富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

冠婚葬祭入門

fookpaktsuen2015-03-12

農暦正月廿二日。アタシも周囲もゴボゴホと咳する人多し。晩にうどん煮て啜り早寝。
歌舞伎座仁左衛門さんの菅丞相必見と聞く。「筆法伝授」は源蔵に染五郎で自身が芝居中に墨書、梅王丸は愛之助。「道明寺」は覚寿の秀太郎兄さんも良い由。
▼「激増する少年犯罪」だとか「事件の凶悪化」なんて白々しいセリフをアタシは嗤ふ。凶悪犯罪も少年犯罪も件数減つてゐるのだが、これに対して「社会の実感からすると」凶悪犯罪は増えてゐるといふやうな見方あることを久が原T君の呟板で識る。犯罪件数ぢたい減つてゐるのに何故さふ感じるかといふと「命の価値が上昇してきている」からださう。病気や天災による死、事故や犯罪に巻きこまれての死が少なくなり「死ななくなった」ことで現代人が人類史上最も「死から遠ざかった不死に近い人類」で、凶悪犯罪はそんな死なない現代人を殺す行為なので「凶悪犯罪が増えてゐる」と実感してしまふ、といふ。だが、その実感の原因は「マスコミの報道時間と情報量の増大」によるもの。私たちはそれに制御されてしまつてゐる。かつてなら新聞でベタ記事扱ひだつた犯罪や破廉恥事件が大袈裟に何度も取り上げられること。
塩月弥栄子刀自逝去。享年九十八。お弔ひで葬儀委員長は河野洋平君ださうな。半世紀も昔、NHKの「私の秘密」の頃、数へてみると刀自は半百で妙齢の美女といふとお世辞に聞こえるが本当に当時の白黒のテレビでも回答者のなかで華のある方だつた。そして小学生のときにカッパブックスで読んだ「冠婚葬祭入門」は今でもiPad電子書籍で入れてゐるほど。有職故実とまではいかないが日常生活でのこのテのマナー本大好きで当時、他に肩の凝らないところではサトウサンペイの「ドタンバのマナー」とか、これの海外版の「スマートな日本人」はテーブルマナー識るには本当に役にたつ。郷里で西洋料理屋でも何度かマナーが良いと大人に褒められ嬉しかつたもの。今でもレストランやホテルでのマナーで自分なりの基本は幼いころの修養wに依るところ多し。「スマートな日本人」で白眉はパリでフランス語だけのメニュー見せられ困ったら適当にオードブルとスープとメインがメニューで「このあたり」なので、そこを指差せ、とサンペイさん(笑)。

ドタンバのマナー (新潮文庫)

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