富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-06-07

農暦五月初三。ほんの少し涼しくなつて気温は摂氏30度下回る。少し早く帰宅できたが夏バテでジムまで行く気すらせず早酒。
▼デニス何韻詩といへば香港の知性派歌手。デニスの2014年の雨傘運動で路上座り込み、今年5月には大阪で訪日中のダライラマに会つたりといふ行動が中共的には反政府、国家分裂的に映る。化粧品大手のL’Oreal参加のLancômeは彼女をイメージキャラに採用してゐたが中共の環球時報がそれを揶揄したところ、中国での商売に危惧感じたLancômeが自社がスポンサーになつてゐた何韻詩のコンサートを安全上の理由として開催取り消し。L’OrealとLancômeに抗議で不買運動となる。それより攻撃先は中共だろうが。
朝日新聞の連載(憲法を考える)で生存権について神野直彦東京大学名誉教授(こちら)。

金銭で補填する型の社会保障が限界に達したのです。それは世界でお金の流れが変わったからです。福祉の財源を集め、必要な人に配分するためには、まず、豊かな人に税金をかけて、貧しい人に給付しなければなりません。お金の流れを国境で管理することが不可欠です。
戦後長く、米国のドルを中心に固定相場が維持されるブレトンウッズ体制の下、お金の動きは国境の内側で統制されましたが、70年代後半に体制を支えてきた米国経済にかげりが出て、一気にお金がボーダーを越えて取引されるようになりました。この結果、税金を払って福祉の資金を支えてきたお金持ちたちが、より税金の安い国に資産を移す現象が進んだのです。
所得や消費、資産に応じて税金を負担する割合である租税負担率が高い国は経済成長しにくくなる一方、日本のような低い国が成長する時期が一時はありました。しかし、負担が低ければ、結局は財源を国債増発で賄うか、福祉の水準を切り下げるしかありません。その行き着いた先が、財政赤字にあえぐ今の日本です。