富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

台湾宜蘭礁溪

fookpaktsuen2016-03-30

農暦二月廿二日。朝七時に陋宅発ち歌人とタクシーで中環站。目の前のタクシーから旧知のQ姐夫妻が荷物下ろしてゐる。清明節に合はせ台中に帰省の由。華信航空が台中や台南にも飛んでゐる。預け荷物なければ台北行き一つ前のフライトに乗れたが時間切れ。Airport Expressで空港。復活祭連休明けだといふのに観光客で混雑。ラウンジで朝食済ませCX450便で一路、台北。1年ぶり。桃園空港の施設改善大したもので乗換客用のサービスカウンターとラウンジが立派。成田第2と似たワークステーションなど航空会社ラウンジと遜色なし。桃園空港名物の入境審査も預け荷物受け取りも迅速で正午過ぎには台北行きリムジンバスに乗る。台北車站。礁溪行きの列車は13:30の区間車(鈍行)あるが2時間かゝり優等列車は15:54発の自強号、礁溪は止まらぬが宜蘭行きで良ければ14:30に普悠瑪(プユマ)号あるといふ。鉄道はあきらめ臺北轉運站(バスターミナル)から葛瑪蘭汽車客運で13:30発の羅東行きのバスに乗る。台北市街から山間を抜けるトンネルの多い5号幹線を走り45分ほどで礁溪着。町外れの轉運站から歩いて礁溪車站。気温は摂氏28度で夏のやう。朝はセーターにマフラーしてゐたのにTシャツ1枚で汗をかくほど。明日の鉄道の切符入手して市街の中冠礁溪大飯店といふベタな温泉観光ホテルに投宿。下榻。午後遅くに礁溪溫泉公園の森林風呂(露天風呂)に浸かる。平日の夕方でまったり。西陽が露天風呂の施設を美しく照らす。湯に心まで洗はれた気分。さっぱり。温泉町の町内漫歩。あちこちに公共の足湯あり。宜蘭礁溪郷公所と礁溪戶政事務所といふ公共建築としては常識外れで奇抜な、鉄筋コンクリートの斬新だがどこか有機的で生体のやうな建物を眺める。黃聲遠の設計(田中央聯合建築事務所、こちら)。建築設計が風土と住民の生活に根付いてゐること。日暮れ。柯氏蔥油餅。数名が並んでゐるが店員が客に「何枚?」と尋ねて何か、と思へば売れ切れ寸前。戶政事務所前のベンチで蔥油餅頬張りながらあらためて建物を拝む。中山路も行灯に火が入り夜の賑はひ。名店「鴨不倒」で鴨肉麵と鴨肉飯。飲酒謝絶な食肆。亭主のまぁ愛想のいゝこと。徳陽宮傍らの八寶冬粉でと炸醤麺と魯肉飯頬張る。昭和の日本のやうな夜の明るさよ。


台北では4歳の女の子が路上で発狂した男に親の目の前で殺害され捷運(地下鉄)站でもムシャクシャして警察に危害加へたいと思つた男が鉄道警察官に危害加へ「社会不安」。かうした事件で7年で十件以上発生してゐるがISやアルカイーダ等のテロとも関係なければ、かうした発狂事件に解決の方法はない、と陶傑(こちら)。それでも総統就任待つ蔡英文がこの母親に送ったメッセージの

您的呼籲,我都聽見了。我們的社會出了問題,我們的社會也受了傷。我不會只有心痛與不捨,我也不會只有憤怒。憤怒之後該做什麼,我已經有我的答案。我們的社會安全網,有很多破洞。我的責任,就是讓每一個可能掉出這張網外的邊緣人,都可以被這張網接住,接受公平的教育,擁有穩定的工作,過著正常的生活。

といふ発言は心強いものあり。本日、馬英九総統と蔡英文の総統引継ぎトップ会談あり。年金、外交、教育、南シナ海領有権、資源といつた問題は中華民国=台湾としての「国のかたち」があり、これは国民党から民進党に政権移譲しても不変。外交に関しては会談内容は国家機密として発表なし。いずれにせよ「憲政」といふフォーメーションの維持が基本。日本には乏しいその意識で学ぶべきところ多し。
▼晋三動静(29日)午後7時28分 東京・六本木のステーキ店「ウルフギャング・ステーキハウス」。長谷川栄一首相補佐官、秘書官らと食事。……知りたいのは何処で誰と、だけでなくステーキ屋で何を食べたのか、ステーキをペロリと平らげたのか、だ。
▼「欧米に比べ日本の俳優には社会的発言が少ない?スポンサーとの関係性という、海外にはないしくみの違いはあるでしょう。それと、世間もメディアも我々に社会的、政治的発言を求めていない側面もある。この島国では残念ながら、個人が自由に発言できる状況にはないのが現実だと思います」と俳優の佐藤浩市東京新聞こち特のデスクで田原牧曰く
「日本を取り戻す」という標語が耳に入るようになって以来、随分を日本を売り払ってきたと感じる。平和主義のブランドもそうだ。中東の友人から「つまらない国になってきた」と言われたこともある。目先のカネに走ったり「普通の国」になることで失ったもの。その価値の大きさは計り知れない。
オバマ大統領のキューバ訪問。その演説に「口先だけの甘い言葉にあふれたもの」とキューバフィデル・カストロ国家評議会議長(89)。米国の過去の対キューバ政策の謝罪もなく、オバマの「過去を忘れ未来を見据えよう」のコメントに「我々は心筋梗塞を起こすかと思った」と弁舌衰えず。