富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

「絆」「頑張ろう日本」「負けるな」

fookpaktsuen2016-03-26

農暦二月十八日。晴。朝九時前に家人と中環。陸羽茶室。雅加達M女史と四方山話とはとてもいへぬ裏ネタで鼎談。休日で十時近くなると混み始め賑やか。身なりといふか雰囲気で微妙に客を大堂と楼上に捌くのが見事。今朝は一組前の旅行客が楼上に遣られた後だつたが慇懃に大堂に誘なはれる。連休中だが官邸で書類整理。早晩に太古のCityplazaで買ひ物して帰宅。ドバイ国際競馬。松永厩舎のラニがUREダービー日本馬初勝利で始まる。ユウチェンジもモレイア騎手で3着。Al Quozスプリントは馬主W氏のNot Listenin'tomeが参戦で応援するが8着(優勝は豪州のBuffering)。続くゴールデンシャヒーン(ダート1,200m)はデットーリ騎手でDomineer(香港で3番人気)選ぶがMuarrab強すぎ。ドバイターフ(1,800m)は私にしては珍しく日本馬応援でリアルスティール(R.ムーア騎手)にしたらG1初勝利。香港では5番人気の10倍で今日はこれで勝ち越し。シーマクラシック(2,400m)は昨年12月の香港ヴァース優勝のHighland Reelに御礼応援したが4着。1番人気のPostponedが敵なしで優勝。デュラメンテとラストインパクトが2、3着と奮闘。ドバイワールドカップCalifornia Chromeで人気ではFrostedが追ふ状況でアタシはなぜかMubtaahijとしたのSoumillon騎手頼み、香港で7番人気の22倍で半ば諦めレース観戦の深夜1時すぎ、レース引っ張りダメか、と思へたが踏ん張つてCalifornia Chromeに次いでの二着。複勝買つておけば……の5倍。
▼パリに続きブリュッセルでのテロも「民主主義社会への挑戦だ」とか、さういふ一辺倒な見方にうんざりの毎日。どの新聞だつたか

「絆」「頑張ろう日本」「負けるな」……東日本大震災の直後から復興に向けて国民の一体化を促すようなスローガンが多く生まれた。だが過酷な大変をした被災者には外側から繰り返される掛け声に違和感を抱いた人も少なくない。

といふ一行があつた。その通り。中西寛教授(京大)は暫く前の毎日新聞だつたかで「東日本大震災から5年」で書いてゐる。破壊の跡は多くの被災地からぬぐい去られ土地が整備され場所によつては道路や港湾、防潮堤など大型のインフラ整備建造進む一方で人々の住ひや街並といつた生活空間再建には至つてゐない。なぜか。民主党は震災直後に「創造的再建」謳つたがすでに政権指導力失ひ被災者は日々の生活困難に苛立つばかり。この民主党への反感から政権に復帰の晋三は「日本を取り戻す」をスローガンに復旧復興をアベノミクスに加へインフラ投資。もうこれで終はりなのか。「被災地の風景は我々に日本という国に住まう人々と大地を見つめ考えるという課題から目を逸らしてはならないことを語りかけている」のだが、高齢化での医療や社会保障でのニーズや全国的な人手不足での産業基盤弱体化は震災前から東北に限らず日本のローカル地方全体の課題で創造的復興はさうした問題を正面から見据ゑる必要あつたが実際の政策過程では選挙勝利優先する政治家、予算増やしたい官庁、自治体や業界によつて、さうした創造は傍に置かれ戦後の高度成長彷彿させる投資政策となつた、と。