富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

口の中でグリグリが止まらない!?

fookpaktsuen2016-01-05

農暦十一月廿六日。雨。午後に黄雨警報発令、1992年だかに黄、赤、黒の豪雨警報が出来て以来1月の豪雨警報は初の由。毎日、新聞読んでゐて全国紙に1面大の記事で慣れないのが連日掲載される「口の中でグリグリが止まらない!?」と見出しの南九州産の本くず湯の広告記事。よく見ないと広告主はわからないが「アスリート家族」といふ企業。新聞から大企業の広告が減るなか、かうした全く知らない商品宣伝や宗教団体絡み多し。晩に自宅でおでんで日本酒飲む。
朝日新聞(私たちの今)で内田樹先生の「成長もう望めない、公正な分配に焦点」といふインタビュー記事。今の社会はグローバル資本主義はもう限界、右肩上がりの成長はもう無理、投資すべき先がなく「自国民を収奪の対象とする」やうになり「貧者から吸い上げたものを富裕層に付け替え恰も成長しているかのような幻想を見せているだけ」。それは地殻変動的な移行期の混乱の中だといふ。成長がありえない経済史的段階において未だ成長の幻想を見せようとしたら国民資源を使ひ果たすしか手がない。今はいったんブレーキを踏むべき、成長なき世界でどうやつて生き延びてゆくのか、人口が減り超高齢化する日本にどういう国家戦略があり得るのか、それを衆知を集めて考えるべきとき、と正論。この移行期は世界ではいま左翼のバックラッシュ(反動)が起きてゐる。

一時的な大衆的熱狂で議席を占有した政党が国の根幹に関わる制度や原理を簡単に変えることができないように、憲法があり、三権分立があり、両院制があり、内閣法制局があった。けれども、小泉政権以来、そうした行政府の暴走を阻止するためのブレーキに当たる装置がひとつずつ解除されている。(だが)歴史には必ず補正力が働きます。ある方向に極端に針が振れたあとは、逆方向に補正の力が働き、歴史はジグザグに進む。いまは針が極端に行き過ぎた後の補正段階に入っている。世界的なスケールでの左翼のバックラッシュも、日本に見られた「暴走する老人とそれを制止する若者たち』という逆説的な構図もその兆候だとぼくは見ています。

警視総監が5月の伊勢志摩サミットを前に「すべての施設を警察が守ることはできず警察だけでは防ぎきれない」として企業もテロ対策強化を、と発言(日経)。民間も含めた、このテロ対策社会とは何ぞや。個人情報もかなり保護されるなか目からウロコは東京新聞に載る歌舞音曲の世界の正月挨拶広告。松本幸四郎や井上八千代といつた有名ところが稽古場=事務所つまり自宅住所から電話番号まで出してのご挨拶。さすが。ちなみに松本錦升市川染五郎
中共の贈収賄や公金横領など取締り強化、不景気で打撃被るマカオのカジノ産業。2002年の賭場独占開放からカジノの売り上げ伸び2013年のカジノ売り上げ3,618億パタカは12年間で21倍記録したが2014年から縮小に転じて2015年は2,308億パタカで前年比34%減、5年前の水準の由。

今回、失踪の書店経営者の妻は香港警察に捜査願ひ出してゐたが夫の生存は確認され直接連絡の取れるコンタクト先ありといふことで警察への捜査願ひを取り下げ。何だか、かなり複雑なことに。紐育時報“Disappearance of 5 Tied to Publisher Prompts Broader Worries in Hong Kong”(こちら)。