富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

今国会での成立必要20%で不要68%

fookpaktsuen2015-09-15

農暦八月初三。朝起きると空がまだ少し暗い今日この頃。早晩にカーディガンを鰂魚涌の改衣店に出して帰宅。肩のところをどこかに引っ掛けたのか三ヶ所鉤裂きになつてゐたもの。晋三の所為かしら。帰宅してBloody Maryウヰスキー飲み夕食は砂肝のソテー等おかずだけでNZのFelton RoadはCentral Otago Pinot Noir 2007年飲む。日本人倶楽部での飲食は日系航空会社のマイレージ加算される。JALはOne WorldでCXにまとめてゐるので、此処でのポイントはANAに積んでゐるのだが細かい話で6月のポイントがわずか14哩分足りぬことに気づきANA香港のカスタマーサービスに問ひ合わせたら半日の間にミスを確認して14哩次回積みます、と連絡あり。こんなサービスなのに搭乗もせず申し訳ありませんである。
朝日新聞社世論調査で安保関連法案に賛成29%で反対54%、今国会での成立が必要20%で不要が68%、国会での議論が足りないは75%である。内閣支持率は36%で不支持率が42%と支持率は(第二次で)最低。消費税率引き上げで食料品2%分の還付制度も賛成35%で反対54%、これにマイナンバー制度を利用は賛成わずか17%で反対72%、この制度も過半数が期待しない、抵抗感はあるが71%と国民は真っ当。で政府の方針がすべて真逆といふ乖離。もはや晋三の内閣も行政も国民の意思とは全くことなる動きに。
▼安保法制を戦争法制と呼んで単に反対、これが立憲政治の否定と単に批判してゐてもダメ。陽一先生の弟子でフランス憲法思想専門の山元一・慶大教授曰く、仏独の頻繁な憲法改正に対して(今の安保法案には反対だが)憲法を発展させる「解釈」もある(こちら)。晋三はこれまで政府が違憲としてきた集団的自衛権行使を合憲とする解釈変更をしたが「解釈改憲」は実はこれが二度目。最初は自衛隊合憲。これは時間を経る中で法的・社会的に承認されたもの。それは可で今回は不可は整合性がない。新しい解釈を見極めるには「時間の経過による安定性が鍵」で積み重ね。時の政権が選挙での勝利を理由に決め得るものではない、と。自由や個人、平和主義を軽侮する政権がこの提案担ふべきでなく法案自体も時の政権の拡大解釈する危険への歯止め不十分で廃案にすべき。「後世から見たとき安倍さんは「9条を変えなくてもよい」という方向に道をつけた首相として記憶されているかもしれません」と山元先生(笑)。
東京五輪は、手詰まりな中でも何とか実現できる「夢」、だから「汚染水が相次いで漏れる状況の福島第一原発について「アンダーコントロール」と言ひ切つた晋三。「希望のためなら、ウソともとれるあいまい語も許される」という空気が震災後の日本には流れている……と片山杜秀先生(こちら)。東京五輪は2年前の「あの」招致演説から現実感の失われた世界に漂ひ始め新国立競技場や五輪エンブレムの惨状に。

安倍政権はあいまいな言葉を連発しています。原発再稼働もそう。いかにあいまいなゾーンを広げ、いかにごまかして政策を押し通すか、ということで政治が回っている。
怖いのは、みんないつの間にか、飛び交うインチキな言葉に慣れっこになり、状況に流されて、「しょうがない」と現実をどんどん肯定し始めることです。そうなると少数意見は排除され、世の中は一色に染まっていく。
これは一種のファシズムです。民衆自らが、それでいいと思ってしまうのですから、民主主義とも矛盾しません。みんなが、それでいいと思うとき、民主主義は容易にファシズムに転化するのです。

おかしいのは晋三だけに非ず。今年六月成立の改正防衛省設置法により「防衛装備庁」十月朔日発足閣議決定。「夏までに」と米国で誓った安保法制が面倒ななか、この時期に「ほら、閣議でこんなことできるんだぞ、やーい、やーい」的な六でもない外局の発足決定。消費税軽減のマイナンバー制とからめた財務省案は与党内でも公明党反対で自民党ないにも「唐突」といふ声あり。晋三のやうなバカに絶対的安定多数与へたら実は「あれも、これも」とこの内閣で決めてしまひたい霞ヶ関官僚の魑魅魍魎が跋扈してゐるのがよくわかる。実は敵は晋三に非ず。

日本では「国会議事堂前」伝えるのは朝日新聞や都新聞など「左傾だから」で片付けられるのだが海外にロイター電で、これくらいのニュースバリューで「国会議事堂前」が報道されてゐること。