農暦十二月廿二日。晴。紅磡から落馬洲経て深圳の福田口岸。MTRで深圳北站。出発時間の30分ほど前だが「あれ?」といふ人混みに今更ながら気づいたら旧正月前(汗)。中共IDカードないのでネット予約済みの切符を自販機で発見できず窓口に並ぶがなか/\進まず前方のかなり人の良ささうな若者に「御免あと15分で発車なので発券させて」と請ひ背後の「排列啦!」といふ非難に「ご免ね」で切符入手。今になってネット上で印刷で発券もできたやうな、と後悔。予約済みなので1分ほどで切符入手で他の客があーでもない、かうでもない、と5分とかかゝるのに比べればさっさと済んで背後の客も少しは納得してくれかしら。10:27に深圳北站発のD6210列車で一路、広州南站。あまりない機会なので特等車に乗るがピッチ予想以上に狭く窮屈。これなら一等で十分。一等にあるフットレストもなければピッチは二等より狭い。この路線、景色も殺風景でトンネル多し。35分で広州南站着。地下鉄で江南西。打合せ。賑やかな江南西路漫ろ歩き宝業路。著名な料理屋並ぶ。得記海鮮砂鍋粥。海鮮の具を選ぶが迷つてゐると鮮魷(烏賊)は出汁がでて美味と勧められ飰す。確かに美味い。打合せ続き。地下鉄で広州南站。広州火車站と高鉄の南站結ぶ線は旧正月前の規制で荷物引き摺る客で混雑。站舎コンコースのカフェでカフェラテ32元もしたが恐ろしい不味さ。D6241列車で復路は商務位。ホームへの改札まで商務位客専用のラウンジで休息。茶菓のサービスあり。商務位は各編成の先頭と最後尾の車両それぞれ半分にありコンパートメントに5席。アタシの乗った車両で客はアタシ一人。そりゃ30分の乗車でこれに乗るのはよっぽどの好事家か公費乱用の公務員くらゐだが後者は現在は自粛モード。日本の新幹線のグランクラス(この呼び方、グランが仏語でクラスが英語といふ日本らしい和製外語だがグランクラッセかグランドクラスだろ、本来)並みでフルフラット。30分ぢゃ横臥する余裕もなし。茶菓のサービスあり。列車の速度上がってゐるな、と思つて表示を見たら時速308kmまで上がる。350km/hでの営業速度可だといふが300kmとなると「速い」より「怖い」。深圳北站から地下鉄で福田口岸。香港に入境、落馬洲から東鐡の一等車。紅磡から路線バスで銅羅湾。日本人倶楽部の「さくら」にG氏らと会食。二更に北角で知己の映画監督C君の自宅兼プライベートオフィス。マンションの最上階(49階)からの夜景眺め最高。新作の映画ほゞ出来上がり日本の某映画祭への出展について相談受ける。この映画祭、自薦は脚本和訳提出が最初で、まず脚本審査だといふ、映像だといふのに。三島の「豊饒の海」にかなり触発された話で場合によつては脚本邦訳手伝つてもよいか。それにしてもかなりエロティックな映像でボカし修正入れても映倫で「こりゃダメだろ」のシーンもあり。半夜三更に帰宅。