農暦六月三日。新聞各紙が自民党過半数、改憲賛成で3分の2と報じてゐる。これで「それはヤヴァい」と無党派層や棄権民が挙って反自公に票を投ずるか、といふとそれはないらしい。「安倍政権の暴走を許すな」とは思ふ有権者は多くても、それが政権交代には直接は結びつかず。かりに自民党負けても代はる政権党がダメなのは明白、でまた自民党になるのだろ、といふ「民主党政権交代ショック」あり。せめてもの縛りは「安倍政権での憲法改正」反対が多数で、そこまではさせない。そこさへ守れれば大丈夫、といふ意識がどこかある。政治評論家の森田実氏のコメント(毎日新聞、こちら)が実に的を得てゐる。
率直に言ってね、安倍首相も自民党も憲法改正を叫ぶのをやめたら攻撃されるから。結党以来の党是だからやるやる、と。だから叫ぶのはやめないんだけど、実際には国民投票はできない、と思っているんですよ。国民投票をやったら負けますから。負けるというのは、その内閣が吹っ飛ぶようなものではないんですよ。つま、55年以来の自民党の歴史そのものが否定されるわけです。できません、これ怖くって。
安倍さんはこれまで、そこに気づかなかったから騒いできたんですよ。また米国もかつては(日本の)憲法改正を認めようとしなかったけれども、ある時点から改正がプラスになると考えるようになった。でも、9条を改正する国民投票は(改憲派が)負ける可能性があるんです。
だから私は「自民党憲法草案でやりましょうよ」と言っている。否決してしまえば55年以来の自民党の歴史まで全部吹っ飛び、憲法改正を主張していた人たちが表に出て大きなことを言えなくなるわけですよ。もう日本の政治が根本的に変わっちゃいます。現時点で、5、10年の先を考えてみても、憲法9条を改正するという投票が勝てるわけがありませんよ。そこが見えていない。彼らが今回の選挙で3分の2を取れたとしても……私は3分の2を取れないと思うけれども……いざ憲法改正へ動こうとしても、公明党が乗るはずがない。(公明は)黙っているだけですから。
それから「内閣総理大臣が発議できない」ということまで(各党首討論の場で公明党は)安倍首相の隣で言っているわけでしょ。内閣として憲法の発議はできないんですよ。自民党ができるだけですから。しかし自民党だけで発議して負けたら歴史そのものから吹っ飛ばされるわけですから僕はできないと思いますよ。改憲派が78議席を取ることになれば3分の2になって大変だ、大変だと騒がれているけれども、実はそんなに説得力のある議論ではないんですよ。
公明党の中にも憲法改正論者はいるんですよ。しかしそれは3分の1ほどです。いざ憲法改正をやるとなったら、賛成しない人は3分の2いますからね。
▼歌舞伎で澤瀉屋の市川月乃助が新派で二代目喜多村緑郎襲名の由。浅草で水谷八重子と波野久里子が添つてのお練り。良重がもう喜壽、久里子が古稀とは。八重子(初代)亡くなつたのが七十四歳。
@fookpaktsuen: 米国が2009〜15年でパキスタン、リビア、イエメン、ソマリア等で473回の無人機による空襲を行い2500人ほどの武装分子を殺害した際に64〜116人の一般市民も巻き添えに。シリア、イラクやアフガンなど戦区空襲での死亡者数はこれに含まず。ISやアルカイダ以上に何が怖いって米国だ。
@fookpaktsuen: 「日本には断る術なかった」山崎拓さんが語るイラク戦争:朝日新聞 URL 要するに対米追随外交でした。問題なのは、日本の外交は国連中心主義よりも日米同盟堅持の方が優位にあることです。