富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

兔兔子個我客

fookpaktsuen2016-01-26

農暦十二月十七日。今日は気温摂氏10度になつたが建物が冷え切ってゐて室内は寒い。晩に帰宅してジンジャーワイン1:ウヰスキー2:お湯1で暖をとる。文藝春秋二月号読む。ここ数日は湯湯婆抱いて寝る。
▼久が原T君、新国立劇場オペラ〈魔笛〉に向かふ途中、京王線のつつじが丘の駅表示で中国語で「杜鵑丘」とあり。T君ふと疑問。ツツジ躑躅(ていちょく)が漢土では杜鵑(とけん、和語に宛てるとホトトギス)に当たるものか、と。これアタシも台風の国際名称(こちら、86番目)にDujuan=杜鵑がツツジで「ん?」と思つたが、調べると中国語でツツジ躑躅の別字でツツジホトトギスの季節が一緒だからか「杜鵑花」もあり。杜鵑だけぢゃホトトギスだが、中国語では烏龍茶を烏龍、鳳凰木を鳳凰、紫陽花も紫陽……と単語語尾の普通名詞字を省くことも多く、これもそれ。この駅名表示は中国人に親切なやうだがハングルは쓰쓰지가오카=ツツジガオカと表音そのままなのに中国語は意訳。そもそも「つつじが丘」という駅名に和語で正式に一切「躑躅」や「杜鵑」なんて漢字がないのだから日中間で一番大切な筆談「漢字を読めばわかる」の原則からすれば駅員だって乗り合わせた客だって中国人に「我要去杜鵑丘」と書かれたところで看不懂、こんな漢字表記するよりハングルのように音で「兔兔子個我客」(ウサギちゃんは私のお客さまw)とでも表した方が親切かも。
宜野湾市長選で東京新聞社説「辺野古信任とは言えぬ」(こちら)。

辺野古移設が宜野湾市民に「信任」されたと考えるのは早計だ。佐喜真陣営は選挙戦で普天間飛行場の固定化回避には言及したものの、辺野古移設推進を直接訴えたわけではないからだ。今回の結果は、辺野古移設に対する賛意ではなく、生活を脅かす身近な米軍基地を一日でも早く撤去してほしいという切実な気持ちの表れと受け止めるべきだろう。

同じ東京新聞琉球放送の元アナウンサー、元NHK理事の川平朝清さん(ジョン=カビラさんの父上)が戦後の沖縄の歴史でポール・キャラウェイ高等弁務官引き合ひに出し語つてゐる(こちら)。キャラウェイ辺野古移転を粛々と進めると宣つた官房長官菅某に対して翁長知事が「キャラウェイ高等弁務官が重なる」と指摘したのは記憶に新しいところ。

1960年代、あるパーティーで沖縄の最高責任者だったポール=キャラウェイ高等弁務官と話したことがある。「琉球における自治は神話」と公言し県民の反発を招いた人物だ。本土復帰に批判的な立場から「日本は今、沖縄にいいことを言っているが、どういう所に帰ろうとしているのか、わきまえた方がいい」と皮肉を言われ、川平さんはむっとした。
72年の本土復帰後も、米軍基地の全面返還という沖縄の願いはかなわない。さらに今、「世界一危険」とされる普天間飛行場の移設を理由に、辺野古への基地建設が進む。「今考えれば、キャラウェイの言葉は率直だった。本土復帰しても沖縄の自治は限られ、日本は沖縄にずっと苦渋の判断を強いてきた」

あまりにも重い回顧。それでも晋三たちは、この宜野湾での勝利で欣喜雀躍。日経は宜野湾での反辺野古陣営の敗北と今後の野党共闘を「共産参加で票が逃げる」と、これも後方支援。日経といへば一面トップで「英原発 日本勢で1兆円」と日立製作所による英国での原発受注を吉報として報じる(こちら)。日本の海外での原発売り込みの下品さは当然として英国も獨逸に比べると何とも節操がない、と呆れたら何のことはない、2012年、つまり311の翌年に日立製作所が英国の原子力発電事業者Horizon Nuclear Power買収で英国で少なくとも4基、最大で6基の原発の建設を計画、それがこれ。結局は海外にまで核禍押し売りの日本のマッチポンプ。堕ちるところまで堕ちるしか致し方あるまひ。