュースはリオ五輪の蹴球予選で日本がナイジェリアに4-5で惜敗。昨晩見てゐたNHKのNW9で現地で試合に向け入念なトレーニング重ねる日本、何より心配は予選相手のナイジェリア隊が試合開始24時間前の今も米国はアトランタの空港にゐて、予定のフライトが手続きミスで登場できず選手らは今、空港でゲートイン、これで試合に間に合ふのか、間に合つても体調整へられず大丈夫なのか、とNHKは解説者も勝者目線で言ひたい放題だから「これでナイジェリアが勝つたら最高なのに」と言つてゐたら本当にさうなるとは。ナイジェリアチーム、大したもの。ゲートを出ると芸能人の「出待ち」のファン女性たちカメラ構へ五、六名。アタシらのフライトに乗つて来るスター出迎へるため少し早い便で到着してゲートで待機してゐた由。素晴らしいファン根性。到着にしてはやたらと土産物屋の多い十字型のサテライトターミナルから入国審査のある本棟に渡るアエロトレインの中でも、この芸能人の男性と親しげに話をしてもらひながら写真撮りまくり。芸人もファンサービスは大変だが、このワンフのジョーカノたち、香港から来たこの芸人と広東語で話してゐるし香港からだとしたら今日のKL行きのフライトはアタシらのCX便が始発、いつたいだうやつて来たのかしら。下手したら前晩の深夜着便で来てターミナル内で徹夜してゐたのか。大したもの。預けた荷物受け取りバスターミナルから13時発のマラッカ行きバスに最後の乗客で滑り込み。1-2配列で最後尾のシートも椅子がリクライニングでフットレストもあり快適。CXのCよりバスの方がシートが楽だなんて。予想はしてゐたが猛烈な冷房。送風口を閉めても冷気が漏れる。最後尾で座席が高い分、余計に冷房が直接当たる。旅の必需品たる養生テープはトランクに入れたまゝで預けてしまひポストイット、それでは風力に負けバンドエイドまで使つて寒さ対策。マレーシアのどこまでもゴムなどの植林のなかを高速道路が走る単調な風景。KLの空港からマラッカ海峡に沿つて南下できれば直線距離で80kmほどだが、そんなハイウェイどころか幹線道路もなく一旦、KLのほうに向かひマレー半島を縦断する中央幹線を抜けるので空港出てから2時間でマラッカ郊外にあるバスターミナル・セントラルマラカに着く。この快適なバスがRM35(約850円)。ターミナルで家人が近くのモールにあるタイの薬局に寄りたいといふのでターミナルの食堂で茘枝のジュース飲み日記書き。タクシーで市街へ。ターミナルに乗り入れるバジェットタクシーは定額だといはれ市街までRM20は旅行客相手の上乗せか?と思つたらホテルで尋ねると相場の由。とても良心的な運転手でマレーシアだから英語であれこれ説明も内容が深い。

The Majestic Malacca(大華旅社)に到着。マラッカでは最高級のブティックホテルだといふが部屋は凝つてゐるやうで想像より設へに難あり。まぁ快適は快適な部類。旅荷を片付け夕方、市街漫歩。Jln Laksamana(インド人街)から市中心に入りマラッカ川(といふか運河)を渡り所謂チャイナタウンへ。Jln Hang Jebat(Jonker街)は明るい内から旅行客相手の店々が路上に並び安っぽい土産や食べ物を売り旅行客多し。一軒それなりにセンスの良いエスニックな洋装店見つけ寒さ対策でストール一張贖ふ。旅行中はほとんど買ひ物せぬが別な店でコットンのシャツも一枚。路上の屋台の評判の肆で叻沙。夕暮れが美しい。屋台の榴槤売りで猫山王(Musang King)頬張る。1kgがRM45で小ぶりで0.8kgだが他の品種に比べると倍近く高い。深い甘み。Jonker街から一本道を外れると閑静さ漂ふ。運河沿ひの歩道には旅行客相手のカフェが路上に椅子を並べ啤酒飲み涼をとる客。チャイナタウンの北側のほうは金曜夜も静かなもので新云河茶餐室といふ食堂で評判らしい蠔煎を食し啤酒を飲む。典型的な福建系の打冷。日本人とわかり女将は家人に「カワイイ」などとお世辞。何故、中国語を話せるの?の女将。香港から来て家人は広東語しかわからない、といふと帳場の傍に坐つてゐた先代の老女将が達者な広東語であれこれ話し始める。二人で旅行してゐるといふと「早く子ども産まないと」と老婆。家人のことをいつたいいくつだと思つてゐるのか、呆けてゐるのか。Jln Bunga Rayaの通りは地場の非観光系の商店街で立派な店もいくつか。路地の屋台も美味そうで、何より呼び込みの人懐こさに親しみがもてる。マラッカ1日目が終はる。