富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2015-01-03

農暦十一月十三日。快晴。暮れ正月の休みで一度も山にも登つてゐなかつた、とZ嬢と金鐘から混雑する路線バスでヴィクトリアピークに上がる。寒いのでピーク南側のHarlech Rd散歩して西高山に登るのだが郊外地図で二本ある点線の登山道のうち北側をとつたら藪の中に辛うじて踏分け辿り途中岩を這つて登るやうな難儀。60mほどそれを登ると整備された登山道に出て頂上(標高494m)に到着。天気よくかなり遠くまで見渡せる、と言ひたいが荃湾くらゐが視界の限界。頂上から通行禁止の看板無視して距離は500m弱で200m標高差、しかも最初は稜線の岩場で高所恐怖症のアタシには膝がく/\の下り。藪に入ると気持ちはまだ楽なのだが何度も滑り転びながらHarlech Rdの突当りに出て、地図上では実践なのだが又た藪の中の今度は誰かが目印につけたリボン目印に最後の100mほどはかなり急でロープが張られてゐて、それに掴まりながら林のなかを下り薄扶林道に出る。ケネディタウンまで學士臺からSands Stの古いマンション群抜けて下るが香港でも急勾配で有名なSands Stの階段にエレベーターとエスカレータまで設けられてゐるのには驚いた。北街の嚐囍煲仔小菜で遅めの昼食。18Xのバスで帰宅の途につくが香港島で不便だつたケネディタウンも地下鉄開業で赤ミニバスや18Xのやうなケネディタウンと東区を結ぶバスも客足落ちることに。このバスなど廃止になるかしら、で地下鉄はいつでも乗れるので今日はバスの選択。晩六時に近隣の歯医者で治療。銀のカバーが取れてしまひ持参したが歯のほうが劣化してゐる、この銀は固定できない、と白い詰め物で光を当てて……の作業。ずっと知らなかつたがT歯科医師にコンポジットレジン(Composite Resins)つまり合成樹脂なのだ、と教へられる。粘状だが特殊な光を当てると急速に固まる由。晩は歯を気にしてうどん煮て飰す。
朝日新聞の正月特集「子どもたちの世界」で香港支局長が道路選挙続けた17歳の学生にインタビュー。「数十年たてば社会の主役は私たち、無理だという人もいるけど希望が見えているから頑張るんじゃない、頑張るから希望が生まれるんだと思う」といふコメントで「若者たち」の君のゆく道は〜♪やシュプレヒコールの波〜♪と中島みゆきが聞こえてきた。真の普通選挙はあるべきだし政治を変へたい、の主張も真っ当……だが香港統治の問題は中共の1997年から数年間の経験不足による誤謬と香港側の稚拙さでマスタープラン通りにいかぬやうになり、その結果の現状。かうなつてしまふと香港の若者たちの民主化要求では状況の改善は無理。あとになつて日本の60年、70年安保のやうに中年の「あの頃は……」と単なる青春の記憶になりませぬやうに。