富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

明日の参院選は晋三の「この道」への信任投票

fookpaktsuen2016-07-09

農暦六月初六。台湾襲つた台風の影響で昨日から風がなく朦霧。そこを強烈な太陽が炒つて今日の気温は尖沙咀天文台で摂氏35.6度を記録。1968年の35.7度が最高気温記録ださうでほゞそれ並み。香港といふとイメージでは南洋の猛暑だが実際には夏も気温は高くても摂氏32度くらゐで日本の夏のほうがずっと暑い。市街は実際には摂氏37度。新界に所用あり昼過ぎに沙田のNew Town Plaza抜けると酷暑で外にはゐられず、で芋を洗ふどころか通行不能なほどの人出。中環。The LandmarkのHackett商店で朱色の千鳥柄の蝶ネクタイ贖ふ。FCCに涼む。ヘミングウェイ宜しくSugerlessでFrozen Daiquiri飲もうと思つたら馴染みの給仕に「ハイボール、氷なしで」と年押され否定できず。二杯目にダイキリ。帰宅してマカオソウル風に叉焼に生野菜添へて、赤ワインで夕食。叉焼は柴湾の眞好味燒臘。晩に凄まじい雷雨となる。
▼明日が参院選挙。もはや2/3に届くか届かないか、の自公その他圧勝。もはやかうなると、代々木にも言いたいことはいくらでもある、が今回一番インパクト与えるのは共産党の躍進でしょ。新聞は参院ネタ掲載してもネット上での分析だと読者にあまり読まれてゐないさう。マスコミが良心で書けば書くほど「偏向してる」と思ふ民草の多さ。晋三の思うツボ、あんな思慮浅き自民党総裁なのに。そこでかなり骨太の論説に目からウロコである。毎日新聞の倉重篤郎・論説委員の「記者の目」よりこちら)。

安倍晋三首相は「この道しかない」と言う。「まだ道半ば」だとも言う。そのたびにうさん臭さを感じる。「この道」以外にも適切な道があると思うし、目標に到達できないことを「道半ば」と言い訳している。何よりも戦後歩んできた道とはあまりに異なる。あなた任せでリスクも高すぎる。この道を引き返そう。参院選はその好機にしたい。(略)
「この道」にはいずれもアラが見えてきた。しかも、それは戦後日本政治の基本(外交・安保では専守防衛、経済・財政では財政健全化)路線を大きく逸脱し、自主独立、自己責任とは全く裏腹に、恥じることもなく徹底的に他者(外交・安保では米国、経済・財政では次世代)に依存する道である。リスクについては先に述べた。
参院選政権交代選挙ではない。だから、安倍政権の「この道」への賛否表明だけで、十分投票の意義はある。この道にブレーキをかけ、それに代わる道の議論が、与野党内で活性化することを期待する。それを政策として構築し、問うのは次の衆院選となる。

これをわかりやすく訴へてゐるのがSEALDsのサイトで水上貴央・弁護士(こちら)。
(1) 安定を求めるなら、その選択肢は間違いです。今回政権与党に勝たせたら、憲法憲法じゃないものに変えられる、という激変中の激変が生じる可能性が、無視できない大きな可能性として存在します。
(2) 今回、あなたが野党に入れて、野党が勝っても、政権交代は起きません。そもそも衆議院選挙じゃないですから、政権選択の選挙ではありません。当然、経済政策等が劇的に変わることはありません。むしろ、たいした変化は起きないのです。
(3) 民進党が信用できなくても、共産党が怖くても(私は実際どうなのかは知りませんが)、そんなことははっきり言ってどうでもいいのです。彼らが今回ちょっと勝ったって、どうせ与党になるわけではないのですから。いま重要なことは、現在の政権与党を今回勝たせたら、日本が立憲民主主義の国でなくなるかもしれないということです。
(4) わかりやすくデフォルメして言えば、あなたが共産党に投票しても日本が共産主義の国になる可能性はゼロですが、あなたが自民党その他の改憲勢力と言われる人たちに投票すると、日本が立憲民主主義の国でなくなる可能性が、現実的危険として生じます。
(5) 今回野党が勝つとどうなるか、その場合の変化は、むしろ自民党の中に生じます。自民党の中で、本当はあんな改憲草案は憲法じゃないよねと思っている人たち。日本は、分厚い中間層をしっかりと回復させながら内需主導の経済を確立し、自由で民主的な国としてしっかり国際社会の信頼を確保していかないとね、と思っている人たちが、ついに意見を言い始めます。
(6) あなたが信頼し、国際情勢が不安定な時には安定感を求めて応援したいと思う自民党って、むしろ、そっちの人たちじゃないですか?あなたが今の自民党に投票することって、そういう懐の深い保守政党だった自民党の息の根を止めることになりませんか?
(7) ちまたで、今回ばかりは野党に、という声が出始めているのは、つまりそういうことです。今回ばかりは「新しい判断」が必要です。
もちろん、投票行動は、それぞれの判断です。ただ、少なくとも、選挙には行きましょう!絶対に行きましょう!
とこゝまで書いても伝はらないのかしら。「この人たちは偏つてゐる」と思ふ偏つてゐる民草たち。洗脳されたわけでもなく、ただ粛々と災害の〈無常〉の絆を内面化して共有してゐる民草たちには何も通じない。