富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-03-02

正月廿四日。晴。体調はかなり快方に向かふがインフルエンザといふことで世間から疎んじられ陋宅書室にて仕事。リモートオフィスとか呼ぶが植木等だつてクレージー映画で喫茶店の赤電話で仕事してゐたわけで(香港クレージー作戦 1963年)それが携帯とメールになつだだけ。午後遅くC医師の診療所に赴く。流感で診療の客多し。一昨日処方された薬で翌朝には平熱、風邪の諸症状も失せた、といふと明日から社会復帰可と診断書認ためてくれる。これがないと出入り御免の組織少なからず聞いた話では某日系銀行では一週間勤務停止ださうで浦山しい。インフルエンザ、といふとテロかISのやうに「えっ!」といはれるが「流感で」といふと日本人の反応が鈍いのはなぜ?おかしな話。晩8時に教育局がインフルエンザ感染者増で明日から学校で児童生徒の体温チェックなど警戒強める通達が出る。今回の通達では発熱が収まったら最低2日置いて復学を、ださうで発熱は口径の検温だと37.5度、耳だと38度が基準。保護者に子どもの健康管理の学校からの奨励と学校で集団感染してゐる場合の措置は義務づけで香港政府の教育局が出すが、学校の校門で検温奨励は政府衛生局の外郭団体たる衛生防護センターが出すといふ微妙なニュアンスの違ひ。
▼落語で当代・三平師匠の噺は聴いたことがないが祖父の故七代目正蔵創作の所謂「国策落語」の一つ「出征祝」を70年ぶりに口演の由(東京新聞こちら)。「戦争を肯定するためのツールだった演目。今の時代だからこそ戦争賛美の噺に観客は抵抗を感じると思うし国のあり方を考えるフィールドになるのでは」と。「今の時代だからこそ」である、ご立派。
毎日新聞飯尾潤教授(政策研究大学院大学)震災復興5年でのコメント。直接の被害額(17兆円)に対して26兆円が投入された復興計画、だがいまだに仮設に暮らす人々も多し。これについて飯尾教授は高台移転の問題を指摘。海と一緒に暮らしてきた人々が海と切り離される点では海も見えなくなる巨大なコンクリート堤防も一緒。結局のところ土建政治

ビルマで国会が10日から大統領選出手続きを決定。スーチー女史の家族の国籍問題云々の調整も図られたが国軍が難色示し時間切れ。軍政と聞くとビルマも、そしてタイも情勢不安定で何か悪いものといふ印象もあるが国軍がなぜそこまでして国政を掌握するか、は単に権力欲ではなくビルマでもタイでも国軍指導者が独裁的権力にはならない現実からしても国軍にしてみれば「さうせざるを得ぬ」判断あり。タイの場合は(これ以上書くと叱られるが)想定される国難を乗り越へるため民政回復遅らせてゐるのだらうしビルマかてスーチー女史をただ民主の希望と崇めてはゐられないのかしら。