富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

「勘三郎小僧」って……

fookpaktsuen2015-04-12

農暦二月廿四日。薄曇。新聞のトップ記事がいずれも中国政府、広東省民申請可の来港「一簽多行」マルチヴィザ見直しで「一周一行」つまり週に一度の来港に制限の由。明日生効。水貨=担ぎ屋対策といふが一簽多行で昨年1485万人の来港が450万人=3割減だとか。散々水貨客に罵詈雑言浴びせ結果、香港の小売業に影響大。日曜だといふのに今日も官邸で書類整理。晩に陋宅ですき焼き。鍋で具を焼いて醤油と砂糖で味付けの関西風か、割り下で煮る関東風か、今ではすつかり前者が好きだが味付けが強烈すぎるきらひもあり。そこで醤油と砂糖だけで薄口で割り下拵へておき肉などある程度火が通ったところで、これをかける、さういふのが何風なのか知らないが、今晩はこれで。InterFMでピーター=バラカンのBARAKAN BEAT聴いてゐたら、突然、ゲストが喋ってゐるのだが早口でわからない。日本語だが何処の方言かしら?、何かの小説で聞いたことのある、だがアタシのイメージはもっとゆっくりで……と思つたら那智勝浦からギタリストの濱口祐自さんでピーターさん、こんな紀伊の方言わかるとは。半分くらゐ何を話してゐるのかわからん。文藝春秋五月号少し読む。神戸の酒鬼薔薇君の裁判決定全文の掲載。当時の担当裁判官の提供が如何なものか。だが、それにしても本人のあきらかにキテしまつてゐるのだが、その発想、筆致……凡才はただ/\凄さの極みに驚愕するばかりで何度も行を繰り返し読み耽るばかり。
▼浅草で勘三郎の碑が建立され公会堂の向かひの店の軒に勘三郎扮した鼠小僧のフィギアが現れた。人気者の勘三郎偲ばれるばかり。それにしても花街顫音の都新聞がこの記事「勘三郎小僧」って……これじゃ中村屋を小僧扱ひ。せめて鼠小僧勘三郎とか。
▼全文を読むといへば昨日の東京新聞で五日に官房長官菅某と対談した沖縄県の翁長知事の発言。冒頭、マスコミに公開で五分のはずが三十分近く(資料にほとんど目をやらずの)良心の吐露。これを東京新聞が全文掲載。一読に値す。
朝日新聞の読書欄で「文民統制」といふタイトルで青木未帆教授(憲法学、学習院)が書いてゐたが「日本の政治を動かしている者のうちで自衛隊を外交の道具として使いたいという欲求が、いよいよ高まってきたようだ」と。さういふ意味では(自衛隊は本当に気の毒だが)広義の文民統制か、だが晋三がシビリアンたる文民かだうか、は甚だ疑問だが。同じ読書欄で張戎著『西太后秘録』の書評を原武史先生が書いてゐるのは同氏が近著『皇后考』出してゐるからで書評のなかでも西太后を大宮さん(貞明皇后)に似てゐると指摘してゐるのは面白いが本書で西太后の失政の損害について述べ「毛澤東が国家に負わせたそれに比べたら何十分の一にも満たない」と唐突に書いてゐることに「本書を書いた真の目的はどこにあったのかという疑念すら湧いてくる」と指摘。その上で結びで「本書の面白さは、著者自身の意図に反して、西太后の生身の人間性を浮き彫りにした個々の文章にこそ求められるべきだろう」としてゐるのだが、評者が勝手に「著者自身の意図に反して」なんてまで断言していゝのかしら。